「盆唄」 [映画]
〔2019年/日本〕
試写会で観た。
福島県双葉町に伝わる「盆唄」を
何とか後世に伝えようとする
人々を描いたドキュメンタリー。
2011年の東日本大震災以降、
多くの被災者の皆様が、
日本各地にバラバラに散るように
避難するしかなかったわけだけれど、
福島県双葉町の皆様も例外でなかった。
元住人の皆様は、
双葉町に先祖代々伝わる「盆唄」の存続が
危ぶまれると危惧していた。
そこで、歌い手や、太鼓や笛の名手たちが、
ハワイに行き、
自分たちの唄を伝える。
いつかいつか、
双葉町がかつての活気を取り戻した時、
この唄を伝えてやってほしい、と。
震災と原発事故で、
閉鎖された町の映像は、
今までにも見た事があるけれど、
何度見ても、見慣れるという事がない。
自分の町なのに、
自分の家なのに、
自由に出入りする事ができず、
閉ざされたゲートの前で、
身分証明書を提示して中に入り、
滞在できるのは5時間だけ。
元の家の周辺には、
天敵のいないイノシシの親子が
普通に歩いていて、
驚かされる。
もう生きている間に、
故郷に戻るのは無理かも、と、
人々の間には
そんな諦めムードも漂い始めているけれど、
あぁ、なんとかならないものなのか。
ラスト、
元双葉町の皆様は、
力を合わせて、
櫓を組み、
盆唄を披露する。
その場面は圧巻。
評価 ★★★☆☆