SSブログ

「日日是好日」 [映画]

nichinichikorekoujitsu.jpg
〔2018年/日本〕


大学生の典子(黒木華)は、
ふとしたきっかけで、
同い年の従姉妹・美智子(多部未華子)と共に、
茶道を習い始める。


教えてくれるのは、
武田先生(樹木希林)。
凛とした先生の佇まいに、
2人は身も引き締まるような思い。


軽い気持ちで始めた茶道だが、
典子にとってそれは、
生活の一部となり、
気が付くと44歳になっていた。
24年の歳月には、
実に様々な事があり・・・。





10月13日に公開された、
この映画。


もう随分経っているし、
きっと空いているだろうと、
1月4日に観にいったのだけれど、
なんと、立ち見が多数出るほどの大盛況。


静かな人気があるのか、
それとも、正月休みで、
皆様、暇だったのか(笑)。


物語は地味だけれど、
何と言っても、
樹木希林さんの演技の素晴らしさに、
言葉もない。


樹木さんは、
もう何十年もお茶のお稽古をされているかのような、
(実際、されていたのかもしれないけど)
本当の先生のようで、
黒木華と多部未華子への教え方も、
柔らかく、
でも、その柔らかさの中に厳しさを感じるような、
本物然とした佇まい。


多部未華子は、途中で、
人生の転換期を迎え、
教室には通わなくなってしまうのだけれど、
黒木華は、24年間通い続ける。


映画は茶道と並行して、
黒木華の人生が描かれる。


私は、この映画を観ながら、
ホッとしたというか、
そんな気持ちになっていた。


というのも、
私もずっと以前に、
たった半年間だけど、
茶道の教室に通った事があって、


お稽古で、
一人ずつ順番にお茶をたててゆく中で、
私は、教わった手順を、
必死で頭で考えながらぎこちなく動くしかなく、
同じタイミングで習い始めた生徒さんたちが、
すんなりこなしているのに比べて、
自分は駄目だなぁと、
ちょっと自己嫌悪に陥った思い出があって。


でも、この映画で、
黒木さんも、多部さんも、
当たり前のように、手順を忘れたり、抜かしたりして、
樹木さんに注意されているのを見て、
「なぁんだ、あの時の私と同じだ」と思い、
もしかしたら、一緒に習っていた皆様も、
実は内心、間違えないように必死だったのかもしれない、と、
今になって、初めて気が付いたというわけで。


その時、樹木さんが、
「頭で覚えるのでなく、
 お稽古を重ねれば、体が自然に動く」というような事を仰り、
なるほど、とも思ったり。


もしも、あの時、
茶道が私の性に合っていたら、
期間限定の半年のお稽古が終わっても、
他の教室を探すなりして、
続けていただろう。
そうしたら、今ここには、
こんなガサツな私でなく、
別の私がいたかもしれない(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(153)  コメント(18) 
共通テーマ:映画