「空白」 [映画]
〔2021年/日本〕
女子中学生の添田花音（伊藤蒼）は、
スーパーでマニキュアを万引きしているところを
店長の青柳（松坂桃李）に咎められ、
咄嗟に走って逃げた。
青柳が花音を追いかけ、
もう少しで追いつく、というところで、
花音は、車に撥ねられ、
さらに、別のトラックのタイヤに巻き込まれ、
その遺体は激しく損傷する。
花音の父親・充（古田新太）は、
人の話を全く聞かない、
自分勝手な男だったが、
この事故で、
その性格がさらに顕著となり、
「花音が万引きなどするはずがない」と決めてかかり、
青柳や、
学校に怒鳴り込みに行く。
そこに、マスコミの過熱報道が加わり、
事態は最悪の方向に・・・。
試写会で観た。
観る前に、軽くストーリーをチェックしていったのだけれど、
これはストレス溜まりそうだ、という予感がする。
人の話を聞かない、
人を怒鳴りつける、
理屈が通用しない・・・
などの男は（女もだけど）
私が最も苦手とする相手だ。
そして、案の定、
というより、想像以上に、
古田新太さん演じるおっさんは酷かった。
このおっさんは、
娘が死ぬ前は、
娘の話など、何も聞いてやらない。
何を言っても、
怒鳴るだけで、
会話が成立しない。
そして、スマホを持つ娘に激昂し、
窓からそれを投げ捨てたりする、
自分のルールだけで生きている男だ。
なのに、娘が死んだ途端、
いかにも、娘を愛していたという体で、
学校や、スーパーに。
学校では、
「娘をそそのかす奴がいたに決まってる」
「調査しろ！」など、
校長や教師を脅し（私にはそう見える）、
アンケート調査までさせる。
さらに、結果的に花音を死なせてしまった、
スーパーの店長に対する、
執拗な嫌がらせは、
見るに堪えない。
店長は、精神的にどんどん追い込まれ、
自死を考えるように。
マスコミも考えものだわ。
店長へのインタビューの、
一部分だけを切り取って放送し、
全体を見れば謝罪しているのに、
あたかも、「俺は悪くないからな！」と
言っている風に編集。
そして、父親がキレやすい性格なのを知ってからは、
わざと煽って、
面白い絵を撮ろうとする。
脇役の、
片岡礼子さん、寺島しのぶさんの
存在感も凄い。
ところで、この父親、
映画のラスト近くで、
娘が万引きしていたという
決定的な証拠を発見する。
もし、このおっさんが、
すごくいい人だったら、
同情する所だけれど、
それまでの経緯が経緯なだけに、
その瞬間、私は、
「これで分かったか！
今まであんたが思い込みでしてきた事を考えろ！
迷惑を掛けた全員に謝れ！」
と思ってしまった。
評価 ★★★★☆
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わたしも同様、人のはなしを聞こうともしないで、自分勝手な理屈ばかりいう人、怒鳴る人、もっともきらい。
でもそういう人、映画の中だけでなく現実にもいるのよね、あやうきに近寄らずで、なるべくかかわらないようにします。いやでもかかわらなくならない事態に陥ったら、そりゃつらいでしょうね。見終わった後、ズンと胸にひびきそう
by わたし (2021-09-17 13:16)
先日までTVで放送の「TOKYO MER～走る緊急救命室～」
を見ていたんですが、桂文珍さん演じる傲慢な政治家が
ホント嫌な奴なんですよ。古田新太さんも芸達者なので
どんな嫌な奴だったんだろうと想像するに、頭に血が上る
映画だったでしょうね(-_-;) そんな映画を果敢に見に行く
青山実花さんは筋金入りの映画ファンですね！
by あとりえＳＡＫＡＮＡ (2021-09-17 13:54)
松坂桃李くんは、最近良く映画に出演してるね。
by 英ちゃん (2021-09-17 16:36)
