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「私はいったい、何と闘っているのか」 [映画]

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〔2021年/日本〕


「スーパーウメヤ」に勤務する、
万年主任の冴えないオッサン、
伊澤春男(安田顕)は、
何事にも一生懸命だが、
どうも空回りする傾向がある、45歳。


そんなある日、店長が突然死する。
順番からいくと、俺が次期店長だ!
と意気込むも、
本社は、若い頼りなさげな男を
店長に据えた。
春男の肩書は「副店長」になるも、
店での立場は、
今までの「主任」と何ら変わることはない。


そんな中、
長女の小梅(岡田結実)が、
「会わせたい人がいる」と言い出した。
え?え?え?
まさか彼氏?
結婚?
淋しいけれど、
ここは父親としての威厳を見せなければ。


小梅の結婚前に、
小梅と、次女の香菜子と3人で、
妻・律子(小池栄子)の実家のある沖縄に、
遊びに行った春男。
実は、彼は沖縄で、
大きなミッションを
自分に課していた・・・。





これは、タイトルを聞いた時から、
絶対に観にいこうと決めていた作品。


なんだか、分かるなぁ。
「私はいったい、何と闘っているのか」って。


いや、別に、
私は、特定の誰かと闘っているわけじゃない。
当然の事だけど、
私は人と争うなんて、嫌だ。
毎日を、穏やかに、のんびり生きていたいと願う人間だ。


人が「闘う」相手というのは、
何も、「対・人間」とは限らない。
それは、
コンプレックスだったり、
年齢だったり、
体力だったり、
運命だったり、と、
人それぞれ、色々ある。


私が、自分的に、
一番闘っていると思うのは、
時間かなぁ、と考えたりもする。
なんだか、いつも時間と闘っているような気がして
焦る。
もっと余裕がほしい。


この映画の主人公・伊澤春男さんも、
別に誰かと闘っているわけではなく、
むしろ、
いつも平和的で、
穏やかな、優しいおじさんなんだけど、
何か、何か、
何かと闘っているのよね(笑)。


そんな彼の心の声が、
ナレーションで流れて、
笑わせられる。


で、最初はコメディなんだけど、
途中から、
ハートウォーミングな感じに流れてゆくのがいい。


評価 ★★★☆☆

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「さがす」 [映画]

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〔2022年/日本〕


原田智(佐藤二朗)と、
中学生の娘・楓(伊藤蒼)は、
大阪の西成で、
2人で暮らしている。


ある日、原田は、
「連続殺人犯・山内照巳を電車の中で見た。
 あいつを捕まえれば懸賞金200万円がもらえる」と、
楓に話した。
楓は、「そんな事より、真っ当に働け」と、
相手にしなかったが、
原田は翌日、突然、姿を消す。


楓が、原田の行きそうな、
日雇い現場に行くと、
なんとそこには、
原田の名前を騙って働く山内がいた。


原田はどこにいったのか。
山内に手をかけれらのか。
まだ生きているのか。
かくして、楓の父親探しが始まった・・・。





試写会で観た。


佐藤二朗さんの風貌や、
今まで出演されてきた作品などから、
何か、
コミカルな作品なのかと思ったけれど、


ただ、監督が、
あの衝撃作、
「岬の兄妹」 
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
を撮られた、片山慎三さんなので、
一筋縄ではいかないかもという、
期待を持って臨んだ本作。


想像以上に重かった。
なんかもう、シャレにならない感じ。


大げさでなく、
「命とは」と、
考えずにはいられない。


佐藤二朗さん演じる原田と同じような境遇の方も、
沢山おられるだろうし、
軽々しい事は、
絶対に言えない。


自分が原田だったら、
同じような沼に嵌まってしまう事が、
絶対ないとは言い切れない。
いや、もしかしたら、
積極的に嵌まってしまうかも、という、
恐ろしい事を考えたり。


観終わったあと、
映画会社の担当さんから、
「どうか皆さま、SNS等で、
 宣伝、拡散をしてください。
 ただ、ネタバレだけせぬよう、お願いいたします」
と言われた。
だから、ここまでにしておきます。


ところで、
以下は、ネタバレではないと思うのだけれど、


冒頭、原田が万引きをして、
その身柄を、
娘役の伊藤蒼ちゃんが引き取りに行くという場面が、
なんだか可笑しかった。


なぜなら、
伊藤蒼ちゃんは、
映画「空白」で、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-09-17

万引き少女を演じたばかりではないか。


万引きしたり、
万引きした親を引き取りに行ったり、
忙しいなと思って(笑)。


評価 ★★★★☆

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「ドント・ルック・アップ」 [映画]

