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「名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第二部 巨人対怪人」 [映画]

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〔1954年/日本〕


第一部からの続き。


怪人二十面相のアジトを突き止めた明智小五郎(若杉英二)だが、
落とし穴に落とされてしまう。
しかし、少年探偵団に何とか助けられる。


一方、怪人二十面相は、
明智に変装して、
伊豆にある、
原子力資料を盗み出す。


さらに、明智の秘書・玲子と、
羽柴博士の娘を誘拐し・・・。





いやはや、
これは凄い映画だ(笑)。
一人で観るのが勿体なくて仕方なかった(笑)。
誰かと一緒に、
一時停止したり、早戻ししたりして、
おかしな点を確認しながら、
ツッコミ入れながら観たかった。
新コロな今、なかなか友人に会えないのが、
残念。


まず、最初から凄い。
名探偵明智小五郎は、
怪人二十面相に捕まって、
地下に落とされ、
そこに水が流れ込んでくる。


それでも何とか、
少年探偵団に助けられるんだけど、
なんと、水から上がった明智は、
全身、ビニールでできた防護服を着ていたおかげで、
スーツは一滴も濡れていない。
えー!
一体、そんなもん、いつ着たの?
持ってたの?(笑)。


怪人二十面相の変装場面も可笑しい。
安そうなブラシで、
ファンデーションを塗ったり、
眉毛をコンシーラーで別の形にしたり。
あれで、完全な別人になれるのなら、
私だって、アンバー・ハードになれる(笑)。


極めつけは、
誘拐された秘書。
彼女は、閉じ込められた部屋で、
体のどこかから、鳩を取り出す。
一体、どこにそんなもん隠していたのか。


そして、鳩の足にSOSのお手紙を。
その場面は、ちょっと好きだな(笑)。
何でもケータイで済ませる、今の時代から考えると、
逆に斬新だ。
アナログで、牧歌的な感じがすごくいい。


それにしても、
「第一部」でも書いたけど、
登場人物たちは、
一体、何度、二十面相に騙されるんだろう。
すぐ車に乗っちゃうし(笑)。


いや、咎めてるわけではないです。
そんなこんなの全てが面白くて。


評価 ★★★☆☆

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「怪人二十面相 第一部 人か魔か?」 [映画]

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〔1954年/日本〕


世間で、
怪人二十面相が様々な犯罪を犯し、
人々が恐怖のどん底にいた時、
また、新たな犯罪予告が来る。


それは、羽柴博士(山形勲)が考案した、
原子炉設計図を盗み出す、というもので、
羽柴家は、警察官による厳重な警備で、
物々しい雰囲気となる。


少年探偵団も、
警察と一緒に、
事件解決に乗り出す。
少年探偵団の一人、羽柴荘二は、
羽柴博士の次男なのだ。


羽柴博士は、長男の荘一と一緒に、
「今夜12時に設計図をいただく」と予告してきた二十面相を、
じりじりとした思いで待つのだが・・・。





江戸川乱歩の小説は、
好きでよく読んだ。


「蜘蛛男」などは、
同じ話でも、
大人向けと、子供向けが、
ちゃんと分けられていて、
読み比べてみると、
子供に読ませられないような部分は、
ちゃんと削られているのも、面白かった。


この映画は、もう完全に子供向け(笑)。
そもそも、
こうして映像で見てみると、
ツッコミどころ満載なのが笑える。


小説の中の、少年探偵団は、
明智小五郎を助ける、
頼もしい味方だと感じるけれど、
それが映像になると、
事件現場や、事件予告現場に、
何人もの子供がウロウロするなんて、
どうしても、足手纏いに見えてしまう(笑)。


それに、今になってみると、
とっても牧歌的。
のんきもいいところ(笑)。


「怪人二十面相」って、
犯罪者自らが、
「私は変装の名人です。ご注意ください」と
言ってくれているようなものじゃないか(笑)。


なのに、登場人物の皆様は、
何度も何度も、騙される。
普通なら、
一度、最悪でも二度、
変装している人間に騙されたら、
もう、目の前にいる人間の事は、
誰一人信用できなくなるであろうに(笑)。


