◆おしまいのデート◆ [本]
これはいい本。
胸が締め付けられる。
5つの短編からなる本作。
タイトル通り、どれも“最後のデート”が描かれている。
ただ、デートといっても、
普通に想像する男女のそれではなくて、
おじいちゃんと孫娘だったり、
高校の老教師と男子生徒だったり、
男子高校生の二人だったりと、
デートとは、恋愛中の二人だけの言葉じゃないんだよ、と、
そんな内容。
読み始めた時から、
“おしまい”と分かっているから、
それが切なくてたまらない。
読んでいるこちらは、
ただ、主人公の二人にどのような終わりが訪れるのか、
知りたいのは、その点だけになってしまう。
最後って、本当に悲しい言葉だ。
人には様々な事情があり、
どんな形にせよ、
必ず別れがやってくる。
それをあらためて思い知らされた感じ。
一番泣けたのは、
「ランクアップ丼」。
悲しい別れが胸を突く。