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「私の知らないわたしの素顔」 [映画]

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〔2019年/フランス〕


パリのタワマンで暮らす、
大学教授のクレール(ジュリエット・ビノシュ)は、
バツイチのシングルマザー。


年下の恋人・リュドからつれなくされた彼女は、
リュドの同居人・アレックス(フランソワ・シビル)を
Facebookで見つけ、
リュドの動向を知るために、
「24歳のクララ」になりすまし、
交流するようになる。


アレックスから、写真を見せてほしいと言われたクレールは、
姪のカティシアの写真を送り、
これが自分だと紹介。


すると、カティシアの美しさに、
アレックスは夢中になり、
愛の言葉を送ってくるようになる。
クレールも、
アレックスとのバーチャル恋愛にのめり込んでゆくが・・・。





試写会で観た。


人がどんな恋愛をしようと、
それはその人の自由。
何も咎めるつもりはないし、
勝手にしたらよろしい。


会った事のない相手との、
ネット恋愛だって、
当人同士が良ければ、
それで良し。


ただ、ジュリエット・ビノシュ演じるクレールさん、
彼にのめり込みすぎ(笑)。


なにせ、
ネット恋愛の相手・アレックスとの
やり取りに夢中で、
大学での講義中に、
生徒の前でスマホをチェックしたり、
図書館で、皆が勉強している席で、
電話で会話したりしている。
何をしてもいいけど、
人に迷惑をかけたらあかん(笑)。


さらには、車の中でアレックスと電話している最中、
エロい事を言われ、
その場でテレフォンセックスに突入。
観ているこちらは、
誰かが、車の窓から中を覗きやしないかと、
ずっとヒヤヒヤし通しで、心臓に悪い。
おーい、そういう事は自宅でやってくれー(笑)。


この映画は、
ネット恋愛と同時に、
女性の、老いに対する恐怖も大きなテーマ。


自分を「24歳のクララ」だと偽ったクレールは、
アレックスが、自分の街にやって来ると知って、
駅に行くも、
「クララ」を探すアレックスに、
クレールの姿は目に入らない。


目の前にいる、50代の女性は、
アレックスにとっては、
母親みたいなものだもの。
彼女が、自分の会いたい「24歳のクララ」だなんて
気付くわけもなく。


その後、話は二転三転して、
中々面白い展開に。


ラストの解釈は人それぞれで、
怖いと思う人もいれば、
ホッとしたと思う人もいるという。


まぁ、恋愛でも、普通の人間関係でも、
相手がどんな人かなんて、
100%把握できるわけもなく、
ネットだけが特別な事ではないだろう。
どんな関係でも、楽しんだ者勝ちだ。


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上映後、映画ライターの、
此花わかさんによるトークショーがあった。


此花さんは、ジュリエット・ビノシュに
インタビューをされたそうで、
「映画を撮るにあたって、苦手な監督さんはいますか」
などという、ちょっと突っ込んだ質問をされたのだとか(笑)。


するとビノシュさんは、
「若い監督さんで、演技指導をしたがる方がいるけれど、
 そんな時は、
 3テイクほど撮って、
 それでも駄目なら、指導してください」と
答えるのだそうだ。


映画作りというのも、
色々大変ね。


評価 ★★★☆☆

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