私は邪道ですが、学校の先生は比較的優等生です。さして問題行動もなく青春期を過ごし、地方公務員という安定を目指す良い子が多いです。月日を重ね、ただ善行をのみ称賛する表の厚顔を作り上げて管理職になって行きます。組合が弱体化し、人事権を持つ権力者は内弁慶と化します。彼らは外部の圧力には弱く、大声と、机を叩くという行為に、ビビってしまいます。大声には大声で返してやる狂気を内包しませんから、やられっぱなしです。この映画のオッサンのような方が学校に怒鳴り込む経験がありますが、だいたいは親の圧勝で終了です。コンビニなんかも夜になれば、こういう方が怒鳴り込むことは多いと思います。みんなストレス抱えて、怒鳴ることを楽しんでいるのかもしれません。アドレナリンの放出による快感を、また感じたいオッサンはたくさん隠れていると思います。やがてジジィになり、前頭葉に損傷が生じ、抑制が効かなくなって切れやすいジジィが、街を歩いています。専守防衛、逃げるが勝ち。怖い世の中です。
by tommy88 (2021-09-18 05:57)
古田新太さんは最近よく映画や演劇TVに出演されておりますが中々の演劇者ですよね、役柄がなかなかできないような役もよくこなしておられますね。
by kousaku (2021-09-18 10:16)
この男のように分からず屋で理解力のない人に出会うと災難です。
この様な映画を見てると腹立たしくなってしまいます(>_<)。
by お散歩爺 (2021-09-18 10:49)
先日はブログ10年の記事にお祝いコメントを
いただきましてどうもありがとうございました。
いま記事を読んだだけでストレスが
溜まりそうだという気持ちがよくわかりました。
本来ならば悲劇の話のなかの父親のはずなのに・・・
こういう映画はあまり観たくないです^_^
by プー太の父 (2021-09-19 15:41)
これ、古田新太がTVでこの映画の会見をしていたのをなんかのワイドショーで観てました。
ちょっと気になったのですが、なんか観てるうちに胸くそ悪くなりそうなのでソフト化されたら観てみようかなと思います。
by ぼの (2021-09-19 22:49)
桃李ファンの青山様ならではの映画ですね。
古田新太さんダーティな役をこなしていますね。
また横道にそれますが、雨の連休amazonでシンエバンゲリオン劇場版を見ました。
この映画では人類保管計画がいつのまにかいかり指令の奥さん復活計画になっていました。そのせいでサードインパクトで地球上の生物はほぼ壊滅。かのスターウォーズも一家の問題が宇宙戦争になったのとにています。
物語の終わりでは、こもり的な主人公がいつのまにか成長してサラーリーマン姿をして普通の暮らししているのが印象的でした。壊れた地球がいつのまにか普通通りになっていた？
青山様も成長していつか真実の姿が見れたらと勝手に思っています。
by ヤマカゼ (2021-09-20 20:11)
わたしさん
コメントありがとうございます。
私も、人の話を聞かないで、
思い込みで人を威圧する人、大嫌いです。
そういう人は、私生活で何かお困りな事が
あるのかもしれないと、
可哀想な目で見ながらも、関わりません。
by 青山実花 (2021-09-27 11:06)
あとりえＳＡＫＡＮＡさん
コメントありがとうございます。
東京MERは見ていないのですが、
ＳＡＫＡＮＡさんが言われるくらいですから、
桂文珍さんは、きっと本当に嫌な奴なのでしょうね。
試写会でしたので、
ありがたく観させていただきましたが、
古田新太さんにはストレス溜まりまくりでした(笑)。
by 青山実花 (2021-09-27 11:06)
英ちゃんさん
コメントありがとうございます。
松坂桃李くん、鈴木亮平くんは、
最近、出ずっぱりですね＾＾；
by 青山実花 (2021-09-27 11:06)
tommy88さん
コメントありがとうございます。
物静かな学校の先生が、
他人を恫喝するような保護者に怒鳴られる姿を想像すると、
心が痛くなります。
コンビニで怒鳴っている爺さんに
遭遇した事がありますが、
そやつが帰ったあと、
レジの人と、「なんだあれ？馬鹿じゃねぇの」と
笑い合った事があります。
そういう爺さんは笑われている事に気付いていない、
お可哀想な人なのだと憐れみを覚えます。
よほど私生活でお困りしているのでしょう。
