SSブログ

「ラプチャー 破裂」 [映画]

rupture.jpg
〔2016年/アメリカ〕


その朝、シングルマザーのレネー(ノオミ・ラパス)は、
洗面台にいた蜘蛛を見て震え上がり、
悲鳴を上げた。
それを聞いた小学生の息子は、
慣れた手つきでそれを捕まえ、庭に放した。
レネーは、この世で一番蜘蛛が苦手で、
息子もそれを心得ているのだ。


息子を、元夫に預けた帰り、
車を運転した彼女は、
突然、複数の男女に拉致される。


気が付くと、そこはベッドの上。
拘束され、身動きが取れない。
何やら、人体実験が行われる模様で、
恐怖に慄く。


すると、何という事か、
大きな蜘蛛を、
体に這わせられる。
ぎゃー!
やめて、やめて、やめてくれー!・・・





この映画を知った時から、
公開されたら、
絶対観に行こうと決めていた。


というのも、
私にも、死ぬほど苦手で、
直視することもできない生き物がいるのだ。
それが何かは、絶対、ここには書かない、書きたくない。
名前を書くのも嫌というのもあるし、
何かのきっかけで、
私が誰かから嫌がらせを受けるようなことになったとして、
玄関先に、その生き物を置かれることを、
想像しただけで、ゾっとするから。


それほど嫌いな生き物を、
ずっと与え続けられたら、
人は一体どうなってしまうのか、
興味があった。
慣れるのか、
気が狂うのか。


ただ、想像とは少し違っていた。
主人公のレネーが蜘蛛を投与される場面は、
少ない。
記憶が正しければ、
2回だけ。


映画のほとんどは、
レネーが、いかにして、
この不気味な実験所から逃げ出すかがメイン。
彼女が監禁された建物は、
ほとんど窓もなく、
外へ通じるドアも見つからない。


それに、廃墟のように汚くて、
医学的実験をするに相応しい、
清潔な場所とはとても言えない。
そんな所も、
ホラーっぽい雰囲気を出すのに成功している。


逃げ出そうと、
様々な部屋を覗き見る中で、
レネーは、他の被験者の様子を知る。


「死ぬほど嫌いなもの」は、
蛇の人もいたし、
でも、
生き物だけとは限らず、
自分を虐待した親の映像だったり、
高い所から落とされる事だったり、
本当に様々。


なるほど、そういった物まで含めると、
私も、嫌いなものは
もっと他にもあるわ(笑)。


実験者たちの正体は、
ちょっと意外だった。
あのオチなら、どんな物語でも作れるね(笑)。
まぁ、面白かったけど。


評価 ★★★☆☆

nice!(69)  コメント(18)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「デススポーツ」 [映画]

deathsports.jpg
〔1978年/アメリカ〕


西暦3000年。
大きな戦争により、荒廃してしまった地球で、
独裁者・ジッポラは、
人間を狩っては、死ぬまで戦わせる、
「デススポーツ」で楽しんでいた。


砂漠を放浪する一匹狼のカズ(デヴィッド・キャラダイン)も、
ジッポラに狩られてしまった一人。
どんなに抗っても、
ジッポラには勝てず、
「デススポーツ」に参加するしかない。


彼は、同じ頃に捕らえられた女・デニアと共に、
スタジアムに連れて行かれるが、
逃亡を図る。


どこまでも追いかけてくる、
ジッポラの手下に勝つことはできるのか・・・。





一昨昨日書いた、
「デス・レース2000年」の続編。


といっても、時代は西暦2000年から3000年へと
大きく飛躍し、
物語に何の共通点もない。
強いて同じ部分を挙げるとしたら、
主演がデヴィッド・キャラダインというだけ。


インパクトも、「2000年」に比べたら、
格段に劣る。
タイトルに「スポーツ」とあるから、
私はもっと、
様々な種類のスポーツをする中で、
殺人が起こるのかと期待していたのよ。
(野球とか、ビーチバレーとか(笑))


スタジアムで、人間同士を戦わせるなんて、
古代ローマが舞台の映画などで、
何度も観た事があって、
目新しくもなんともない。
西暦3000年にもなって、
過去に回帰したのかと思うくらい。


登場人物たちは、
光線銃みたいなもので、
敵を倒す。
そこが古代ローマとの違いか。
これって、命中すると、
当たった人間は、
フワッと、影も形もなく消えてしまうという代物。


