「ミセス・ノイズィ」 [映画]
〔2019年/日本〕
小説家の吉岡真紀(篠原ゆき子)は、
夫と幼稚園の娘と共に、
ある団地に引っ越してきた。
現在、スランプ状態で、
中々思うような作品が書けない真紀は、
隣人の中年女性・若田美和子(大高洋子)の
あまりに大きな布団を叩く音に苛立ちを募らせ、
ある日、文句を言ってしまう。
それ以外にも、美和子の非常識な言動に悩まされた真紀は、
ストレスマックスな状況の中から、
美和子を主人公にした小説を書くと、
それが大変な話題になる。
しかし、その事が次第に、
ネットやマスコミを巻き込み、
大事件を引き起こしてしまう・・・。
試写会で観た。
あぁ、なんて素晴らしい映画だろう。
なんだか、世の中全体がイライラして、
人の小さなミスも許さなくなっているような今、
1億2000万人全ての日本人が、
この映画を観たらいいのになぁ、と思ったくらい。
最初は、
主人公の小説家・真紀に、
めっちゃ同情的な気持ちを持って観る。
隣にあんな非常識な女性が住んでいたなんて、
引っ越した早々、なんて運が悪いんだ、
お気の毒に・・・と。
そして、予備知識をまるで持っていなかったので、
物語を勝手に予測して、
真紀と、隣の女性のバトルが激化しするけど、
最後は、当然、主人公の真紀が勝つのよね?
なーんて思ったりして。
でも、全然違ってた。
これ以上はネタバレになるので絶対に書けない。
これから観られる方には、
真っ白な気持ちで、
この映画に臨んでほしい。
私は、この映画を観て、
今までの自分を振り返って、
本気で反省してしまった。
「自分が思っている常識って、本当に常識なんだろうか」
「奇妙に思える他人の行動にも必ず理由がある。決め付けはいけない」
などなど、胸に突き刺さる場面がいっぱい。
まぁ、私の反省なんて、
3日も経てば忘れてしまうんだろうけど、
でも、これから先、生きていく上で、
何かあった時は、
この映画を思い出したい。
泣きました。
私以外にも、泣いている方が何人もおられました。
本当に観て良かったと、心から思える作品です。
上映前に、
天野千尋監督、
篠原ゆき子さん
大高洋子さん
長尾卓磨さん
宮崎太一さん
新津ちせちゃん
による舞台挨拶がありました。
本当に皆さま、
いい映画をありがとうございました。
評価 ★★★★★