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「踊子」 [映画]

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〔1957年/日本〕


淡島千景と船越英二は、
浅草のショー劇場で働く夫婦。
淡島はダンサー、
船越はバイオリンを弾いている。


そんなある日、
淡島の妹・京マチ子が、
2人のアパートに転がり込んでくる。
ただでさえ狭いその部屋。
3人はカーテンで仕切っただけで暮していたが、
いつしか、船越と京は一線を越えてしまう。


京は、淡島と一緒にダンサーとして働き出す。
そんな中、船越は、
振付師の田中春男から、
京には盗癖があるようだから注意してやってくれ、と言われる。


船越が京にその事を告げると、
京は、
「そんな事より、自分は妊娠している」と言い、船越は仰天。
さらに、その事が淡島に分かってしまい、
彼女は涙を流すが、
さりとて、船越と別れる気にもなれない。


その後、京は女の子を出産。
淡島は雪子と名付けられた赤ん坊を、
自分の子供の様に可愛がるが、
京は芸者になると家を飛び出し・・・。





途中までは面白かったので、
中盤からラスト、失速したのが惜しい。


突然、夫婦のアパートに転がり込んできた、
妻の妹。
この妹の演じる京マチ子さんの、
小悪魔っぷりが、それはそれは凄い。


彼女には、貞操観念、道徳観念といったものが、
欠片も無いようで、
その場のノリで生きるだけ。


船越英二と初めて関係したのも、
なんと、淡島さんが寝ているお布団の隣で。
AVじゃあるまいし、
姉の夫をそんなシチュエーションで横取りするなんて、
最近、大騒ぎになったタレントの不倫騒動なんて
まだまだ可愛いもんだわ(笑)。


しかも彼女は、
振付師の田中春男とも関係している。
どこまでユルい女なんだ。
妊娠したって言っても、
どちらの子だか分かりゃしない。


で、船越さんと京さんの関係を知った時の、
淡島さんの嘆き悲しみと言ったら、
観ているこちらまで辛くなったくらい。


ただ、ここから失速。


その後、登場人物たちは、
そう修羅場になる事もなく、
京さんは子供を産み、
淡島さんも、彼女と何事もなかったかのように接する。


そんな事ってあるかしら。
自分の夫を寝取った妹と平気で付き合えるなんて。
他人でなく、
むしろ肉親だからこそ、
余計に許せない、気持ち悪い、と思うものだと思うんだけど。


しかも、そんな間にも、
船越さんと京さんはホテルに行ったりしてるのよ。
とにかく船越さんが優柔不断で、
いつでも覇気がない。
覇気がないくせに、やる事だけはやる。
京さんもだらしがないけど、
実は、こやつが一番の問題児(笑)。


オチも、私には物足りなかった。
ただ、京マチ子さんと淡島千景さんの
姉妹役での共演というのが珍しい気がして、
それを観られただけで満足。


評価 ★★★☆☆

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