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「ランナウェイズ」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


去年、アメリカで公開されたこの映画の存在を知った日から、
日本での上映をどれほど熱望してきた事か。
日本で観られると知った時は、本当に嬉しくて、
その日が来るのが待ち遠しかった。


伝説のガールズロックグループ、「ランナウェイズ」。
ボーカルのシェリー・カーリーを演じるのはダコタ・ファニング。
そして、ギタリストのジョーン・ジェットを演じるのはクリステン・スチュワート。


ランナウェイズの映像をリアルタイムで見た事はないが、
ロック好きの一人として、
以前から、ネットにアップされている動画をよく見ていたし、
映画の事を知った日から、
ファニングが歌う予告の映像も、何度も何度も繰り返し見た。
メイクや髪型や衣装のせいもあるだろうが、
ファニングもスチュワートも、本人に面差しが似ているように思えた。
そのせいもあってか、二人共、上手く役にハマっていたと思う。





70年代のアメリカ。
15歳のシェリー・カーリーは、派手なメイクをし、
他の女の子とは違う自分を求めて足掻いていた。
一方、ジョーン・ジェットは、男のものであったロックを自ら演奏すべく、
こちらももがいていた。


ある日、ジェットは辣腕プロデューサー、キム・フォーリーと出会う。
ジェットがものになると確信したフォーリーは、
ボーカルを探しにクラブへ出掛け、そこでカーリーを見出す。





ティーンエイジャーが、
下着姿で、
男を挑発する歌詞を歌う。
本来なら、見ていて痛々しく、不潔なものに感じられそうであるが、
本物のシェリー・カーリーからも、
今回演じたダコタ・ファニングからも、
そんな事はまるで感じない。
とにかくカッコいい。


ファニングは、歌も吹き替えなしだったと聞いたが、
本物と比べても、全く遜色のない出来栄えだ。
彼女からは、かつての名子役のイメージは感じられない。
良い役を選んだと思う。


これは、「ランナウェイズ」というバンドの成功と挫折を描いているが、
それ以前に、
誰もが体験する、若い情熱のぶつかり合いが描かれていると感じられた。
バンドの顔として、シェリー・カーリーばかりがクローズアップされる事への、
メンバーの不満など、
バンドに限らず、女同士普遍にありそうな話じゃないか。
複雑な家庭環境もあり、
徐々に疲れてゆくカーリーの気持ちもよく理解できる。


ランナウェイズは、本国より日本で人気があったというが、
そのせいか、日本公演の場面に長い時間が割いてあって興味深かった。
多分、撮影はアメリカでされたのであろうが、
熱狂的な日本のファンの様子に、
メンバーが驚き、悦に入る様子が可笑しい。


エンドロールにテイタム・オニールの名前があって驚いた。
全然気付かなかったわ。
ダコタ・ファニングの母親役がそうだと、後から調べて知ったが、
知っていたら、もっとちゃんと顔を観るんだった。
ファニングと同じく名子役だったオニールが今は母親役。
感慨無量。


評価 ★★★★☆

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