消えた肉体は、
一体どこへ行ってしまうんだろう。
まるで気化したみたい。
人と人が戦う時、
相手をいかに苦しめるかが、
目的の一つであるとするなら、
一瞬で消える事ができて、与えるダメージはゼロ(笑)。
むしろ、安楽死させてもらってるみたいなもので、
ありがたいくらいだわ。


「2000年」がヒットしたから作っちゃいました、
みたいな感じだけど、
ちょっと残念な内容になっちゃってるかなぁ。


評価 ★★☆☆☆

nice!(78)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「デス・レース」 [映画]

deathrace.jpg
〔2008年/アメリカ〕


西暦2012年。
犯罪が増え過ぎたアメリカでは、
囚人で溢れかえり、
刑務所は民間が運営するようになっていた。


一方、元レーサーのエイムズ(ジェイソン・ステイサム)は、
妻と幼い娘と3人で、
幸せに暮らしていたが、
ある日、自宅で妻が殺害され、
無実の罪を着せられ、
逮捕されてしまう。


有罪となったエイムズは、
孤島の民間刑務所・ターミナル・アイランドに収監される。
ここでは、
「デス・レース」と呼ばれる、
囚人たちによるレースが開催され、
5勝すれば、釈放の褒美がある。
エイムズは、女所長・ヘネシーから、
レースに出るよう、要請される。


エイムズが収監される前に、
フランケンシュタインとあだ名される、
覆面をした無敵の囚人がいたが、
死んでしまったので、
エイムズにフランケンのフリをしてほしいと言うのだ。


フランケンは4勝していたので、
あと1勝すれば自由の身、と言われたエイムズは、
娘会いたさに、出場を承諾。
しかし、その話には罠があり・・・。





「デス・レース」の、
「2000」と「2050」の感想を、
続けて書いたけれど、
本作は、「2000」のリメイク。


とはいえ、
チープ極まりない「2000」とは違い、
こちらは、めっちゃ派手で、
金かかりまくり(笑)。
いかにも現代風なアクション映画。


それもそのはず。
監督は、「バイオハザード」シリーズの、
ポール・W・S・アンダーソン。
こういった映画は得意だろう。
一定レベル以上のものは見せてくれるのではないかと、
「2000」とは別の意味で期待できる。


「2000」が、
一般の人を殺して、点数を稼ぐという内容に対して、
こちらは、囚人同士が、
ムショの中でレースをするという、
「だから、誰にも迷惑かけないからいいじゃん」、みたいな展開。


レースシーンがとにかく面白い。
ジェイソン・ステイサムの嫁が殺されたとか、
そんな面倒なシーンいらないから、
2時間、レースだけ延々と映していてくれてもいいくらい(笑)。


車が事故を起こしたり、
囚人が死ぬ度に、
リモコンの、「10秒戻し」ボタンで、
何度もその場面を確認(笑)。
悪趣味な事してるよなー自分、と思いながらも、
これが自宅鑑賞の醍醐味だと、
一人勝手に開き直る。


元々、この作品、
不謹慎映画だもの。
不謹慎を承知で観ているんだもの。
それくらいの事、させてほしいってもんで。


それに、不謹慎と言ったって、
「2000」に比べたら、全然真面目。
ブラックな笑いは、一つもない。
わたし的希望を言うなら、
「2000」の完コピくらい作ってもいいんじゃないかなーと
思ったりもするけど、無理かな。
今の世の中、
不謹慎な事に不寛容だからなー。


評価 ★★★★☆

nice!(65)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ロジャー・コーマン デス・レース2050」 [映画]

deathrace2050.jpg
〔2017年/アメリカ〕


西暦2050年。
人口増加の一途を辿る地球。


そんな中、
人々は、年に一度の国民的行事、
「デス・レース」に熱狂する。


ルールは簡単。
5台のマシンがエントリーされ、
大陸を横断。
その間に、より多くの人を轢き殺した運転手が
優勝なのだ。


5人の運転手は曲者揃い。
レースはどうなるのか・・・。





試写会で観た。


昨日感想を書いた、
「デス・レース2000年」をなぜ観たかって、
実は全てはこの試写会のため(笑)。


西暦2050年が舞台の映画なら、
2000年を先に観ておかなきゃ、
お話にならないってんで。


ただ、この映画、
日本ではDVDスルーということで、
劇場での一般公開はなく、
今日がその発売日らしい。
(まるでステマみたい(笑)。でもステマじゃないです(笑))。


