◆狂人失格◆ [本]
中村うさぎの本は、
ジュニア小説以外、
ほとんど読んでいると言っていいと思う。
新刊を心待ちにしているわけではないし、
金を出して買っているわけでもないが、
図書館に入荷されると、必ず借りてしまう。
中村さんの事は、
買い物依存症、ホスト狂い、整形、デリヘル嬢体験などで、
ご存知の方も多いであろう。
小心者の私には、
上記のような体験は絶対に出来ないので、
物凄く興味深いし、
自分の知らない世界が面白くてたまらない。
とにかく、中村さんほど自分というものを飾らない人を、
私は知らない。
たとえば、現在もyoutubeで検索すると出てくる、
中村さんのご自宅。
それはもう、ゴミ屋敷と言ってもいい凄まじいお家の中を、
特に気にする事もなく、カメラに映させているその様子には、
驚いてしまう。
そして、この本。
これは中村さんの、今までになかった内容といってもいい気がする。
中村さんは、ある日、ブログをしている一人の女性の存在を知る。
その女性は、
(たぶん)とても特異なメンタリティの持ち主で、
そして、そんな彼女を罵倒する言葉でコメント欄はいつも荒れている。
中村さんは、様々な思いから、
彼女を文壇デビューさせようと思い付く。
しかし、結論から言えば、それは失敗だった。
彼女は、中村さんをもってしても、
手に負える相手ではなかったのだ。
この件に関して、
中村さんは珍しく後悔しているように読み取れる。
下世話な私は、
やはり興味を抑えられず、
このブログの女性を検索して見つけ、
文章や写真を見てみた。
中村さんの本に書かれていた彼女が、
そのままそこにいた。
まぁ、ここは本の感想を書く場で、
ブログの感想を書く場ではないので、
コメントは差し控えるが、
想像していた通りの女性だった事だけ記しておきます。
それから、中村さんと私には、
何一つ共通点などないと思っていたのだが、
この本を読んでいて、
彼女の人生観というか、死生観というか、
そういったものが、
私と全く同じで驚いた。
それって、私が普段から考えている事と同じじゃないか、と。
やっぱり、無意識にも中村さんに惹かれるのは、
そういう理由があったのね、と思った次第。
「盲獣VS一寸法師」 [映画]
〔2001年/日本〕
浅草レビューの売れっ子スター、水木蘭子(藤田むつみ)が、
何者かにさらわれ、行方不明になる。
彼女の最後の舞台を見た、三文小説化の小林紋三(リリー・フランキー)は、
その時、自分の隣にいた、
盲目の男を思い出していた。
小林はその後、
一寸法師と呼ばれる子どもほどの背丈の男が、
切り落とされた女の腕を運んでいるのを目撃し、
後をつけるが、見失う。
また、資産家令嬢が失踪するという事件が起こり、
小林と、彼の友人で探偵の明智小五郎は、
捜査に乗り出す。
彼らは二つの事件の関連を突き止めるが・・・。
映画は、ストーリーが面白ければ、
映像は問わない事が多い私だが、
それにしてもこれは酷いな(笑)。
ものすごく安っぽい作り。
2時間ドラマや映画サークルの学生でも、
もう少しマシなものを作りそうだ。
ワイドショーの再現ドラマみたい(笑)。
比べてはいけないけれど、
増村保造監督の「盲獣」は傑作だったよ。
これから観られる方は、
間違ってレンタルしてはいけないね(笑)。
これって、
民主党議員、田中美絵子氏のヌードシーンがある事で、
話題になった作品なのね。
レンタルしてから気が付いて、
その場面を注意して観てみたけれど、
ほんの数秒でどうって事もなかった。
江戸川乱歩の小説の中でも、グロさ上位に入ると思われる「盲獣」。
もしこれから読まれる方がいらしたら、
「鎌倉ハム大安売り」という章が入っている本と、
入っていない本があるのでお気を付けてください。
その章のあまりのグロさに、
なんと、乱歩本人が吐き気を覚えて削除したといういわく付きの内容です。
何を読んでも平気という方は、
両方を読み比べるのも一興かと思います。
(私はそうしました(笑))
ちなみに、この映画には、
その部分の描写がありました。
作りはチャチでしたが、やっぱり気持ち悪かったです。
お食事しながらは観ない方がいいかも(笑)。
評価 ★★☆☆☆