「喜劇 右むけェ左!」 [映画]
〔1970年/日本〕
下着メーカー「クローバー商事」の、
平山守(犬塚弘)は、
仕事がまるでできない、ダメ男。
そんな平山が、
なぜか、新設された「外国課」の課長に抜擢されて、
社内は大騒ぎ。
平山と、
部下の、酒井(堺正章)、山辺(なべおさみ)、丸田(小松政夫)らは、
外国に行く前に、研修として、
自衛隊への体験入隊を命じられる。
平山は、戦時中、兵役経験があった。
すると彼は、自衛隊で訓練中、
上官が、予備資金として、
大量の札束を隠した事を思い出す。
「あの金を探そう!」
平山と部下たちは、
一致団結し・・・。
これは、
渡辺プロと、自衛隊と、下着メーカーの
宣伝映画?と思うくらい、
この3つがガッツリ出てくるのだけれど、
物語が結構しっかりしていて
面白かった。
冒頭は、女性下着のショーから始まるので、
そういった系の、
軟弱な話が最後まで続くのかと思っていたら、
途中から、突然、
自衛隊への入隊に物語が切り替わり、
ちょっとビックリ。
でも、犬塚弘さん演じる課長の、
軍隊時代の、あるショックな体験などが、
回想シーンとして挟まれ、
なかなかの見応え。
上官が隠したとされる、
大量の札束だけど、
これは、戦後70年以上経った今でも時々話題になる、
いわゆる、「M資金」の小型版みたいなもの?
自衛隊が全面協力していると思われる、
この映画で、
こういったM資金みたいなものを扱った内容が作られるとは、
当時は今よりユルかったのか。
それにしても、
この札束に関するオチが、
私はとっても好き。
ネタバレしてしまうけど、
最終的に、犬塚さんらは、
大量の札束の入った木箱を発見する。
しばし大喜びするのだが、
しかし、中身は全部1円札だった、という。
この手の話って、
木箱を見つけたけど、
誰かに取られたとか、持ち出せなかったとか、
燃えてしまったとか、池に沈んでしまったとか、
お宝を手にできる寸前で失敗というのが、
私の一番ストレスが溜まるパターンなので、
この結末には、凄く納得がいった。
それから、この映画、
あの、ジャイアント馬場さんが出てくる。
やっぱりデカい(笑)。
評価 ★★★☆☆