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「噛みつかれた顔役」 [映画]

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〔1958年/日本〕


風呂屋の三助から、
銭湯を経営するまでになった八十吉(伴淳三郎)は、
ペテン師の泉川(佐田啓二)におだてられ、
市会議員に立候補する事に。


どころが、そんな選挙運動の忙しい最中、
女中の花枝が、体調を崩し倒れてしまう。
どうやら花枝は、妊娠しているようだ。


それを知った八十吉は青くなる。
彼は、数か月前、花枝の貞操を、
無理矢理奪ったのだ。


そんな事が世間に知られたら、
選挙落選は必至・・・。





生娘の女中を妊娠させてしまった、
市会議員立候補中のオッサンが、
右往左往する喜劇。


このオッサンを演じるのが、
伴淳三郎さん。
演じる人によっては、
「なんて酷い事を」を思われるであろう、このお話しも、
伴淳さんだと、
「しょうがないなぁ」って感じになるから、
不思議。


しかも、
伴淳さんの公約というのが、
「風紀粛清 町の純潔化」
というのだから、
大笑い。


それに粗筋は、
実はもっと複雑。


伴淳さんの妻、息子、妹、
女中の兄や伯母、
風呂焚き男、ライバル候補、などなどが入り乱れて、
大騒ぎ。


伴淳さんは勿論、
とってもいいんだけど、
佐田啓二さんって、凄いなぁ、と思う。


真面目で実直な役も似合うんだけど、
この映画のような、
胡散臭い、
詐欺師といおうか、
ペテン師といおうか、
そういう役も、演じると本当に上手くハマる。


そんな佐田さんが、
伴淳さんを騙す構図が面白い。


評価 ★★★☆☆

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