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「ぶあいそうな手紙」 [映画]

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〔2019年/ブラジル〕


ブラジル南部の街で暮らす、
78歳の老人・エルネスト。


彼は、頑固で融通が利かず、
それから、目がよく見えない。
それでも頑なに一人暮らしを続けると言い張り、
息子は心配している。


そんなエルネストの所に、
一通の手紙が届く。
それは、かつての親友の妻からだったが、
視力のせいで、読むことができず、
困ってしまう。


そんな中、ひょんな事から知り合った、
23歳の女性・ビアが、
手紙を代読してくれ、
さらに、返事を代筆してくれる事になるのだが・・・。





試写会で観た。


エルネスト、78歳。
独居老人。


高齢の彼を一人で住まわせておくのが
不安なのか、
息子は、彼のマンションを売ろうとしているようで、
見知らぬ人に、内覧させたりしている。
もしも、マンションが売れたら、
同居する気なのか
老人ホームに入れるつもりなのか、
そこは分からない。


ただ、それを拒否するエルネストの気持ちも分かる。
その年になって、
住み慣れた土地を離れて暮らすなんて、
そりゃあ、嫌だろう。
しかも、自分の意思でなく、
勝手に話を進められるなんて。


そんなエルネストに届いた手紙。
それは、親友の妻からで、
そこには親友の死が綴られていた。


目が不自由な彼に代わって、
手紙を読んでくれたのが、
23歳のビア。
祖父と孫ほどに年の離れた2人だけれど、
なぜか気が合い、
次第に交流を深めてゆくのだけれど、


それを見ている周囲の人は、
とても心配する。
というのも、
ビアが今一つ、得体が知れない、というか、
身元不明で、信用できない風に見えるからだ。


たしかに彼女は、最初、
「それをしては駄目でしょ」という行いをする。
観ているこちらは、ちょっと引く。


ただ、根っからの悪い子ではなさそうで、
自分のした事を
謝り、
反省もできる。
エルネストの信頼を得てからは、
二度と悪い行いはしない。


老い、孤独、貧困、DVなど、
地球の裏側の国、
ブラジルでも、
抱えている問題は、
日本と変わりないんだなぁ、という思いで観る。


日本と違うのは、
国と国との行き来の感覚。
そこは興味深い。


登場人物たちは、
ブラジルに住んではいるけれど、
ウルグアイや、アルゼンチンなど、
南米各国の出身のようだし、
割と簡単に行き来しているように感じられる。
島国の日本と、
他国とが陸続きの国とでは、
感覚も違うのでしょうね。


評価 ★★★☆☆

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