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〔2021年/アメリカ〕


天文学者のランドール(レオナルド・ディカプリオ)と、
彼の教え子のケイト(ジェニファー・ローレンス)は、
数か月後に地球に衝突の恐れがある、
巨大彗星の存在を確認する。


衝突の確率は、ほぼ100%。
この事態を、
世界中の人に知らせねばならないと、
やっとの思いで、
大統領(メリル・ストリープ)に面会するも、
信用されずに終わる。


それなら、メディアに訴えようと、
テレビ番組に出演するが、
司会のブリー(ケイト・ブランシェット)にも、
軽くあしらわれるだけ。


その後、
世界中の学者がその存在を認め、
隕石の軌道を変えるべく、
ロケットが飛ばされたのは良かったが、
思わぬ邪魔が入り・・・。





いやー、ブラックだわ(笑)。
こんな真剣なテーマを笑いにするセンスが
素晴らしい。


巨大彗星が、地球にぶつかる!
あわや、人類滅亡の危機!
という一大事だというのに、
この馬鹿馬鹿しさ。


この手の映画は、
「ディープ・インパクト」、
「アルマゲドン」、
最近では、
「グリーンランド」
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-07-14
など多数あるけれど、
どれも、
家族愛、
隣人愛、
人間愛などを描いた、
泣ける作品だったのに対して、
こちらはもう、人間が滑稽で(笑)。


大統領役のメリル・ストリープがいいわぁ(笑)。
彼女は、何とも言えない薄っぺらな人間で、
「お前はお蝶夫人か!」と言いたくなるような、
縦ロールの髪をして(ポスター参照(笑))、
考えている事といえば、
次の選挙と、自分がどう見られるか、
という事ばかり。
あんなのが、本当にアメリカ大統領だとしたら、
空恐ろしい(笑)。


とはいえ、
もしこれが、
シリアスなSF映画だったら、
それはそれで、彼女は、
涙無くしては観られない、
素晴らしい大統領役を演じていた事であろう。
女優ってすごい。


ケイト・ブランシェットもいい。
知的そうで、
実は何も考えていないような
キャスター役が、
本物みたいで笑える。
プリオとの関係も・・・。


そう、プリオ。
私の王子だったプリオは、
もうどこにもいない(笑)。
顔なんて、コンパスで書いたのかってくらい、
まん丸よ、まん丸(ポスター参照(笑))。
今、初めてプリオを見るという若者に、
「彼は25年前、”タイタニック”で全世界の女性を虜にしたのよ」
と言っても、信じまい(笑)。


それに代わって、
美の代表格がティモシー・シャラメ君。
この映画のシャラメ君は、
そう重要な役ではなかったけど、
今までの彼の映画で一番好き。


評価 ★★★★☆

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23区内全駅制覇・西武新宿駅 [23区内全駅制覇]

【23区内全駅制覇・各駅編】


第48回目の掲載は、
 ・西武新宿線
「西武新宿駅」です。


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JR新宿駅を中心に、
「新宿」の名前が入る駅は沢山ありますが、
歌舞伎町に一番近いのが「西武新宿駅」。
所在地も、新宿区歌舞伎町1丁目ですね。


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TOHOシネマズ新宿の窓から見た光景。
「I ♡ 歌舞伎町」。


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コロナのせいなのか、
コロナ前の年末より、
人出が少ないような気もします。
もちろん、データを取ったわけではないので、
そんな気がするだけかもしれませんが。


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今や、歌舞伎町の象徴みたいな、
東宝ビルのゴジラがライトアップされています。
「人妻・お姉さま系ヘルス トマトの思い出」
が写り込んでいるのは、写真を見て気付きました(笑)。
狙ってもいないのに、
そういった看板が写り込む、
そんな歌舞伎町が好きです(笑)。


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コロナが流行り始めた頃は、
まるで、歌舞伎町こそが、
コロナ感染源、
日本一の危険地帯のように喧伝されましたが、
最近はもう、そのような事も言われなくなりましたね。


とはいえ、歌舞伎町と関係なく、
最近、また感染者が増え始めているようですね。
気を引き締めていきたいと思います。


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あくまでも私の感覚ですが、
きちんと感染対策をしたうえで、
通りを歩いたり、
映画を観たりするくらいでは、
そうは感染しないように思うのですが、
当然の事ながら、今までと同じく、
マスクの着用、手洗いの励行など、
きっちりやっていきたいです。


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歌舞伎町は東洋一の
歓楽街なのだそうです。


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もしかして、
誤解されそうな発言かもですが、
私、ほんの短期間でいいので、
歌舞伎町に住んでみたいんです(笑)。


