「新婚七つの楽しみ」 [映画]
〔1958年/日本〕
ある場所で、街頭インタビューが行われている中、
南川悠一(川崎敬三)と、中川康子(若尾文子)が、
言い争いになった。
悠一は、「女は主婦になって家庭を守るべき!」
康子は、「女だって仕事をすべき!」
という意見で、対立したのだ。
1年後。
悠一と康子は、
熱烈な恋人同士となっていた(笑)。
2人は結婚し、
車で新婚旅行へ。
すると、途中で、
車が故障して困っている中年夫婦(島ひろし・ミス・ワカサ)に
出会った。
夫婦は、悠一たちに、
「新婚には七つの楽しみがある」と教える。
「七つの楽しみ」を、
これから2人で見つけていこう。
そう決めた悠一と康子の、
甘い新婚生活が始まるが・・・。
大喧嘩から始まった男女が、
恋に落ち、1年後に結婚。
その1年間の過程が描かれていないのが、
逆の面白く、
2人の待ち合わせの場面で、
「あんたたち、いつの間に」という思いで、
笑ってしまう。
そんな2人を演じる、
若尾文子さんと、川崎敬三さんカップルが、
微笑ましく、可愛い。
物語は明るく、ポップで、
お話がどんどん進んでいくが、
そう感じる理由の一つに、
島ひろしさんと、ミス・ワカサさんの出演があると思う。
このお二人は、夫バツ3、妻バツ4の夫婦だと言い(笑)、
若尾さんたちと、新婚旅行の途中で知り合い、
偶然にも、同じアパートに引っ越してくる。
大阪出身という事で、
コテコテの大阪弁に、
ステレオタイプの大阪人気質、
2人が出てくる場面は、まるでコント(笑)。
私は、島ひろしさんも、ミス・ワカサさんも、
存じ上げないのだけれど、
大阪の芸人さんなんだろうか。
それから、
船越英二さんが、川崎敬三さんの、
会社の先輩の役で出てくるのだけれど、
ある日、船越さんは、
「実家の父親に勧められている見合いを断りたいから、
若尾さんを恋人という事にして、
親父に会ってほしい」と言ってくる。
で、レストランで、
若尾さんに会った父親は大喜び。
「これはいい!女優の若尾文子にソックリだ!」って(笑)。
1958年。
まだ、女性は、結婚したら
専業主婦になる人が殆どだったのだろう。
若尾さんが主張する、
「働く主婦」が、とても新しい事のように描かれる。
もちろん今だって、
結婚するとなれば、
色々迷いはあるだろうけど、
その意識は、全然違うもののように思える。
古い邦画を観ていると、
当時の日本人の考え方が伝わって来て、
面白い。
評価 ★★★☆☆
この作品で、
若尾文子さんの出演映画、163本中136本を観た事となりました。
(★は観た作品)
★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
★座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
★女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
★八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
素敵な野郎(1961)
鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
★実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
銀河の都 (1957)
君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
スタジオは大騒ぎ (1956)
★あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
★十代の誘惑 (1953)
無法者 (1953)
★続続十代の性典 (1953)
春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
★続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
彼女の特ダネ (1952)
街の小天狗 (1952)
秘密 (1952)
★明日は日曜日 (1952)
★花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
★猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
娘初恋ヤットン節(1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
生き残った弁天様(1952)