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「若草物語」 [映画]

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〔1964年/日本〕


大阪で暮らす浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子の姉妹は、
ある日、東京へ嫁いでいる長女・芦川いずみのアパートに、
家出をしてくる。
父が再婚したため、家に居づらくなってきたのだ。
羽田空港で、見知らぬ大学生・和田浩治の車で、
ちゃっかり送ってもらう3人。


3人はアパートを借り、デパートの就職試験を受ける。
美しい浅丘と吉永は合格するが、
おきゃんでまだ幼い和泉は不合格。
仕方なく、内緒で水商売に出るものの、
酒に酔って帰ってきて、姉たちに叱られる。


そんな中、浅丘は幼馴染の浜田光男と再会し、
すっかり大人になった互いの様子に感動する。
浜田は彼女たちのアパートに出入りするようになり、
浅丘と愛し合うようになる。
しかし、密かに浜田に恋をしている吉永は、
ショックを隠し切れない。


ところが、空港で会った和田が、
浅丘に猛烈なアプローチをかけてくる。
仕事でなかなか会えない浜田に淋しさを覚え、
和田の誘いに乗る浅丘。
そんな浅丘に苛立つ吉永。


彼女たちの恋はどうなるのか・・・。





タイトルは「若草物語」だけれど、
オルコット原作の、「若草物語」とは全然違う。
同じなのは四姉妹という設定だけ(笑)。
あちらが珠玉の名作なのに対し、
こちらは、生活に密着した、
日本の庶民を描いたお話し。


芦川、浅丘、吉永、和泉って、
こんな可愛い四姉妹がいたら、
近所でも評判になりそう。
これは私の勝手な希望だけど、
芦川も、未婚という設定にしてほしかったな。
一人だけ人妻で落ち着いちゃってるっていうのが、
なんだかバランスが悪い気がして。


途中、浅丘が浜田光男と恋人同士になるっていうのが、
とっても意外だった。
浜田の相手役といえば、
吉永小百合と決まっていると思い込んでいたから。


浅丘と浜田の組み合わせというのが、
やっぱり合わない。
美人の浅丘が、童顔の浜田に寄り添っても、
どうしても、姉と弟といった風情になってしまう。
大映でいうところの、
川口浩様と山本富士子さんの組み合わせで感じるのと、
同じ違和感。


浅丘は、仕事に忙しく、自分を置いていこうとする浜田に、
「いやよいやよ」とすがって泣くけれど、
「あの」浅丘ルリ子は、
男にそんな媚は売らないと思うんだけどなぁ(笑)。


恋に悩む、
シリアスな浅丘と吉永に対して、
和泉の末っ子らしい明るさが、
たいへんな緩和剤となっていて、
とてもいい。


元気で、何も考えていないような、
脳天気ぶりなんだけど、
本当にいざという時は、
結構いい事言ってくれたりする。
彼女の存在に、全員が救われている。


評価 ★★★☆☆