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◆狂人失格◆ [本]


狂人失格 (本人本)

狂人失格 (本人本)

  • 作者: 中村うさぎ
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2010/02/04
  • メディア: 単行本


中村うさぎの本は、
ジュニア小説以外、
ほとんど読んでいると言っていいと思う。


新刊を心待ちにしているわけではないし、
金を出して買っているわけでもないが、
図書館に入荷されると、必ず借りてしまう。


中村さんの事は、
買い物依存症、ホスト狂い、整形、デリヘル嬢体験などで、
ご存知の方も多いであろう。
小心者の私には、
上記のような体験は絶対に出来ないので、
物凄く興味深いし、
自分の知らない世界が面白くてたまらない。


とにかく、中村さんほど自分というものを飾らない人を、
私は知らない。
たとえば、現在もyoutubeで検索すると出てくる、
中村さんのご自宅。
それはもう、ゴミ屋敷と言ってもいい凄まじいお家の中を、
特に気にする事もなく、カメラに映させているその様子には、
驚いてしまう。


そして、この本。
これは中村さんの、今までになかった内容といってもいい気がする。


中村さんは、ある日、ブログをしている一人の女性の存在を知る。
その女性は、
(たぶん)とても特異なメンタリティの持ち主で、
そして、そんな彼女を罵倒する言葉でコメント欄はいつも荒れている。


中村さんは、様々な思いから、
彼女を文壇デビューさせようと思い付く。
しかし、結論から言えば、それは失敗だった。
彼女は、中村さんをもってしても、
手に負える相手ではなかったのだ。
この件に関して、
中村さんは珍しく後悔しているように読み取れる。


下世話な私は、
やはり興味を抑えられず、
このブログの女性を検索して見つけ、
文章や写真を見てみた。
中村さんの本に書かれていた彼女が、
そのままそこにいた。
まぁ、ここは本の感想を書く場で、
ブログの感想を書く場ではないので、
コメントは差し控えるが、
想像していた通りの女性だった事だけ記しておきます。


それから、中村さんと私には、
何一つ共通点などないと思っていたのだが、
この本を読んでいて、
彼女の人生観というか、死生観というか、
そういったものが、
私と全く同じで驚いた。
それって、私が普段から考えている事と同じじゃないか、と。


やっぱり、無意識にも中村さんに惹かれるのは、
そういう理由があったのね、と思った次第。

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「盲獣VS一寸法師」 [映画]

moujuvsissunboushi.jpg
〔2001年/日本〕


浅草レビューの売れっ子スター、水木蘭子(藤田むつみ)が、
何者かにさらわれ、行方不明になる。
彼女の最後の舞台を見た、三文小説化の小林紋三(リリー・フランキー)は、
その時、自分の隣にいた、
盲目の男を思い出していた。


小林はその後、
一寸法師と呼ばれる子どもほどの背丈の男が、
切り落とされた女の腕を運んでいるのを目撃し、
後をつけるが、見失う。


また、資産家令嬢が失踪するという事件が起こり、
小林と、彼の友人で探偵の明智小五郎は、
捜査に乗り出す。
彼らは二つの事件の関連を突き止めるが・・・。





映画は、ストーリーが面白ければ、
映像は問わない事が多い私だが、
それにしてもこれは酷いな(笑)。


ものすごく安っぽい作り。
2時間ドラマや映画サークルの学生でも、
もう少しマシなものを作りそうだ。
ワイドショーの再現ドラマみたい(笑)。


比べてはいけないけれど、
増村保造監督の「盲獣」は傑作だったよ。
これから観られる方は、
間違ってレンタルしてはいけないね(笑)。


これって、
民主党議員、田中美絵子氏のヌードシーンがある事で、
話題になった作品なのね。
レンタルしてから気が付いて、
その場面を注意して観てみたけれど、
ほんの数秒でどうって事もなかった。





江戸川乱歩の小説の中でも、グロさ上位に入ると思われる「盲獣」。
もしこれから読まれる方がいらしたら、
「鎌倉ハム大安売り」という章が入っている本と、
入っていない本があるのでお気を付けてください。
その章のあまりのグロさに、
なんと、乱歩本人が吐き気を覚えて削除したといういわく付きの内容です。
何を読んでも平気という方は、
両方を読み比べるのも一興かと思います。
(私はそうしました(笑))
ちなみに、この映画には、
その部分の描写がありました。
作りはチャチでしたが、やっぱり気持ち悪かったです。
お食事しながらは観ない方がいいかも(笑)。


評価 ★★☆☆☆

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