「孤独の賭け」 [映画]
〔1965年/日本〕
神保町シアターで観た。
佐久間良子は、自分が通っている洋裁店の経営が上手くいっていない事を知り、
学校を自分のものにしようと企てる。
偶然知り合った青年実業家、天知茂から、
自分の体を担保に金を借り、それを元手にのし上がってゆく。
また、自分の親を騙して実家の家屋を騙し取った叔父夫婦にも、
復讐する。
帰ってから調べて知った事だけれど、
この作品は3度もテレビ化されているようで、
しかも、そのうち2度は天知茂が同じ役を演じているようだ。
よほどのハマり役なのだろう。
原作は五味川純平。
未読だが、ずいぶん長いようで全3巻とある。
しかし、映画は1時間37分と短く、
そのせいか、細かい部分が描き切れていないように感じた。
佐久間良子がそれほどの悪女に見えず、
演じる事に必死な感じがしたし、
元不良少女だっというが、
品が良すぎて全然そんな感じがしない。
天知との出会いも不自然だ。
佐久間が学校の経営の事を知った直後に、
天知の乗った車に轢かれそうになり、
そのまま同乗。
金を借りる話を持ち出すのである。
そんな上手い偶然あるか?って。
それより、本格的な映画出演はこれが始めてだという大原麗子が、
遊んでいる女の子の役を演じているのだが、
きっと私生活もこんな感じだったのではと、
妙なリアリティがあった。
それから、天地茂の妻を演じていた女優さんがどこかで見た顔で、
ずっと考えていたのだが、
「金八先生」で杉田かおるの、あの可哀想な母親役をしていた
野中マリ子ではないかと気が付いた。
ネットで確認すると「野中マリ」となっているが
多分そうだと思う。
意外な所で意外な人に会ったような、嬉しい気持ち。
評価 ★★★☆☆