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「結婚行進曲」 [映画]

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〔1951年/日本〕


カナ子(杉葉子)と伊野(伊豆肇)は、
同じアパートの二階と三階に住む恋人同士。
金が無く、なかなか結婚できないうえに、
小説家志望の伊野は、
仕事に身が入らず、
勤務先の会社をクビになってしまう。


怒ったカナ子は、
会社に乗り込み、
専務・中原(上原謙)に、
伊野のクビを取り下げてくれるよう、談判。


すると、カナ子の早口とバイタリティを見込んだ中原は、
彼女をセールスレディとしてスカウト。
一緒に得意先を回るようになる。


ところが、
中原とカナ子ができているのでは、との噂が立つ。
中原の妻・鳥子(山根寿子)の耳にも、
その噂が入り、
ショックで実家に帰ってしまう・・・。





まぁ、とにもかくにも、
杉葉子演じるカナ子の早口だけが、
観終わったあとも、
頭の中から消えないくらい、凄い(笑)。


よくも、これだけのセリフを覚えたものだ、というくらい、
立て板に水というか、
マシンガントークというか、
彼女が喋りだすと、
周囲の人が注目して、
自分の手を止めてしまうほど。


そんな彼女を見込んで、
上原謙がセールスレディに雇うわけだけど、


昔の人は偉いなぁ。
会社をクビになり、
彼女に養われるような形になった、
恋人の伊野は、
「ラッキー!」などとは思わず、
不甲斐ない自分を嘆く。
男は外、女は内、
という形以外は考えられないみたいだ。


カナ子は、
その辺には、あまり拘りがないようで、
「いいじゃない。働ける方が働けば」みたいな事を言う。
そして、
そんな事をマシンガンのように、一人でさんざん喋って、
「じゃ、おやすみ!」と、
アパートの、自分の部屋に戻っていく。


恋人同士だというのに、
同衾することなく、
お話だけして、帰ってゆくとは。
やっぱり昔の人って偉いのね(笑)。


そんなカナ子と、夫・上原謙との噂を聞き、
妻が嫉妬するわけだけど。


嫉妬と一言で言っても、
他人の成功を羨むが故の嫉妬と、
男女の嫉妬とは、
全く別物ではないかと、
嫉妬について考えるとき、
そんな風に思う。


いずれにせよ、
できれば、できるなら、
嫉妬のような苦しく、辛い感情とは
無縁で生きていきたいものですな(笑)。


評価 ★★★☆☆

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