「居酒屋」 [映画]
〔1956年/フランス〕
150年ほど前のフランス。
ジェルヴェーズは15歳の時、
恋人・ランチエと暮らし始め、
結婚しないまま、二人の男の子を生む。
ジェルヴェーズは、洗濯場で懸命に働いているが、
ランチエは、彼女の金を使い果たすばかりで、
働こうとはせず、
挙句に、女と逃げてしまう。
数年後、ジェルヴェーズは、
屋根職人のクポーと結婚し、
幸せな日々だったが、
ある時、クポーは屋根から落ちてしまい、
その以来、働かなくなってしまう。
ジェルヴェーズの心の支えは、
子供たちと、
そして鍛冶屋のグジェだった。
グジェが用立ててくれた金で、
ジェルヴェーズは夢だった
洗濯屋を開店する。
そんなある日、ランチエが町に戻ってくる。
すると、クポーが、
自宅に彼を下宿させると決めてしまい、
かくして、
ジェルヴェーズと、夫、元彼の3人が、
一つ屋根の下で暮らすようになるのだが・・・。
主人公のジェルヴェーズの、
あまりの不幸っぷりに、
観ているのが辛い。
とってもいい子なのに。
出会う男が悪いのか、
彼女の何かが、
男を怠け者にしてしまうのか。
ジェルヴェーズは、決して、
メソメソした、弱い女ではない。
仕事をするバイタリティーは凄いし、
「洗濯屋の女主人になる」という夢も、
ちゃんと叶える。
でも、彼女のパワーや稼ぎより、
男のクズっぷりの方が
上回っているのだ。
しかも、
夫のクポーが、
ジェルヴェーズの前の内縁の夫を
家に住まわせるって、
どういう事?
妻妾同居ってのは聞いた事があるけど、
こういうのは、何て言うんだろう。
近所の人たちは、
この3人の同居を白い目で見ている。
当たり前だ。
日本だって、知り合いにそんな人がいたら、
きっと噂になるだろう。
おかげで、この物語で一番真っ当な
鍛冶屋のグジェは、
ジェルヴェーズに呆れて、
遠くに行ってしまう。
あーあ。
ジェルヴェーズとクポーの間に生まれた娘・ナナ。
映画が終わる頃、
「あ!」と思った。
以前観た、「女優ナナ」という映画の、
主人公・ナナこそ、
ジェルヴェーズの娘だった。
元は、エミール・ゾラの小説で、
「居酒屋」と「女優ナナ」は、
話しが繋がっているのだ。
観る順番を間違えた。
このナナが、ジェルヴェーズの娘だと、
知っていて観るのと、知らないで観るのとでは
感慨が全然違うだろう。
「女優ナナ」は3度も映画化されているので、
また別バージョンのを観てみたい。
評価 ★★★★☆
2020-07-14 12:00
nice!(123)
コメント(10)
居酒屋なんちゅう映画もあるんだね。
私は、居酒屋と言えば歌を思い浮かべます。
五木ひろしと木の実ナナが歌ったデュエットソングです。
「居酒屋」と「女優ナナ」は、話しが繋がっている・・・
歌の居酒屋は木の実ナナが歌ってるのは、これと何か関連性があるのでしょうか?
単なる偶然か?
by 英ちゃん (2020-07-14 14:58)
そのまんま和訳だと思うのですが、
フランス映画で「居酒屋」ってタイトルが、
なんだか不思議な印象を受けます(笑)
物語の舞台は洗濯屋なのに、
タイトルは居酒屋なのですね(・∀・)
by あおたけ (2020-07-14 17:30)
男には耳の痛い映画がつづきますね。
by ヤマカゼ (2020-07-15 07:26)
居酒屋は見たい映画の一つでしたが見そびれました。
なんか男女のもつれ合いみたいな感じですね。
by 旅爺さん (2020-07-15 08:31)
英ちゃんさん
コメントありがとうございます。
私も「居酒屋」と聞くと、映画とは関係ない、
あの歌が浮かんできます^^;
それから、確かに!
言われて初めて気が付きました。
エミール・ゾラの原作は1877年に書かれたそうですので、
木の実ナナさんとは全く関係がないのに、
凄い偶然ですね!
by 青山実花 (2020-07-15 20:45)
あおたけさん
コメントありがとうございます。
たしかに、映画では居酒屋の場面は
あまりなかったような・・・。
ウィキペディアによると、
原作で頻繁に出てくる居酒屋の名前だとか。
「酒場」と訳された事もあったようです。
by 青山実花 (2020-07-15 20:45)
ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。
やはりこの映画に出てくる男たちは
問題大ありですね^^;
by 青山実花 (2020-07-15 20:45)
旅爺さんさん
コメントありがとうございます。
男女がもつれ合って、
誰一人、幸せになれないような映画ですね^^;
by 青山実花 (2020-07-15 20:45)
あ、青山実花さんもご覧になったんですか!、
実はボクも見たんですよ「居酒屋」。
結局のところ、この主人公の女…、
アホやろ?。選ぶ男選ぶ男、全部ハズレやん。
ついには、いい感じだったプラスチックラブな
男まであきれ果てて去っていくじゃん。
で、最後は自滅してしまう…。
すべてを失って…。
なんか原作ではこの後、
この主人公、孤独死して腐乱死体で発見される
らしいな。大島てる案件やで。
で、娘のナナも娼婦にまで落ちぶれてしまうらしい。
なんぼ悲劇よ。
この女も男に頼らずひとりでも洗濯屋で
がんばっていかなかったんだろう。
男どもを追い出して。
時代背景が違うと言われればそれまでですが、
実にはがゆいのであった…。
そう思えば、今はいい時代ですね。
青山実花さんはいつでもボクを叩き出して、
ブログを日々更新することが出来る。
選択肢がある。洗濯屋ではない。実に自由だ。
ちょっとこの映画でテンションが下がったので、
明日はいっちょ「ハーフ・ア・チャンス」でも見て、
景気づけしよっかな?。
by 裏・市長 (2020-07-16 02:20)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
えぇ!?
裏・市長さんもこの「居酒屋」、
ご覧になったんですか?
今どき、レンタル店にもあるかないか分からないような、
こんな古典映画を?
もしかして、私のPCをハッキングしてるんですか?
翌日の日付指定の予定投稿を調べて、
同じ記事を出してきているんですか?
それは、国家機密漏洩法に抵触しますわよ。
お気を付けくださいませね。
本当に、女を不幸にするのは、
いつの時代も男!
わたくしは、ジェルヴェーズが気の毒でなりませんでしたわ。
この映画に出てくる男たちは、
なぜにああも、怠け者なのか。
懸命に働くジェルヴェールズの稼ぎをあてにするなど、
言語道断。
真面目に働いていたのに、最後が腐乱死体。
可哀想すぎ。
生活保護なのに、2000円のタピオカ飲み放題。
やっぱり世の中おかしい。
by 青山実花 (2020-07-30 19:19)