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「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」 [映画]

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〔2018年/イギリス〕


長らく故郷を離れていた、
女性カメラマン・ロニート(レイチェル・ワイズ)が、
父の死をきっかけに戻ってきた。


ロニートの父は、
敬虔なユダヤ教のラビ。
ロニートは、父の跡継ぎ候補で幼馴染の
ドヴィッドと久し振りに再会するが、
彼が、エスティ(レイチェル・マクアダムス)と結婚している事に驚く。


ロニートとエスティは、
かつて愛し合っていたが、
同性愛を認めないユダヤ教のせいで、
ロニートは街を出たのだ。


しかし、再会した2人の恋の炎は、
再び燃え上がり、
さらに、それが人々に知られる事に・・・。





試写会で観た。


厳格なユダヤ教のコミュニティ。
まずは、ユダヤ教をよく知らないと、
え?なぜ?
という疑問が沢山湧いて出る。


「ラビ」という言葉が何度も出てくるけど、
これは、キリスト教の、
「神父」と同じ意味でいいのよね。


それから、女性たちが、
なぜかいつもウィッグをかぶっている。
調べてみると、
どうやら、ユダヤ教では、
既婚女性は、ウィッグをかぶるという
決まりがあるようだ。


宗教と縁のない私は、
映画を観る前だったら、
「今どき、そんな戒律、守っている人がいるの?」と思っただろうけど、
観終わった今なら、分かる。
宗教の厳しい決まりをきっちり守って暮らしている人が、
この世にはいるのだと。


で、この映画のテーマである、
同性愛の禁止。


これは、難しい。
心に自然と湧いてくる感情を、
抑えるのは大変だ。
それを守れそうにもないから、
ロニートは、街を出た。
エスティは、生活のため、結婚した。


どちらが正解か、なんて、無い。
一人一人、性格も能力も違うのだから、
自分に合った道を選ぶしかない。


ただ、二人の関係を
本当に秘密にしたいのなら、
外でイチャイチャしては駄目よね。
狭いコミュニティのこと、
絶対、誰かが見てるって。
どんな秘密でも、
隠すなら、
徹底しないと。


ラスト、彼女たちがどの道を選択するのか、
興味があった。


なるほど、
そっちに着地したか、と思った。
まぁ、妥当な選択だと思う。


評価 ★★★☆☆

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1月21日のシャンシャン。 [できごと]

1月21日。
今年はじめて、シャンシャンに会いに行ってきました。

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パンダ舎の前に行って、
シャンシャンを一目見た瞬間、驚きました。
前回から、1ヶ月も経っていないというのに、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2019-12-28
めちゃくちゃ大きくなっているように感じられたからです。



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もうすっかりレディです。
お手手にあごを乗せて寝ている姿が、
なんとも可愛い。


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二周目。
寝返りをうっていました。
上野動物園の園長さんによると、
「パンダほど、無防備に眠る動物はいない」との事です。
その警戒心のなさが、またいいのですよね。


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と思ったら、
なんと、急にムクっと起きて、
可愛いお顔を見せてくれました。
ありがと、シャンシャン。


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寝ぼけているようです(笑)。
このあと、すぐまた寝ちゃいました。





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隣のお部屋では、
お父さんのリーリーが、お食事中。
笹に埋もれてました。


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リーリーの特徴は、
とんがった頭です。





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そのお隣では、
お母さんのシンシンがお食事中。


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シャンシャンの丸顔は、
お母さん似なんですね。

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「殺られてたまるか」 [映画]

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〔1960年/日本〕


間宮組の親分・間宮重次が、
敵対する組の男に刺された。
間宮は、「極道は自分一人でたくさんだ、
息子たちは、決して跡を継いでほしくない」と
願いながら死んだ。


18年後。
間宮の次男・健次(梅宮辰夫)は、
真面目なサラリーマンになっていた。
けれど、理不尽な理由で解雇となってしまう。


仕方なく、キャバレーを経営する兄に、
就職を頼みに行くが、
なぜか兄は、健次を拒絶、
店を叩き出されてしまう。


実は兄は、
父と同じ道を歩んでいたのだ・・・。





映画の最初に、
出演者の名前が出て、
一番最初に「梅宮辰夫」とある。


ふーん、梅宮さん主演の作品かぁ、と
観始めたのだけれど、
いつになっても、彼が出てくる気配がない。


途中で、あれ?おかしいな、と気付き、
主演の間宮健次の顔をよーく見てみたら、
なんだ、それが梅宮さんじゃあーりませんか(笑)。


私が知っている梅宮さんとは全然違うルックスに
まるで気付かなかった。
梅宮さんが映画デビューしたのは、
1959年のようだから、
この映画は、1年目の作品というわけで、
まだまだ、お若かったのね。


映画自体も、他愛ない。
極道だった父の願い通り、
極道にならなかった次男と、
父の願いに反した長男。


やっぱり、極道なんかになるもんじゃない。
親の因果が子に報い、だ。


ちょっと面白く思ったのが、
父親を殺した犯人の白戸ってのが、
父が決して犯人の名前を言わなかった事に感激して、
ムショから出てきたあとは、
健次の力強い味方になってくれた、って事。


