SSブログ

「傷だらけの栄光」 [映画]

kizudarakenoeikou.jpg
〔1956年/アメリカ〕


スラム街で育ったロッキー・バルベラ(ポール・ニューマン)は、
札付きの不良で、
3度も少年院に入れられたが、その度に脱走、
母は心労のあまり、病気になる始末だった。


彼は大人になり、軍隊に入るが、
ここでも上官を殴って脱走、
軍刑務所送りとなる。


しかし、彼は自分の腕力の強さを知り、
また周囲の勧めもあって、
ボクシングへの道を進む事になる。


彼は自分にロッキー・グラジアノというリングネームを付け、
勝ちを重ね、有名になってゆく。
さらに、姉の友人・ノーマ(ピア・アンジェリ)と知り合い、結婚。
娘も生まれ、やっと落ち着くかに思えた。


ところが、昔の悪仲間から、
八百長試合を持ち込まれ、
それを断ると、彼の前科が暴露されてしまう。


落ち込むロッキーをノーマは励まし続け、
彼は世界選手権に出場、
チャンピオンに挑戦する・・・。





実在するボクサー・ロッキー・グラジアノの
生涯を描いた作品なのだそうだ。
ただ、もしこれがフィクションだとしても、
それはそれで、映画として面白い。


ロッキーの、何事にも物怖じしない様子が半端なくて、
不良とはいえ、感心してしまう(笑)。
特に軍隊での場面は驚くくらい。
軍隊では、上官の命令と規律が絶対であろうが、
彼はそれにさえ従おうとはしない。
「なんで俺が?」って感じで(笑)。
刑務所も駄目、軍隊も駄目なら、
一体彼はどこへ行けばいいんだと、こちらが心配してしまう。


けれど彼にも弱いものがある。
それは女(笑)。
ノーマと知り合った頃のロッキーは、
まともに彼女を目を合わせる事もできず、
その様子は可愛いくらい(笑)。
彼がどんなに不良でも、
女性絡みの犯罪の場面がないので、
不快にならずに観ていられるのかもしれない。


そして、ノーマと少しずつ打ち解け、
映画館でデートする場面で、
声をあげて笑ってしまった。


「愛してるるわ」とか「キスして」などの場面に、
「2時間あればっかり」と、席を立つロッキー。
その表情は怒っているわけではなく、
なんだか恥ずかしそうで。
彼は映画の中の男女問題も不得意らしい(笑)。
ノーマは、「観ていたかったのに」と不満そうだけど、
そりゃそうだよね、
途中まで観た映画を強制終了させられたら、
私だったらもっと怒るわ(笑)。


それから、ノーマがロッキーの練習風景を見に来る場面も爆笑。
ボクシングでの怪我を心配するノーマが来た途端、
ロッキーは、なんというか、
「馬鹿にしてるのか?」と言いたくなるような、
軽い打ち合いも見せる。
あぁ、上手く書けないのがもどかしい。
とくかくその場面は必見。


ラストの試合のシーンは、
やはり観ているこちらも力が入る。
本気で応援してしまう。
結果は書かないけれども。


これはポール・ニューマンの実質的なデビュー作で、
ジェームズ・ディーンが急逝したため、
役がまわってきたらしい。
それから、スティーブ・マックイーンが端役で出ているそうだけど、
気付かなかった。
今日、そこだけ確認してみようと思う。
「タワーリング・インフェルノ」で2トップとして出ていた2人だけど、
無名の頃から共演していたのね。
お互い成功できて良かった良かった。


評価 ★★★★☆

nice!(25)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画