ところで、
この映画の怪人二十面相は、
すごく嫌な奴だ。


こやつは、羽柴博士の長男に変装して、
羽柴家に入り込む。


長男は、戦争に行ったまま生死不明だったので、
家族は、その帰国に大喜びで、
祝賀会まで開くのだ。


人の家族を思う気持ちに付け込むとは、
卑怯な。
正体を現した時、
「お前の息子なんて、とっくに戦死している」なんて、
喜びの頂点にいたものが、
地獄に突き落とされたような、最悪な場面。


ラスト近くに、やっと明智小五郎が登場する。
第二部から、活躍するようだ。


評価 ★★★☆☆

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「ハーフ・ア・チャンス」 [映画]

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〔1998年/フランス〕


高級自動車の窃盗を生業にしている
アリス(ヴァネッサ・パラディ)は、
亡くなった母親の遺言で、
自分の父親候補が、
ジュリアン・ヴァイニャル(アラン・ドロン)と、
レオ・ブラサック(ジャン・ポール・ベルモント)の
2人いる事を知る。


アリスが、
ジュリアンとレオに会い、
事情を話すと、
2人とも、
「自分が父親だ」と言い張って譲らない。


そんな中、アリスは、
クラブでチンピラに絡まれ、
逃げるために、車を盗むが、
その車に、
チェチェンマフィアの大金が積まれていた事から、
命を狙われる事に。


可愛い娘の危機に、
ジュリアンとレオは・・・。





アラン・ドロンと、ジャン・ポール・ベルモントの
どちらかが父親だぁ?


こんなカッコいいパパ候補が2人って、
そんな素敵な事が現実に起こったら、と思うとワクワクする。
しかも、この2人、
どちらも大金持ち。
ベルモントが、高級スーパーカーを何台も所有しているかと思えば、
ドロンは、ヘリコプターで駆け付ける。
ますますワクワクする(笑)。


さらには、2人揃って、
「俺の娘?そんな話、聞いてねーよ」
なーんて展開にならないところがいい。


これは年齢に因るところが大きいのかもしれない。
公開当時、ドロン63歳。
ベルモント65歳。
そろそろ、人生も老境に差し掛かり、
金はあるけど、一人で暮らしていたところに、
ヴァネッサ・パラディのような可愛い娘が現れたものだから、
舞い上がるのも当然だろう。


これが彼らが20代、30代だったらどうだろう。
それこそ、
「聞いてねーよ」となったかもしれない(笑)。


で、話しは、そんな親子の対面物語なのかと思っていたら、
途中から一転して、
犯罪もの、アクションものに。


マフィアに狙われた娘を助けるために、
パパたち、大奮闘!


特にベルモントは、
かつて外人部隊にいた、
エリート軍人。
チェチェンマフィアになんか負けてたまるか、って(笑)。


ラスト、どちらが本当のパパか、
結論が・・・。
いやいや、
それは書かない方がいいですね。
っていうか、
洒落た終わり方だった。


評価 ★★★☆☆

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「居酒屋」 [映画]

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〔1956年/フランス〕


150年ほど前のフランス。
ジェルヴェーズは15歳の時、
恋人・ランチエと暮らし始め、
結婚しないまま、二人の男の子を生む。


ジェルヴェーズは、洗濯場で懸命に働いているが、
ランチエは、彼女の金を使い果たすばかりで、
働こうとはせず、
挙句に、女と逃げてしまう。


数年後、ジェルヴェーズは、
屋根職人のクポーと結婚し、
幸せな日々だったが、
ある時、クポーは屋根から落ちてしまい、
その以来、働かなくなってしまう。


ジェルヴェーズの心の支えは、
子供たちと、
そして鍛冶屋のグジェだった。
グジェが用立ててくれた金で、
ジェルヴェーズは夢だった
洗濯屋を開店する。


そんなある日、ランチエが町に戻ってくる。
すると、クポーが、
自宅に彼を下宿させると決めてしまい、
かくして、
ジェルヴェーズと、夫、元彼の3人が、
一つ屋根の下で暮らすようになるのだが・・・。