もちろん、人なんか殺しちゃ、
絶対駄目なんだけど、
白戸がいなかったら、
健次も危なかったって事で。


梅宮さんの恋人役を演じるのが
三田佳子さん。
本当に綺麗。
こんなお美しいかたが、
まさか80歳近くになってまだ、
世間に頭を下げ続けなくてはならない
運命を背負い込むとは。
人生は分からない。


評価 ★★★☆☆

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「私のちいさなお葬式」 [映画]

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〔2017年/ロシア〕


ロシアのある村で暮らす、
元教師のエレーナ。
73歳の彼女は、
ある日、病院で余命宣告を受ける。


都会で暮らしている息子・オレクに
帰ってきてもらったが、
オレクはとても忙しそうで、
すぐ都会に逆戻り。


「あんなに忙しいのでは、
 あの子に、私の葬儀の準備はできまい」
そう考えたエレーナは、
自分の葬儀の手配を始める事に・・・。





人ってのは、国は違っても、
考える事に、
そう差はないんだなぁと思う。


ロシア人なんて、
日本人とは精神構造がまるで違うのではないかと
勝手に決め付けていたけれど、
今、日本の多くの高齢者が心配している事と
似たような事で悩んでいる。


自分が死んだら、
葬儀はどうするのか、
墓はどこにするのか、
忙しそうな子供に手間を掛けさせてはいけない、
誰にも迷惑を掛けたくない・・・などなど。


でも、まぁ、
普通の人は、悩んでも、
悩んでいるうちに死んでしまうんだろうけど、
このエレーナさんは、
人よりちょっと積極的で。


なんと彼女は、
役所に行って、
自分の埋葬許可証を出してもらうようお願いする。


けれど、それには、
死亡診断書が必要だと言われると、
今度は、
村の遺体安置所に行き、
元教え子に、
死んでもいないのに、それを書かせる。


そして、棺桶屋に行って、
気に入った棺桶を選び、
それをバスで持ち帰る(笑)。


もう、ここまでくるとブラックジョーク。
バスに乗り合わせたギャル2人などは、
「何、この棺桶。カッコいいじゃん」みたいな事を言って、
写真を撮ったりしている(笑)。


老人の悩みは世界共通だと分かったけど、
もう一つ、世界共通なものがあると実感。


それは、スマホ事情。


日本もそうだけど、ロシアでも、
もう、スマホは生活していく上で、
なくてはならない物のようで、
エレーナの息子は、
母親の病気で故郷に帰ったというのに、
スマホが手離せない。


ケータイがなかった時代は、
親の病気や葬儀の時は、
5日なり、一週間なりの休暇を取ったら、
その間は、
職場と連絡などはしなかった気がするんだけど、
今は、そんな事はお構いなし。


便利な世の中になったのはいいんだけど、
ちょっと、
なんだかなぁ、と思わないでもない。


評価 ★★★☆☆

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「グリンゴ 最強の悪運男」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


ハロルド・ソインカ(デヴィッド・オイェロウォ)は、
お人好しの黒人男。
彼は、友人・リチャード(ジョエル・エドガートン)が経営する製薬会社に勤務し、
その日は、
リチャードと、
リチャードの共同経営者で愛人の
エレイン(シャーリーズ・セロン)の3人で、
メキシコの出張。


すると、あるきっかけから、
リチャードとエレインが、
自分をクビにしようと画策している事を
知ってしまう。


さらに、その夜、
妻から、不倫をしていると告白された上に、
離婚したいと告げられて、
踏んだり蹴ったり。


リチャードとエレインだけがアメリカに帰ったあと、
ハロルドは、2人から金をふんだくってやろうと、
狂言誘拐を計画するが・・・。





試写会で観た。


この映画、ジャンルはなんだろう。
サスペンス風なようで、
コメディでもあり、
とにかく、
話が二転三転しながら、
進んでゆく。


細かいストーリーを説明するのが難しい。
人が大勢入り乱れて、
そして、どんどん死ぬ(笑)。
死を笑ったりしてはいけないけど、
でも、笑うしかないような状況。


舞台をメキシコにしたのが良かった。
メキシコというと、
マフィア、
麻薬の闇カルテル、
殺人、など、
どうにも、犯罪に関する単語が
真っ先に頭に浮かんでしまうようなお国柄。
(イメージです。すみません(笑))


だから、この映画のような事があっても、
不思議じゃないかもと、思わせる説得力があり、
その雰囲気を楽しむ。


シャーリーズ・セロンの演技が圧巻。
会社経営者でありながら、
ビッチで、
下品。
そして、強か・・・


・・・と思っていたけど、
ある場面で、
弱弱しい女の部分を見せたので、
あぁ、彼女にも、
そんな心があるのだなぁと、
私はちょっと嬉しかった。


彼女は、ある事を目撃した時、
自分でも気付かないうちに、
涙を流すのだ。
「え!?え!?え!? 私ったら、泣いてるの?」みたいな感じで、
本人が驚いている。


やっぱり、人って、
どんなに、ドライで割り切っているように見えても、
心の奥底では、
情(じょう)のようなものが、
自然に湧いているのだなぁ、と、
サスペンスで、コメディな映画なのに、
そこだけ、しんみりしてしまった。


と言っても、そこは彼女の事、
そんな涙はすぐ振り払って、
すぐ次の行動を開始するんだけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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