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「テッド・バンディ」 [映画]

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〔2019年/アメリカ〕


1969年。
シングルマザーのリズ(リリー・コリンズ)は、
バーで、
テッド・バンディ(ザック・エフロン)と名乗る男と知り合う。


すぐに恋に落ちた二人は、
一緒に暮らすようになる。
リズの幼い娘・モリーもテッドに懐き、
幸せな日々が続いた。


ところが、ある日、
テッドが、女性誘拐事件の容疑者として
逮捕されてしまう。


その頃、女性に対する
残忍な殺人事件が多発しており、
テッドは、自分の無実を主張するのだが・・・。





シリアルキラーの語源となり、
少なくとも30人以上の、若い女性を殺害しているとされる、
殺人鬼・テッド・バンディの半生を描いた作品。


彼を、犯罪面ではなく、
恋人・リズとの関係を中心に描いてあるので、
特に残忍なシーンはなく、
大変に楽しめる。


私は女だからか、
リズの心の持ちようが、
めちゃくちゃ気になる。


「殺人犯と疑われる恋人の無実を、心から信じている」のと、
「恋人が殺人犯だと知ってはいるけど、それでも愛している」のとでは、
全然違う。


一体リズは、どっちなのだろう、
もし前者だとしたら、
それは、まるで、
洗脳の解けない宗教みたいだな、と思ったり。


実際、テッド・バンディという人の
カリスマ性が凄い。
彼はどこにいても、
女性が放っておかない。
すれ違うだけの女性でも、
イケメンな彼を見ただけで、
「あらぁ、素敵な人」みたいな感じで、
皆が振り返る。


裁判では、
若い女性の傍聴人で、
溢れかえっている。


彼には、何か、
人を惹き付けてやまない、
ある種の「毒」があると思われる。


そして、大変な頭の良さ。
IQが160以上あると言われているテッドは、
裁判で、
弁護士のトロさにイラつき、
なんと、いきなり、自分で自分の弁護を始める。
その場面が、なんだか可笑しくて、
思わず笑ってしまった。


それから、とても知りたいのが、
なぜテッドが、
リズにだけは、
手をかけなかったのか、という事。


それは、
ドイツのシリアルキラー・ペーター・キュルテンと
同じ。
キュルテンも、沢山の女性を殺害したけれど、
妻に対してだけは、
優しく、非の打ち所がない夫だったという。


何十人もの人を殺し、
良心の呵責すらない人間でも、
どこかに、心の拠り所を求めるという事なのか。


評価 ★★★★★

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