主人公のジェルヴェーズの、
あまりの不幸っぷりに、
観ているのが辛い。


とってもいい子なのに。
出会う男が悪いのか、
彼女の何かが、
男を怠け者にしてしまうのか。


ジェルヴェーズは、決して、
メソメソした、弱い女ではない。
仕事をするバイタリティーは凄いし、
「洗濯屋の女主人になる」という夢も、
ちゃんと叶える。


でも、彼女のパワーや稼ぎより、
男のクズっぷりの方が
上回っているのだ。


しかも、
夫のクポーが、
ジェルヴェーズの前の内縁の夫を
家に住まわせるって、
どういう事?


妻妾同居ってのは聞いた事があるけど、
こういうのは、何て言うんだろう。


近所の人たちは、
この3人の同居を白い目で見ている。
当たり前だ。
日本だって、知り合いにそんな人がいたら、
きっと噂になるだろう。


おかげで、この物語で一番真っ当な
鍛冶屋のグジェは、
ジェルヴェーズに呆れて、
遠くに行ってしまう。
あーあ。


ジェルヴェーズとクポーの間に生まれた娘・ナナ。


映画が終わる頃、
「あ!」と思った。


以前観た、「女優ナナ」という映画の、
主人公・ナナこそ、
ジェルヴェーズの娘だった。


元は、エミール・ゾラの小説で、
「居酒屋」と「女優ナナ」は、
話しが繋がっているのだ。


観る順番を間違えた。
このナナが、ジェルヴェーズの娘だと、
知っていて観るのと、知らないで観るのとでは
感慨が全然違うだろう。


「女優ナナ」は3度も映画化されているので、
また別バージョンのを観てみたい。


評価 ★★★★☆

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「恐怖女子高校 アニマル同級生」 [映画]

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〔1973年/日本〕


私立聖和女学院は、
スポーツが盛んで、
さらに、
海外留学制度が充実しており、
それを目当てに入学する子も多い。


そんな学院に、
5人の転校生が入る予定であったが、
しかし登校の日に、なぜか4人しか来ない。
そしてその4人は早速リンチを受ける。


そこに現れたのが、
5人目の転校生・風花亜紀(池玲子)。
亜紀の姉は、
この学院から、留学生として渡米したが、
そのまま行方不明となっており・・・。





シリーズ4作目にして最終話。


4作も立て続けに、
このような映画を観ていると、
段々、何が何だかわからなくなってくる(笑)。


学校が舞台なのは分かるけど、
毎回、スケバングループが出てきて、
女同士の大喧嘩。


それから、毎回あるのが、
転校生に対する、
肉体のチェック(笑)。


女が女の肉体の
何をチェックするというのだろう。
それって、女がやってはいるけれど、
本当は、
監督に代表する、
男の願望のように思える(笑)。


ただ、この4作目は、
今までの3作とは、
ちょっと学校の雰囲気が違うかも。


この聖和女学院、
スポーツが盛んという事で、
しかも、
その競技といえば、
フェンシング、アーチェリーなど、
ちょっと品の良さそうな、
金がかかりそうなものばかり。


それから、
海外留学なども、
他の3作には無かったことだ。


もちろん、そんな綺麗事な話のわけがなく、
学校ぐるみで、
アメリカに送ったJKに売春をさせるという、
「んな馬鹿な」という展開。


「あの学校から、留学すると、
 生徒が行方不明になる」なんて噂が立ったら、
誰も入学しないだろうに(笑)。
まぁ、そんな深い事を考えたら
この手の映画は楽しめないけど(笑)。


これでシリーズ4作、
全部を観た。
なんだか1年ダブって、
高校を卒業したような気分(笑)。


評価 ★★★☆☆

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