DVDスルーの映画を劇場で観る意味があるのか、ないのか。
まぁ、作品にもよるだろうけど、
今回は「ある」と思ったから、出掛けたわけで。
カルト映画と言われている「2000年」を、
今後大きなスクリーンで観る可能性は、
ほぼ無いと言ってよく、
それなら、せめて「2050年」だけは、
スクリーンで観てやろうではないかと。


で、内容はといえば、
「2000年」とほぼ変わらない(笑)。
リメイクというか、
リブートというか。
むしろ、安っぽくなっている感さえある。
だって、こんなCG全盛期の今、
あんな、絵みたいな背景て(笑)。


微妙に変えてある部分もある。
昨日は、
「安楽死のため、並べられた老人」と書いたけど、
本作で並べられるのは、
車椅子に乗った子供・・・・・・いや、やめておきます(笑)。


タイトルからも分かる通り、
製作は、「B級映画の巨匠」と言われる、
ロジャー・コーマン。
一体いくつになったのかと調べてみて、
ビックリ。
なんと91歳。
91歳でこの感覚。


私には長生き願望は全くないけど、
もし91歳まで生きていたとしたら、
その時、
今程度の感覚を持ち続けていられたらいいけど。


評価 ★★★☆☆

nice!(64)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「デス・レース2000年」 [映画]

deathrace2000.jpg
〔1975年/アメリカ〕


西暦2000年。
アメリカで、毎年恒例の、
大陸横断レースが行われようとしていた。


参加するのは、5台。
運転するのは、
フランケン(デヴィッド・キャラダイン)、
ジョー(シルヴェスター・スタローン)、
ネロ(マーティン・コープ)
ジェーン(メアリー・ウォロノフ)、
マチルダ(ロバータ・コリンズ)
の5人と、
それぞれの助手席に乗るナビゲーターの合計10人。


実はこのレース、
スピードだけでなく、
ゴールまでに、
何人の人間を轢き殺せるかを競う、
殺人レース。
その様子は中継され、
人が死ぬ度に、国民は大喜び・・・。





大陸横断のレースをしながら、
轢き殺した人間を点数に換算し、
その合計点を競うという、
なんとも悪趣味な映画。


でも、不謹慎だけど
コメディタッチで、
結構笑える。
こんな内容のせいか、
作られて42年経った今でも、
カルト映画としての人気を誇っている作品(笑)。


各車の造形も漫画のようだ。
前面には、
人を殺しやすいように、
刃物のようなものが突き出していて、
これが、狙われた人の体を貫く。


しっかし、
毎日映画ばかり観ていて、
私の感覚も麻痺しているのだろう。
人が轢かれているのに、
「ま、こんなものか」としか思わず、
それほどのショックはない。
こんなことに慣れてはいけないんだけど。


まぁ、不謹慎だという意見は、
ひとまず置いておいて、
映画を楽しんだもの勝ち、という事で、
ルールを説明するけど、


轢かれた人は、
年齢や性別によって、
点数が変わってくる。
なぜか、若者より、老人の方が
点数が高い。
老人の方が轢きやすいと思うんだけど、
何でなんだろ。


で、老人ホームの前の道では、
安楽死を希望する、
車椅子に乗った老人たちが、
横一列に並んで、
車を待っている場面がある。
ブラックすぎでしょ(笑)←笑っちゃいけないが。


2つ疑問なんだけど、
まず、
これって、轢いた人が死んでなかったら、
点数はどうなるんだろう。
殺したつもりだったけど、
怪我で済んだって場合。


2つ目。
運転者たちは、互いを殺し合ってもいいらしい。
それなら、
最初から、通行人を殺して点数を稼ぐより
ライバルを殺す事に
力を入れた方がいいんじゃない?(笑)
生き残れば優勝なんだから。


この映画が作られた、1975年の頃には、
2000年になったら、
社会はこうなってる、と予想されていたというのが、
今だから笑える。


2017年の今、
テロや、ミサイルの脅威は、2000年の頃より高まってはいるけど、
普通の人々が、
人が死ぬ様子をテレビで観て、
拍手喝采するような社会にはなっていない。
そこには、ちょっとホッとする。


評価 ★★★☆☆

nice!(63)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画