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「英国王のスピーチ」 [映画]

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〔2010年/イギリス・オーストラリア〕


英国のジョージ6世(コリン・ファース)は、
4~5歳の頃からの吃音に悩まされ、
そのせいか、性格は内気で癇癪持ち、
本当は優しいのに、自分の気持ちを上手く他人に伝えられない。


吃音を治す為、あらゆる医者にかかるが、
どの治療法も眉唾もので、上手くいかず、
悩みは募る一方だ。
そんなジョージの妻(ヘレナ・ボナム・カーター)は、
オーストラリア人の言語矯正師、ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の元へ、
ジョージを連れてゆき、治療をお願いする。


しかし、ジョージは民間人に接するのは初めての上、
ジョージを特別扱いしないライオネルの態度に、
一度は気分を害し、帰ってしまう。


ジョージは吃音ではあるが、
彼の父親で英国王のジョージ5世からすれば次男であり、
王位継承は兄のエドワード8世(ガイ・ピアース)と決まっており、
そのあたりは、気楽といえば気楽なのだ。


ところが、ジョージ5世が亡くなり、
本来なら兄が王にならなければいけない当たりから、
雲行きが怪しくなる。
兄は2度も離婚暦のある女性に溺れて、
彼女と結婚したいと言い出したのだ。


当時のイギリス王室で、離婚暦のある女との結婚は御法度。
兄は王位と捨ててでも、愛を貫くと言う。
そうなれば、王位はジョージが継承するしかない。


ジョージはライオネルの元で、吃音矯正の努力をする。
さらにライオネルは、ジョージが吃音になった原因も、
解明するのである。
時代は刻々と、第二次世界大戦へと向かっており、
ジョージは英国王として、国民に向けスピーチしなければならない。
さて、どうなるのか・・・。





大好きなコリン・ファース。
昔からコスプレが似合う俳優さんだっただけに、
この映画の英国王役もピッタリだ。
アカデミー賞主演男優賞を獲得したのも嬉しい。


現エリザベス女王の父に、このようなエピソードがあるとは知らなかったし、
吃音の殆どが、生まれつきではなく、
後天的なものだというのも初めて知った。
幼い子供に、何かを無理強いをさせたり、
あまりに厳し過ぎる躾は禁物だと痛感。


コリン・ファースが吃音の矯正の為に
努力をしてゆく過程が涙ぐましく、
それ故、ラストのスピーチ場面は、
映画を観ている観客の皆さんまでもが
手に汗を握り、固唾を飲んで見守っている、そんな雰囲気で、
劇場が一体化していた。


個人的には、エドワード8世の決断は悪くないと感じる。
王の立場より、一人の女。
あの女は好かないけれど、
本人が良ければそれで良し。
王に固執する事だけが、人生ではない。


「クィーン」もそうだったけど、
こんな風に、そう古くない王室を映画に出来るなんて、
ちょっと羨ましい。
日本の皇室も映画化されたら面白いんだろうけど、
無理だろうなぁ。
(ロシア映画の「太陽」はあるけど)
まして、ちょっとコミカルに、なんて絶対無理。
これはもう、国民性の違いか。


評価 ★★★★☆

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