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「ぼくの名前はズッキーニ」 [映画]

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〔2016年/スイス・フランス〕


9歳のイカールは、
ママが付けてくれたあだ名「ズッキーニ」がとても気に入っている。
けれど、パパが若い女性と去ってしまい、
ママは荒れて、
一日中ビールを飲んでは、
ズッキーニに当たり散らす毎日。


そんなある日、ママが不慮の事故で死んだ。
ズッキーニは、
担当の警察官・レイモンさんに連れられて、
孤児院「フォンテーヌ園」に入所する事になった。


「フォンテーヌ園」には、
様々な事情を抱えた5人の子供たちが暮らしていて、
最初は不安だったズッキーニも、
次第に園に馴染んでゆく。


少し経った頃、
また新しい入所者がやって来た。
少女の名前はカミーユ。
ズッキーニはカミーユに恋心を抱き・・・。





決して明るい物語ではない。
主人公のズッキーニや、
ズッキーニが暮らす「フォンテーヌ園」には、
子供向けアニメとは思えないような、
ドロドロした事情を抱えた子ばかりで、
綺麗事では済まされない、現実感がある。


最初、ズッキーニが「フォンテーヌ園」に入った時、
リーダー格のシモンから、きつい言葉を投げかけられたので、
この先、シモンにいじめられる話だったら嫌だな、
と思っていたのだけれど、


シモンも、心に傷を負った少年という事に変わりはなく、
実は繊細で、
ズッキーニと、いい友達になってゆく過程が、
素晴らしい。


「フォンテーヌ園」を運営する大人の皆様も、
めちゃくちゃいい人ばかり。
よくある、孤児院での虐待などは、
ここには存在しない。


それどころか、
みんなで雪山にお泊り遠足に行くなど、
楽しい行事もあって、
嫌な実親に育てられるくらいなら、
こちらの方がずっと幸せだとさえ思ってしまう。


警察官のレイモンさんも、
本当にいい人。
あぁ、私も、
レイモンさんみたいな人になりたいよ。


そして、途中から登場する少女・カミーユ。
彼女も、他の子と同様、
想像を絶する辛い体験の末、
「フォンテーヌ園」にやって来た。


そんなカミーユに恋するズッキーニ。
そして、やっぱり向こうの感覚は違うなぁ、と思うのは、
2人がキスしたり、
手に触ったり、
自然に恋愛を学んでいる所。
9歳といったら、
ちびまる子ちゃんや、サザエさんのワカメと同じよね(笑)。
なんか、全然違う(笑)。


他の子供たちの会話も笑える。
「大人の男と女はどーするこーする」とか、
「そんなもん、自分は映像で見ているから知ってるぜぃ」とか、
最初から最後まで、
そんな話題ばっか(笑)。
やっぱり、まる子やワカメとは違う(笑)。


カミーユは、あるピンチを迎えるんだけど、
みんなの協力で解決。
めっちゃホッとできる場面。


評価 ★★★★☆

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