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「監獄への招待」 [映画]

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〔1967年/日本〕


服役中の詐欺師・河西義男(田宮二郎)は、
出所まで、あと1年ちょっとのところで、
なぜか、仮釈放される。


警察の会議室に連れていかれた河西は、
アメリカ在住の麻薬の売人・ヘンリー野坂(田宮二郎・二役)と河西が
瓜二つである事から、
近々来日するという野坂になりすまして、
麻薬取引の現場に行ってほしいと要請される。


野坂の経歴を頭に叩き込み、
仕草、歩き方、表情の作り方、話し方まで特訓した河西は、
麻薬組織に近付く事に成功する。


一方、来日した野坂は、
警察の策略で、
精神病院に入院させられ、
事実上、監禁状態となる。


河西は、麻薬組織のボスのドイツ人・グラウの家で
寝泊まりすることになるが、
グラウの娘のルミ(真理アンヌ)と
愛し合うようになり・・・。





田宮二郎さんが、
一人二役を演じる、
麻薬潜入捜査物だけど、
緊張感があって、めっちゃ面白い。


田宮さん演じる、囚人の河西は、
ある日、突然、出所させられて、
自分にソックリだという、
日系人の男・野坂になりすますんだけど、
これが、いつバレやしないかとヒヤヒヤする。


河西には、
見張りとして、いつも渡辺文雄さんがくっついて来て、
案の定、
鋭い渡辺さんに、
偽者ではないかと、疑われる。


その時の、警察の対応が素晴らしい。
めっちゃ上手いトリックで、
渡辺さんを騙し、
河西が間違いなく野坂だと信じ込ませる。
私が警察の人間だったら、
今後の捜査で真似したいような手だ(笑)。


けれど、もっと大変なピンチがやって来る。


なんと、アメリカから、
野坂の妻・野際陽子さんがやってくるのだ。


他人なら、
河西と野坂の見分けがつかなくても、
妻となると、話は違う。


この時の、野際陽子さんの演技が、
何ともすっとぼけていて、
本当に面白い。
劇場内は笑いが起こっていたし、
私も、笑ってしまった。


で、野際さんの出現にショックを受けるのが、
河西と恋に落ちた、真理アンヌさん。
「彼に、あんな素敵な奥様がいるなんて」、と。


けれど、河西にしてみたら、
「違うんだよぉぉぉぉぉ!!
 あの女は俺の嫁じゃねぇぇぇぇぇ!!」と、
叫びたいけど、叫べずに、
どうすりゃいいんだ状態。


苦しい状況に、
こちらの胸まで苦しくなった。


評価 ★★★★☆

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