「ツーリスト」 [映画]
〔2010年/フランス・アメリカ〕
アンジェリーナ・ジョリーは、
常に見張られている。
パリの朝、ホテルを出て、
優雅にカフェでお茶する時も、
車がピッタリ張り付いてくる。
彼女もそれを承知しているようで、
特に嫌がる風でもなく、
どこまでも優雅なんである。
そんな彼女が列車の中でジョニー・デップと出会う。
冴えない数学教師のデップは、
数年前に妻を亡くし、傷心の旅行者。
ジョリーはデップの向かいの席に座り、
デップもまんざらではなさそうだ。
その後、様々な展開があり(省略)、
デップは巻き込まれる形で、
追われたり、殺されそうになったり、警察にぶち込まれたり、
散々な目に遭わされる。
でも、なぜかへこたれない。
ジョリーの美しさに目が眩んでしまったようだ。
こういった、大スター同士を組み合わせて、
お話は後から付けときましたぁ、みたいな映画は、
それほど好きではないのだけれど、
これは、世間が言うほど酷いとは思わなかったな。
追われ続ける二人なのだけれど、
見終わった後、体に残る映画の余韻に、
ドタバタした感じがない。
思うにそれは、
舞台がヨーロッパ(ほぼベニス)で、
カーチェイスではなく、
もっぱら船での追いかけっこだからなのかもしれない。
ジョリーの物腰も、あくまでも優雅で、
身に纏うお洋服は超高級そうなものばかり。
そして、顔が叶恭子みたいなのだよ。
叶恭子が走ったり、慌てたりする姿が想像しにくいように、
ジョリーも決して慌てない。
そんな感じ。
オチも好きだな。
評価 ★★★★☆