「ロング・トレイル!」 [映画]
〔2015年/アメリカ〕
紀行作家・ビル・ブライソン(ロバート・レッドフォード)は、
平穏な日常を送っているけれど、
何か物足りない。
そんな中、彼は、
北米有数の自然歩道「アパラチアン・トレイル」の
3,500キロ踏破を思い付く。
しかし、妻や息子は猛反対。
70歳を超えている上に、
ど素人のビルに、
そんな無謀な挑戦をさせるわけにはいかない。
譲歩案として、
「誰か相棒がいたら行っていい」と妻に言われ、
片っ端から友人たちに電話を掛けるも、
全員から断られる。
けれど、その噂を聞きつけて、
誘わなかった友人・カッツ(ニック・ノルティ)が
「自分が行く!」と言い出した。
カッツは何かと問題の多い男だが、
断る理由も見つからず、
ビルは彼と最初の一歩を踏み出す・・・。
とてもいい映画。
70歳を超えたロバート・レッドフォード演じるビルが、
平穏だけど、どこか満たされない日常から、
何かやってみよう、という気持ちで、
3500キロのロングトレイルに挑戦しようと思い立つ。
一緒に行くのは、ニック・ノルティ演じる、旧友・カッツ。
ビルは、カッツにだけは連絡しなかった、というくらい、
問題の多い男のようで、
実際、初登場のシーンは、
歩く事も覚束ないような、
ヨロヨロした状態。
観ているこちらは、
カッツがビルの足を引っ張ったり、
迷惑かけられる内容だったら嫌だな、と思いながら、
観始めたわけだけど、
あぁ、旅のお供がカッツで良かったと心から思う。
旅を一緒にする相手、
まして、アウトドアとなると、
神経質で繊細な人より、
カッツのような豪快で、ちょっと適当な人の方が
ずっといいと気が付く。
それに、カッツは、
何かやらかしそうではあったけど、
決して非常識な振る舞いをする人ではなかったし、
一緒にいて、すごく楽。
ビルとの間にも、
一度もトラブルはなかったし、
安心して見ていられる。
(もちろん、色々な事はあるけど、
全て笑える範囲)
ロングトレイルを題材にした物語というと、
リース・ウィザースプーンの、
「わたしに会うための1600キロ」が思い出される。
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2015-09-22
あれも、とてもいい映画だったけど、
リースが歩いたのが1600キロに対して、
こちらのコースは、なんと3500キロ!
念の為、YAHOO地図で
距離の計測をしてみたら、
釧路から鹿児島までが、直線距離で約1750キロだから、
その往復という事になる。
やっぱり向こうは、
人も、自然もスケールが違い過ぎる。
日本で、
釧路から鹿児島を歩いて往復しようなんて考える人は、
ほぼいないんじゃないだろうか。
(一人もいない、とは言わないけど)
いくつになっても、
挑戦する、という気持ちは大切なのだと、
この映画は教えてくれる。
評価 ★★★★☆