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「しあわせな人生の選択」 [映画]

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〔2015年/スペイン〕


カナダで暮らすスペイン人・トマス(ハビエル・カマラ)は、
家族に見送られ、
スペインの友人・フリアン(リカルド・ダリン)を訪ねる。


フリアンは、末期の肺癌で、
もう治療するのは止めたと宣言。
トマスの説得をフリアンは嫌がる。
それはもう、決めた事なのだから、と。


フリアンの一番の気懸りは、
愛犬・トルーマンの事。
自分の死後、トルーマンを飼ってくれる人を
探していると言う。


それから、フリアンとトマスは、
アムステルダムに留学している、
フリアンの息子に会いに出掛ける。


4日間の滞在中、
トマスは、
フリアンの美しいいとこ・パウラ(ドロレス・フォンシ)と
親しくなり・・・。





試写会で観た。


人生の終わりが見えた中年男性が、
4日間を親友と過ごす物語。
スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で、
5冠を獲得した作品だそうだ。


自分の生や死をどのように扱うか、考えるかは、
それこそ、100人いたら100通り、
肯定はしても、否定はしないという
スタンスでいたいと思うけど、


フリアンの気持ち、分かるな。


フリアンが決めた事を、
トマスが覆そうとするのだけれど、
フリアンは、
「君は今、この瞬間考えた事を言っているだけだ。
 僕は1年間考えて結論を出したんだ」と言う。


もちろん、トマスの気持ちだって十分解かる。
何十年も友達だった人が、
余命宣告され、
治療は止めたと言われたら、
ショックで、
つい、何か言いたくなってしまうだろう。


自分が死ぬは、
もう覚悟ができたとして、
気にかかるのは、残された命あるもの。
それは身内であり、ペットであり。


息子に会いに行ったフリアンは、
自分の余命を、息子に告げようとするが、
結局、言えない。
それはそれでいい。
息子の恋人を紹介され、
和やかにお食事できたことに、
観ているこちらも、ホッとする。


ただ、その後、
実は息子の方がフリアンよりずっと大人なことが分かる。
若造だからと、
侮ってはいけないね。


余談だけど、
フリアンとトマスは、
マドリードからアムステルダムに行くのに、
なんと日帰り。
ランチしに行っただけって感じ。


今、YAHOO地図で、
マドリードからアムステルダムの距離を測ったら、
約1500キロ。
ちなみに、東京から約1500キロだと那覇くらい。


那覇まで日帰りランチかぁ(笑)。
すごく贅沢で、もったいない旅な気がするけど、
国同士が、陸続きでひしめき合うヨーロッパは、
日本とはまた感覚が違うのかも。
気軽に外国気分が味わえていいな、とも思うけど、
いやいや、日本は島国だからこそ平和なのだと
思い直したり。


それから、トマスはたった4日間のスペイン滞在中、
最後の夜に、
パウラと一夜を共にする。
さすがラテン系。
情熱の国スペイン。
面倒くさい事は一切なし。
2人は何事もなかったかのように、
空港でバイバイしてたし。


評価 ★★★☆☆

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