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「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」 [映画]

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〔2018年/オーストリア〕


1937年。
オーストリアのアッター湖畔で、
母親と暮らしていた17歳のフランツ(ジーン・モルツェ)は、
タバコ店で働くため、
ウィーンにやって来る。


店には様々な客がやって来るが、
常連客の一人で、
「頭の医者」だという、フロイト教授と親しくなったフランツは、
”人生を楽しみ、そして恋をしなさい”と言われる。


ほどなくして、
ボヘミア出身の女性と知り合ったフランツは、
彼女と懇意になるが、
けれど、
彼女には謎が多い。


そんな日々の中、
時代は、激動の時を迎えようとしていた・・・。





試写会で観た。


オーストリアの田舎町から、
首都ウィーンのタバコ店に就職した、
17歳の男の子が、
あの実在の精神分析医・フロイトと出会い、
成長してゆく物語。


原作は、2012年にオーストリアで出版されて、
社会現象にまでなった小説だそうで、
元のタイトルは、「キオスク」。


そう、主人公のフランツが働く店は、
メインの商品は、タバコや葉巻だけれど、
他にも、文房具や新聞、
そして、当時ご法度だったエロ本が、
秘密で売られているなど、
まさしく、「キオスク」といった感じの、
街の萬屋さんといった趣。


フランツは、その店で、
店主に仕事や、客あしらいを教わりながら、
暮らしてゆくのだけれど、
フロイトに言われた通り、
一人の女性と知り合い、恋をする。


けれど、彼女と親しくなっても、
「恋人」というほどには、
彼女の心を掴み切れない。
ある日、彼女の後をつけたフランツは、
彼女は、ショーパブ(のような店)で
働いている事を知る。


もし、時代が違っていたら、
彼女はもっと、フランツと真剣に向き合っていたのではないかと
想像する。
不安定な、この時代、
経済的にも、精神的にも余裕のない彼女は、
将来の分からないフランツと
真剣に恋をする事などできなかったのだろう。


彼女の働くショーパブにしたって、
最初は、ヒトラーを小馬鹿にするような出し物をしていたのに、
ナチスが街に台頭してくると、
手の平を返したように、
ナチスが喜ぶような内容に変える。
時代の不安定さがとてもよく表されている場面。


フランツはとても感性豊かで、
「こうありたいと思う、理想の自分」と
「現実の自分」が出てきて、
その描き方が、とても面白い。


慣れてくると、こちらも、
「あぁ、これは理想の自分の方ね」を分かる(笑)。


もの知らずの私は、精神分析医のフロイトが、
オーストリア出身のユダヤ人だと、
この映画で初めて知った。
少しお利口になったような気分(笑)。


評価 ★★★☆☆

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