「ナポレオン・ダイナマイト」

〔2004年/アメリカ〕


アイダホの高校生・ナポレオン・ダイナマイト（ジョン・ヘダー）は、
まるで冴えない高校生。
学校までは、小学生と一緒にバスで通い、
友達も恋人もいない。


家族は、引き籠りでチャットばかりしている兄と、
オフロードバイクが趣味の祖母。
ところが、この祖母が、
砂丘で事故を起こし、入院した事から、
これまた風変りで怪しげな叔父が、
保護者として家にやって来る。
とにかくも、ナポレオンの周囲は、
変わり者ばかりなのだ。


そんなある日、学校に、
メキシコからの転校生・ペドロ（エフレン・ラミレッツ）がやって来る。
どこかオドオドしたペドロとナポレオンは意気投合、
2人は友達となる。


しかし、ペドロは内気なだけではなかった。
生徒会長選挙の告知を見た彼は、
立候補すると言い出したのだ。
なんとかペドロを当選させるために、
ナポレオンは奔走する事に・・・。





ついこの間、映画配給会社から、
「あまりにも安易に付けられた邦題を変更します」という
ニュースがあったので、
早速、どんなものか観てみた。


日本では劇場未公開で、
DVDになった時、付けられたタイトルが、
「バス男」。
当時大ヒットしていた、「電車男」にあやかったのだそうだ。
けれど今となっては、「バス男」と聞いて、
「電車男」を連想する人は、そうはいないであろうし、
改題は正解だと思う。


どうでもいいけど、私は「電車男」が大好き！(笑)。
（映像化された物じゃなくて、一連のスレッドが）
内気な男の子が、美人のエルメスと出会って、
結ばれるまでの過程が、とにかく可愛くて。
愛の告白をする車中の場面なんか、
下手な小説よりずっと緊張できたし、
本当に素敵だった。
ネットとはいえ、
人々が応援してくれる様子も楽しかった。


あれは作り物だという説もあるけれど、
そんな事はどうでもいいじゃないか。
サンタクロースだって、いると信じている人の心には、
存在するのよ。
私は、電車男とエルメスが、
今も幸せに暮らしていると信じているよ。


で、この映画。
冴えない高校生の主人公の名前が、
ナポレオン・ダイナマイトって、
その意外性だけで可笑しい。


でも、彼は、
よくある、ステレオタイプのいじめられっ子とは少し違う。
なんだかとっても芯が強そうだ。
それに色々な事を、ちゃんと考えているように見える。


そんな彼だから、
友達ペドロの応援演説の時に、
ビックリするような芸を見せる。
「そんな事、できたんだ」と思わせるような。
生徒たちは拍手喝采で、
観ているこちらも嬉しくなる。


引き籠り気味の兄も可笑しい。
彼はチャットで知り合った黒人女性を、
自分の町に呼び寄せる。
引き籠ってはいても、
そういう所は、手が早いのね(笑)。


で、この女性の物腰が、
南海キャンディーズの静ちゃんみたいなんだな(笑)。
もし、日本でリメイクした時は、
絶対、静ちゃんにこの役をしてほしい。


低予算ながら、
アメリカで大ヒットしたという本作。
きっとみんな、ナポレオンみたいな子が、
本当は大好きなんだと思うな。


評価　★★★☆☆