「警察を呼ぶ」というと、急にモゴモゴするそうです(笑)。
権力には弱とは、なんと気弱な(笑)。
by 青山実花 (2021-09-27 11:08)
kousakuさん
コメントありがとうございます。
映画を観る者を、
ここまで嫌な気分にさせる役者さんは、
とても凄いのでしょうね。
by 青山実花 (2021-09-27 11:09)
お散歩爺さん
コメントありがとうございます。
本当に、人生で絶対出会いたくない人ですね。
映画だけでもストレス溜まります。
by 青山実花 (2021-09-27 11:09)
プー太の父さん
コメントありがとうございます。
もしも、この映画の主人公が、
とても優しくて、常識人で、
娘を心底愛しているお父さんだったら、
全く別の話になって、
涙で前が見えなかったかもしれませんね。
by 青山実花 (2021-09-27 11:09)
ぼのさん
コメントありがとうございます。
「胸くそ悪い」ってピッタリの言葉ですね＾＾
映画館でも、ご自宅でも、
どちらでも無問題です。
いつかぜひご覧になってくださいね。
by 青山実花 (2021-09-27 11:10)
ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。
古田新太さんは芸達者ですね＾＾
「エバンゲリオン」は、
残念なことに、一度も観た事がなく、
基本的に、何をテーマにしているのかも知りません。
いつか、観てみたいと思います。
by 青山実花 (2021-09-27 11:10)
この映画のレビューを拝読し、
もう気になって気になって…。
丁度、ご当地でもなぜか公開されており、
あまりに気になったので、昨日10月2日は
「豆腐の日」という事で劇場に足を運び、
鑑賞してまいりました。
以前、現実にも古本屋の主人が万引きの学生を
追いかけて学生が交通事故に遭い、
世間の非難は本来、万引き犯人に向けられる
べきなのに、万引き被害を受けた店長に集中し、
閉店へと追い込まれました。
このポスタービジュアルで私生活でも
いやらしい松坂桃李がなぜ、これだけ土下座しているのか
実に不思議でした。
本来の被害者である、店長が…。
そうかそういう事か…。
やはり、松坂桃李はいやらしい！。
こいつは元犯罪者ではないか！それもロリコンか！。
万引きをいやらしい松坂桃李に見つかり、
そこからの描写がないんだよ。
いきなり女子中学生が逃げ出してるんだよ。
時間軸的には、いやらしい松坂桃李と中学生の
やりとりがあったハズなんだよ。
このシーンがないために、
松坂桃李のいやらしさが半減されてしまい、
古田新太のモンスターさが際立ってしまっている。
確かに妻だから、子だからと抑えつけて、
自分に逆らう事を許さない人間として古田新太は
描かれている。
今の時代にはいささかそぐわない人種である。
しかし、もう少し松坂桃李のいやらしさを
描いていれば、古田新太にも「救い」は
あったのではなかろうか。
評価 ★★☆☆☆
by 裏・市長 (2021-10-03 21:30)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
え！
本当ですか？
本当にこの映画を観に行ったのですか？
いえ、
裏・市長さんが劇場に行かれるなんて
お珍しいなぁと思いましたので。
松坂桃李さんが、
過去に性犯罪をしたとか
しないとかって、
事実なのでしょうか。
映画の中では、
オッサンが勝手にほざいているシーンしかなく、
具体的な証拠などは、
何もなかったような。
つまり、事実なのか、
言いがかりなのかが、
判然としていないように、
わたくしには思えました。
判然としない場合には、
顔のいい方が正しいに決まっています。
古田新太より、
松坂桃李。
ジュリー藤島より、
タッキー＆キング＆プリンス。
そんな事、
当たり前でございましょう？
なんでも、ジャニーズが、
文春を訴えるとか。
どうぞどうぞ。
やってもらいましょう。
本当にできるのなら。
by 青山実花 (2022-11-10 21:20)