「蛇姫道中」 [映画]
〔1949年/日本〕
江戸時代。
人気女形・瀬川菊之助(長谷川一夫)が、
何者かに拉致され行方不明となる。
なぜ彼がそのような目に遭うのか、
理由が分からぬまま、
用心棒の田辺平八郎(大河内傅次郎)は
菊之助を探して、東海道を下る・・・。
・・・それは今から20数年前の事。
烏山の城主・大久保忠成は
カルト宗教にハマり、
物事の決定は、全て祈祷師頼み。
そんな中、忠成に、
男女の双子が誕生する。
祈祷師は、それは大変に不吉な事だと、
女児だけを城に残し、
男児は殺せと言う。
忠成は家臣・岡部内膳にそれを命じるが、
岡部は、そのような理不尽な事はできないと、
男児を外に連れ出し、逃がす。
その男児が成長した姿が菊之助なのだ・・・。
一方、美しく成長した蛇姫(山田五十鈴)に縁談が持ち上がる。
縁談を拒む蛇姫のために、
岡部は一計を案じる。
蛇姫にソックリの双子の兄・菊之助に、
花嫁になり代わってもらおうと・・・。
京マチ子さんが出ているので、
ビデオを借りて、観てみた。
観る前は京さんが蛇姫の役かと思っていたのだけれど、
そうではなく、
大河内傅次郎演じる、平八郎の
行きつけの飲み屋の女将・お時の役で、
ツケを払わない平八郎を
ひたすら追いかける。
2人は、宿屋の同じお部屋に泊まるのだけれど、
堂々としたお時に対して、
案外純情な平八郎に笑える。
何せ彼は、
自分の目の前で着換えをするお時にドギマギしたり、
くっついて敷かれたお布団に焦って、
隙間を開けたり、
ちょっと可愛い。
まぁ、そんな事は、
この物語にはどーでもいいことなんだけど、
なんだか可笑しかったから(笑)。
何と言っても、
一番興味深いのは、
カルト宗教に夢中の大久保忠成。
忠成にとって、
宗教は、自分の全て。
とにかく一日中、祈っている。
一体いつ仕事してるんだ?ってくらいに。
観ているこちらは、
「この祈祷師、いいカモ見つけたと思ってるんだろうなぁ」くらいにしか
思わないのだけれど、
忠成は、そんな事は夢にも考えないようで、
子供を殺せと言われても、
目が覚めないバカ殿。
この映画、お話は途中で終わっていて、
「続・蛇姫道中」を観ないと完結しないらしい。
今日は、その「続」を観るつもり(笑)。
評価 ★★★☆☆