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「ボーダー 二つの世界」 [映画]

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〔2018年/スウェーデン〕


ティナは、その醜い容貌ゆえ、
孤独の中で生きる女。
一緒に暮らす男はいるが、
心を通わせているとは言い難い。


ティナの仕事は、空港の税関職員。
違法な物や、犯罪に関わる物を、
嗅ぎ分けられるという、特殊能力を持つ彼女は、
悪い渡航者を数多く摘発し、
職場では信頼されている。


そんなティナは、
ある日、自分によく似た容貌の、
旅行者・ヴォレと出会う。
本能的に何かを感じたティナは、
自分の家の離れをヴォレに提供するが・・・。





「ぼくのエリ 200歳の少女」の
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2011-07-25
原作者・ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの
短編を映画化した作品。


原作は読んでいないけれど、
人間に似て非なるもの、という設定が、
得意な作家さんなのかな、と思う。


ただ、「ぼくのエリ」の主人公が、
美しい子供2人だったのに対して、
こちらの男女・ティナとヴォレは、
お世辞にも、美しいとは言えない。


けれど、
特にティナにとってヴォレは、
生まれて初めて出会った、
自分の「仲間」であり、
2人でじゃれ合いながら、
水浴びをしたり、
森を駆け回るシーンに、
涙が出るほど美しさを感じた。
美醜なんて、人間が勝手に決め付けている基準だと、
この映画を観ていると、本気で思える。


真面目で、性格のいいティナが、
このまま幸せになるといいなと思うけど、
もちろん、物語の性質上、
事はそう簡単に進むわけもなく。


それから、とても面白いのが、
ティナの、
悪事を嗅ぎ分ける、という能力。


税関職員の彼女は、
飛行機に乗ろうとする人の、
通路に立っているだけで、
違法な持ち物がバッグに入っている事が分かる。


酒や薬物などは、
匂いで分かるんじゃないの、と言われそうだけど、
彼女の能力はそんなもんじゃない。
何せ、ケータイのメモリーカードに入った、
幼児ポルノの動画も見つけてしまう。


彼女には、
犯罪を犯す者の、
羞恥心や恐怖心を嗅ぎ分ける能力がある。
そっかぁ、犯罪者の中には、
どこまで図々しいんだ、と思えるくらい厚顔無恥な輩もいるけど、
そんな人間にも、
一応、羞恥心なんてものがあるんだぁ、と、
変な所で感心。


評価 ★★★★☆

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