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「名探偵アジャパー氏」 [映画]

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〔1953年/日本〕


ある日、死刑囚“ダバオの狼”が脱獄した。
彼は、かつて自分を裏切った山並卓造(柳家金語楼)への
復讐心に燃えているのだ。


しかし、今のままではすぐに捕まってしまう。
彼は高名な整形外科医・大家荘田博士(古川緑波 )を誘拐し、
自分を整形させる。


急に姿を消した博士を心配した妻と娘は、
私立探偵・阿地彌八(伴淳三郎)に捜査を依頼するが、
阿地の失礼な態度に腹を立てた妻は、
別の女流探偵・工藤常子(清川虹子)を雇う。
かくして、阿地と常子の2本立てで捜査が始まる。


一方、ダバオの包帯が取れる日が来た。
すると、そこに現れた顔は、
偶然にも阿地にソックリ(伴淳三郎・二役)。


阿地は、ダバオの魔手から山並を守ろうとする中、
山並の娘でバレリーナの洋子に惚れてしまう。
さらに、ダバオのアジトに行くと、
手下たちが、阿地をダバオと思い込み、
丁重な扱いをされる。


逆にダバオが山並の家に行くと、
阿地だと思われ、
簡単に部屋に通されてしまう・・・。





稀代の悪党が、
整形手術により、
事件を捜査している探偵とソックリになってしまうという、
コメディ以外の何ものでもない話を、
伴淳三郎さんが、一人二役で頑張る。


馬鹿馬鹿しいのは分かってはいるけれど、
少し笑ってしまう。
今ではテレビでも見られなくなったような
コントのような場面がとっても多い。


伴さんが、
バレエスタジオで、
多数のバレリーナたちと踊る場面が好き。
当然、上手く踊れるはずもなく、
モタモタモタモタしているのだけれど、
その様子がなんだか可愛くて。


しかし、そんなくだらないコメディでも、
伴さんは、
悪党役と探偵役を、
きちんと演じ分けられているように見えた。


探偵の時は、人の好さそうな表情を、
そして悪党の時は、強面で。
やっぱり上手い俳優さんだったんだと感心する。


ラスト、ある意外な事実が分かり、
ダバオの狼は驚く。
映画や小説では、たまにある展開だけど、
これを言われると、
どんな悪人でも、必ず動揺する。
それは人間が持つ、
大切な本能だと思う。


「アジャパー」とタイトルに付く映画は、
以前書いた、「アジャパー天国」と本作だけかと思っていたら、
「アジャパー氏 夢の国へ行く」というのがあると、
書かれている方がいた。


検索してみても、
この「夢の国」ついて書いてあるサイトは、
他にはないのだけれど、
もし本当なら観てみたいなぁ。


評価 ★★★☆☆

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