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誰かから、
「どこに住んでるの?」と聞かれた時、
「歌舞伎町」と答えて、驚く相手のお顔を見てみたくて。
(そんな理由(笑))。


作家の岩井志麻子さんが、
よく「5時に夢中」で、
歌舞伎町に住んでいると話されているのが、
羨ましい(笑)。


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「歌舞伎町弁天財」。
歌舞伎町の守護神です
虎と龍の絵がカッコいいです。


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歌舞伎町一番街・劇場通りの入り口にある、
とんかつの「すずや」さん。


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メニューは棟方志功さんが描いたという、
老舗です。


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私はこちらの名物、
「とんかつ茶漬け」が大好き。


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食べ方はこちら。
ちなみに、この日食べたののは「小」です。
「中」と「大」もあります。


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窓際の席から見える、新宿大ガード。




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※今まで行った駅のリンク集です。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2010-09-22-13

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※以下に、このカテゴリーの1回目に書いた文章を
 貼り付けておきます。


2018年の4月から12月まで、
「23区内全駅制覇」というカテゴリーで、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2010-09-22-12
路線ごとに、駅名表示板を並べて、
掲載していたのですが、
次は「2周目」という事で、
今度は各駅の周辺を、もう少しゆっくり歩いてみたいと思います。


条件は特にないのですが、
駅周辺の雰囲気や建物を見たり、
それから、お食事かお茶ができればいいな、
と思っています。

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「ディア・エヴァン・ハンセン」 [映画]

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〔2021年/アメリカ〕


社交不安障害を抱える、
高校生のエヴァン・ハンセン(ペン・プラット)は、
友達もおらず、
片思いをしているゾーイに話しかけることもできない、
孤独な生活。


ある日、エヴァンは、
セラピストの勧めで、
自分に宛てた、
「ディア・エヴァン・ハンセン」の書き出しで始まる手紙を書きあげ、
学校のプリンターで印刷する。


すると、ゾーイの兄で、
乱暴者のコナーにそれを取り上げられ、
さらに、コナーは、
骨折しているエヴァンの腕のギプスに、
マジックで自分の名前を書き込み、立ち去る。


数日後、校長室に呼び出されたエヴァンは、
コナーが自殺した事を知らされる。
コナーの両親は、
コナーのポケットにあった、
「ディア・エヴァン・ハンセン」の手紙、
そして、エヴァンのギプスにある、
コナーのサインを見て、
エヴァンとコナーが親友同士だった思い込み・・・。





自殺した少年・コナーと親友だったと勘違いされた、
主人公・エヴァンの、
その後の顛末と、人生を描いた物語。


エヴァンが、
コナーの両親に話した事、
それは確かに嘘なんだろうけど、
あの場合、
それって、それほどの罪なんだろうか。


コナーの両親は、
自分の息子が乱暴者で、
学友から嫌われているのを知っている。
気付かないフリをしているような母親だって、
実はめちゃくちゃ悩んでいたと思う。


そんなコナーに、
実は親友がいて、
あんなに優しい手紙を書いていたと知ったら、
嬉しくなるのは当然で、
それで、両親の心が救われるなら、
それはもう、そのままでいいように思うのだけれど。
自ら、「僕は親友でした」と名乗り出たわけでなし。


ただ、やりすぎてはいけない。
エヴァンは、その後、
スピーチをしたり、
それがSNSで拡散されたり、
それで、事が大きくなってしまうのよね。


もし、私だったら、と考える。
私なら、
「僕たちは最近、意気投合し、
 これから友情を深めていこうという段階でした」
と言うかなぁ。
それなら、そこまで嘘というほどではないし。


内気なエヴァンと、
乱暴者のコナー、
タイプは全く違うけれど、
抱えている孤独は同じ。
どちらも、人と上手く付き合えず、
苦しんでいる。


この2人は、その傾向が顕著だけれど、
でも、この世に、
孤独でない人なんているんだろうか、といつも思う。
どんなに家族と仲が良くても、
恋人と上手くいっていても、
親友と呼べる相手がいても、
おそらく、心に抱えている孤独は、
みんな同じなんじゃないだろうかって。


それに、エヴァンには友達がいないというけれど、
いるじゃん。
名前は失念したけど、
インド系の同級生の男の子。
エヴァンは、この子に、
手紙の真相を打ち明ける。
たった一人でも、
そんな事を話せる相手がいるって、
すごいと思う。
あの子は友達じゃないのかなぁ。
友達の定義ってなんだろう。


評価 ★★★☆☆

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