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「安珍と清姫」 [映画]

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〔1960年/日本〕


紀州の里。
庄屋の娘、清姫(若尾文子)は闊達な性格で、
その日、馬に乗り、狩りをしていた。
ところが、彼女の放った矢が、
旅の修行僧、安珍(市川雷蔵)の腕に刺さってしまう。


清姫の家で治療する事になった安珍は、
仏に使える身として、
清姫に関心を示さない。
いつも男からチヤホヤされる事に慣れている清姫は、
自分が無視されたようで面白くなく、
なんとか安珍を誘惑しようとする。


安珍が露天風呂で傷を癒していると、
全裸で入ってくる清姫。
迫られた安珍は、
ふとした気の迷いから、彼女の誘いに乗り掛かるが、
その途端、清姫から嘲笑される。
「どんなに高潔そうな顔をしても、結局お前も普通の男」、と。


驚いた安珍は、恥ずかしさのあまり、
翌日、清姫の家を出る。
しかし、自分の行いを激しく後悔した清姫は、
自分こそが安珍を愛していたのだと気付き、
安珍の後を追い、
ついに2人は結ばれる。


しかし、清姫には、長者の息子、友綱との縁組の話が進んでいた。
もし清姫を嫁に貰えるなら、
自分の所の水門を開け、
里の農民に水を分けてもいいと言う友綱の申し出を知った安珍は、
農民の為に、身を引く事を決意。
道成寺に篭る。
それを追いかける清姫の体はいつしか大蛇となり、
安珍が隠れた釣り鐘に巻き付く・・・。





「道成寺」の伝説は、聞いた事があったが、
物語として観たのは初めてだ。
オチが、伝説の通りなのか、
映画らしく変えてあるのかは、よく分からない。


市川雷蔵演じる安珍の、
あまりの気の弱さが可笑しい。
彼は仏に仕える、身持ちの固い僧というより、
清姫の色気にオドオドしどおしの、
ただの純情な中学生みたいだ。
あまりにオドオドしているので、
挙動不審にさえ見える(笑)。


清姫から嘲笑された後も、
その後、結ばれた後も、
煩悩に苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、それを断ち切れないという、
ほぼ泣きの演技に終始する。
物凄く女々しいの(笑)。


まぁ、初めて知った女が、
あのムチムチの若尾さんじゃ、
そりゃ、夢中にもなるだろうけどさ(笑)。


この映画は、別の意味でお宝らしい。
ほんの一瞬、
若尾さんのヌードが見られる。
他の映画のそういったシーンは吹き替えのようで、
本物(?)が見られるとても貴重な映像という事だ。
コマ送りして見る人もいると、何かで読んだ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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