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「温泉芸者」 [映画]

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〔1963年/日本〕


秋葉川温泉のしめ香(叶順子)は、
超売れっ子芸者。


なぜそんなに人気なのか。
それは、
彼女は耳は聞こえるが、
口がきけない障害を持っており、
客たちは、そこに、
何か感じるものがあるらしい。


ところが、その障害というのは、
真っ赤な嘘で、
しめ香は、男たちの心理を利用して、
大金を貯め込んでいる。


そんなある日、
中学教師の田代(川崎敬三)と知り合ったしめ香は、
田代の、
他の男とは違う高潔さに、
本気で恋をしてしまう・・・。





障害者のフリをして、
人を騙して、金を稼ぐって、
映画でも、現実でも、
無い話ではないし、
けしからん、というのは分かるんだけど、
人は、「弱者に悪人はいない」と思い込んでしまうのか、
騙しやすいのかもしれない。


この映画の叶順子さん演じる、しめ香も、
口のきけない芸者として、
それはそれは売れっ子で、
まぁ、彼女のしている事は、
芸者というより、ハッキリと売春なんだけど、
予約をしないと、同衾できないという。


しめ香は、その度に、
客から大金をせしめる。
なぜ、彼女がそんな事をするようになったかって、
それは昔、
違う場所で芸者をしていた時、
先輩の足の悪い芸者が、
それで大金を貯めて、店を持ったからに他ならない。


男たちは、そういった女に、
ある種の幻想を抱くようで、
しめ香は、
「障害があると、具合がいいって言うんだよね。
 あたしなんて、普通なのにさ」
と、あっけらかんと、古い友達に話したりする。
都市伝説、思い込みの類ってすごいわ(笑)。


ポスターにも描かれているように、
しめ香が、稼いだ金を入れておくのが、
一升瓶(笑)。
可笑しいんだけど、
ただ、ヒヤヒヤする。
そんな、中が透けてるようなものに
大金を入れて、
誰かに見られたら危ないよ、って。


ラストは、
障害者に対する幻想が、
逆に、仇になったような悲劇・・・なのかな。
まぁ、ハッピーエンドでなかったのは、確か。


評価 ★★★☆☆

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