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「天国までの百マイル」 [映画]

tengokumadeno100mile.jpg
〔2000年/日本〕


時任三郎は、自己破産し、妻子に逃げられ、
現在は友人の経営する会社で働かせてもらっている、冴えない中年男。
手取り30万、養育費30万、
自身の生活は、同棲しているホステス、大竹しのぶが
面倒を見てくれている。


そんな折、時任の母、八千草薫が心臓病で倒れた。
時任の兄姉たちは冷たく、
金は出すが、見舞いにも来ない。
入院している病院では手術は不可能だが、
鴨川に心臓病の権威の医者がおり、
その医者の手術を受ければ助かると言う。


無一文の時任は、
友人からライトバンを借り受け、
荷台に八千草を寝かせて、
100マイルの道を走り出す。
愛する母を助ける為に。





浅田次郎原作で、いかにもな感じだが、
(この感じ、分かる方には分かっていただけると思う(笑))
図書館のDVDの棚に、たいていこの作品だけがポツンと残っており、
借りてみた。


原作を読んだのはずっと以前で、
細部はすっかり忘れていたが、
車に母親を乗せて走る息子という、
基本のストーリーは、上手く表現されていたと思う。


時任が金を借りにいった友人、筧利夫が、
最初は罵詈雑言吐いていたが、
車に寝ている八千草を見た途端、
ぶっきらぼうながら、大変な優しさを見せたシーンや、
途中で寄ったドライブインで、
八千草を背負った時任を見た、
タクシーの運転手さんたちの優しさには、
こちらまで心温かくなった。


八千草の病気がベースの話だが、
そこに、大竹と元妻が絡んできて、
恋愛部分でも切ない作りとなっている。
思っていたよりは悪くはない。


評価 ★★★☆☆

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「砂糖菓子が壊れるとき」 [映画]

satougasi.JPG
〔1967年/日本〕

jinbouchou1.jpg


神保町シアターで観た。
こちらもソフト化されていないようだ。


原作は曽野綾子さん。
そして脚本は、橋田壽賀子だ。
橋田壽賀子といえば、
イメージはすっかり「渡る世間」だが、
昔はこのような映画の脚本も書いていたのね。





若尾文子さん演じる、若手女優。
少々、頭の軽い女であり、
母親も精神を病んで、
病院に仕送りしているようだ。


頭は軽いが、
独特のセクシーな歩き方が映画関係者の目に留まり、
端役を手に入れる若尾。
しかし、セリフも中々覚えられず、
あまり評判はよろしくない。


そして彼女は男遍歴を重ねてゆく。
大金持ちの老人、
野球選手、
そして妻子ある作家。
男に死なれたり、捨てられたりする度に、
精神を病んでゆく若尾。


・・・と、途中まで観ていて気が付いた。
これは、マリリン・モンローの人生を
そのまま踏襲した内容じゃないか。


特に藤巻潤演じる野球選手との結婚生活の場面はリアルだ。
人気が出て、
セクシーな衣装でショーに出た若尾に、
激怒する藤巻。
同じエピソードが、
モンローとジョー・ディマジオにあったというし。


志村喬、田村高廣、津川雅彦、船越英二、
原知佐子、山岡久乃、篠田三郎などなど、
出演陣も大変に豪華。


評価 ★★★☆☆

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ホール&オーツ [音楽]

Hall26Oates.jpg

生でホール&オーツを見るのは
何年ぶりだろう。
とにかく、物凄く久し振りだ。


今夜行われたライブは、
彼らにとっても6年ぶりの日本公演だという。
素敵だったダリル・ホールも、
そしてジョン・オーツも、
もう還暦を過ぎた。
どんな内容になるのかと、ちょっと気懸りだったが、
声も出ていたと思うし、
体型も変わってはいないように見えた。
何より、大好きな曲がいっぱいで、
とても楽しかった。


武道館は満員で、
彼らの人気が衰えていない事が窺える。
観客の年齢層がやや高いのは仕方ない。
昔のロック少年、ロック少女が、
今は社会を支える立場になっている。
それはそれで凄い事だ。


日本での公演が、
出稼ぎだとしても、
やっつけだとしても、
彼らの年齢を考えたら、
来てくれるだけで嬉しい。
友人は、
「もしかしたら最後の来日かも」と笑う。



せっかくなので、今夜のセットリストを書いておきます。
(間違っていたらごめんなさい)


Maneater
Family Man
Out Of Touch
Method Of Modern Love
Say It Is't So
It's A Laugh
Las Vegas Turnaround
She's Gone
Sara Smile
Do What You Want, Be What You Are
I Can't Go For That (No Can Do)
-----アンコール
Rich Girl
You Make My Dreams
-----アンコール
Kiss On My List
Private Eyes


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「ウェス・クレイヴン’s カースド 」 [映画]

cursed.jpg
〔2005年/アメリカ〕 


クリスティーナ・リッチと、彼女の弟が呪いをかけられるホラーだというくらいの
予備知識で見始めたのだが、
その弟が画面に出てきた時、「あっ!」と声を出してしまった。


演じていたのが、
現在、アカデミー賞を取れるか否かで盛り上がる、
あの「ソーシャル・ネットワーク」で主役を演じた、
ジェシー・アイゼンバーグだったからだ。
こんな所でお目に掛かれるとは思ってもいなかったので、
なんだか嬉しいし、とても得した気分。
だから映画って好き。





クリスティーナ・リッチとジェシー・アイゼンバーグの姉弟は、
ハリウッドのマルホランド・ドライブを走行中、
フロントガラスに何かが激しくぶつかってくる。
その衝撃で、対向車にぶつかり、
対向車を崖から転落させてしまう。


運転者を助けようと、崖下に下りた所、
突然現れた大きな獣に襲われ、
運転者の女性が、胴体から真っ二つにされるのを見てしまう。


以来、二人に、不思議な事が起こり始める。
運動神経が異様に発達し、
嗅覚が非常に鋭くなるなど、動物的な特徴が現れ始めたのだ。





佳境に入ると、怪物が完全に姿を現すのだが、
それが、なんだかアニメの悪キャラ程度のルックスで、
怖いというより、可愛いと感じてしまった。
ホラーというほどではない。
でも、ジェシー・アイゼンバーグの高校生姿を見られたから満足。


評価 ★★★☆☆

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◆妖談◆ [本]


妖談

妖談

  • 作者: 車谷 長吉
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/09
  • メディア: 単行本



長くても7ページほどの短編がおさめられた小説集。
主人公の名前は違っても、
生まれや育ちや経歴がほぼ同じ事から、
著者と、著者の体験が描かれていると思われる。


毒があるのは間違いないが、
一編が短いので読みやすく、
まさしく大人向けの「妖談」で、
眠る前に少しずつ読むのが楽しみだった。


何と言っても、
関東の者には分からぬ、
関西独特の風土と言おうか、空気と言おうか、
そんなものがとても珍しく感じる。


関西出身の人に、この著者の書いている内容を話した所、
まさしくその通りだと言われた。
日本は狭いようで、
実はとても広いのだと実感する。

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