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「花の兄弟」 [映画]

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〔1956年/日本〕


江戸時代末期。
かつて一刀流の達人と謳われた大塚半九郎(市川雷蔵)も、
今は落ちぶれ、
ごろつき侍に成り下がっている。


今日も、半九郎は、
悪浪人・青木弥太郎の一味と賭場に乗り込み、
金を巻き上げるが、
その帰り道、
養子にいった弟の播磨(林成年)と出会ってしまう。


落ちぶれた兄の姿に驚いた播磨だったが、
半九郎は、
改心を願う播磨の説得など聞こうともしない。


実は、二人の父は、
昨年、
鉄砲庫から短銃を何者かに奪われ、
その責を負って、自害していて・・・。





市川雷蔵さんの「花の兄弟」と言えば、
1961年に橋幸夫さんと共演した、
同名の映画がある。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2014-09-30


1961年版のオリジナルかと思って観てみたけど、
ストーリーが違う。
同じタイトルの、
全く別物の映画、
そして、主演が同じ人なんて、
珍しい。
後から作った1961年版のタイトルを付ける時、
誰も何も言わなかったのだろうか。


いや、当時はまさか、
自宅で古い映画を楽しむ日が来て、
ブログなどという場で、
タイトルに難癖付ける女が現れるなんて、
夢にも思っていなかっただろうから、
その辺りは、緩かったのかもしれない。


で、映画。


ワルの一味に加わった兄と、真面目な弟。
弟は兄を心配するが、
でも、兄の行動には理由が・・・
という、
まぁ、最初から展開の読める話しではあるが、
それなりにハラハラできる。


兄弟の関係がいい。
弟が窮地に陥った時、
助けてくれる雷蔵さん。
なんというカッコよさ。


雷蔵さんには恋人がいるのだけれど、
それを承知で彼に惚れてしまうのが、
青木弥太郎の情婦・小暮実千代さん。
この小暮さんがめっちゃいい。


彼女は雷蔵さんに惚れているせいで、
彼に短銃を向けるも、
どうしても撃つことができない。
そりゃあそうよね、
雷蔵さんを撃つなんて、
私だってできないわ(笑)。


雷蔵さんは小暮さんの気持ちを知りながら、
でも、
青木の情報を得るためには、
彼女を頼るしかなく、
その辺の描き方も上手かった。


雷蔵さんの気持ちが自分にないと分かっているのに、
彼に、
秘密の蔵の鍵まで渡してしまう小暮さん。
切なく、哀しい女心だなぁ。


評価 ★★★☆☆

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