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「怪人二十面相 第一部 人か魔か?」 [映画]

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〔1954年/日本〕


世間で、
怪人二十面相が様々な犯罪を犯し、
人々が恐怖のどん底にいた時、
また、新たな犯罪予告が来る。


それは、羽柴博士(山形勲)が考案した、
原子炉設計図を盗み出す、というもので、
羽柴家は、警察官による厳重な警備で、
物々しい雰囲気となる。


少年探偵団も、
警察と一緒に、
事件解決に乗り出す。
少年探偵団の一人、羽柴荘二は、
羽柴博士の次男なのだ。


羽柴博士は、長男の荘一と一緒に、
「今夜12時に設計図をいただく」と予告してきた二十面相を、
じりじりとした思いで待つのだが・・・。





江戸川乱歩の小説は、
好きでよく読んだ。


「蜘蛛男」などは、
同じ話でも、
大人向けと、子供向けが、
ちゃんと分けられていて、
読み比べてみると、
子供に読ませられないような部分は、
ちゃんと削られているのも、面白かった。


この映画は、もう完全に子供向け(笑)。
そもそも、
こうして映像で見てみると、
ツッコミどころ満載なのが笑える。


小説の中の、少年探偵団は、
明智小五郎を助ける、
頼もしい味方だと感じるけれど、
それが映像になると、
事件現場や、事件予告現場に、
何人もの子供がウロウロするなんて、
どうしても、足手纏いに見えてしまう(笑)。


それに、今になってみると、
とっても牧歌的。
のんきもいいところ(笑)。


「怪人二十面相」って、
犯罪者自らが、
「私は変装の名人です。ご注意ください」と
言ってくれているようなものじゃないか(笑)。


なのに、登場人物の皆様は、
何度も何度も、騙される。
普通なら、
一度、最悪でも二度、
変装している人間に騙されたら、
もう、目の前にいる人間の事は、
誰一人信用できなくなるであろうに(笑)。


ところで、
この映画の怪人二十面相は、
すごく嫌な奴だ。


こやつは、羽柴博士の長男に変装して、
羽柴家に入り込む。


長男は、戦争に行ったまま生死不明だったので、
家族は、その帰国に大喜びで、
祝賀会まで開くのだ。


人の家族を思う気持ちに付け込むとは、
卑怯な。
正体を現した時、
「お前の息子なんて、とっくに戦死している」なんて、
喜びの頂点にいたものが、
地獄に突き落とされたような、最悪な場面。


ラスト近くに、やっと明智小五郎が登場する。
第二部から、活躍するようだ。


評価 ★★★☆☆

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