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「ダンシング・ベートーヴェン」 [映画]

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〔2016年/スイス〕


試写会で観た。


ベートーヴェン作曲の、「交響曲第9番 ニ短調 作品125」を、
モーリス・ベジャール・バレエ団の総勢350人
(ダンサー・オーケストラ・合唱団)で、
バレエで表現した公演。
このレッスン風景から、本番までを描いたドキュメンタリー。


とはいっても、
バレエの知識ゼロの私は、
ただ漫然とスクリーンを眺めているだけという、
申し訳ない状態で、
本来、ネットに感想を書く資格もない人間。


10年前に亡くなられたという、
モーリス・ベジャールというかたが、
天才振付師だったと聞いても、
そもそも、そのお名前を初めて知ったという有様。
不勉強な自分がお恥ずかしい限り。


女性ダンサーさんが、
妊娠により、
公演に参加できなくなったり、
怪我をされる方がいたり、
短い期間にも、
人生色々あると、
バレエ以外の場面が気になる。


もちろん、
分からないなりにも、
バレエのレッスン場面には見入ってしまう。
世界的なバレエ団のダンサーさんは、
そのダンスも優雅で、とても綺麗。


レッスンしていて、
誰かが酷く叱られたり、
大きな挫折はないので、
深刻にならずに観ていられる。


こんな感想しか書けなくて、ごめんなさい。


評価 ★★★☆☆

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「悲しみは女だけに」 [映画]

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〔1958年/日本〕


広島県・尾道。
飲食店を営む政夫(小沢栄太郎)とくに子夫婦の所へ、
アメリカへ嫁いだ、
政夫の姉・秀代(田中絹代)が30年ぶりに帰国してくる。


政夫の先妻の子、
道子(京マチ子)、
浩(船越英二)、芳子(市川和子)、
そして、政夫の妹の春江もやって来る。


秀代は、傾きかけた家のために、
写真しか見た事のない、
アメリカ移民の男に嫁ぎ、
苦労した話をするが、
道子も浩も芳子も、
何とか秀代から金を借りられないものか、
いつその話を切り出そうか、
それしか頭にない。


特に道子は、
深く愛した最初の夫が戦死したあと、
荒んだ生活をしており、
疲れ切った表情で・・・。





新藤兼人監督が、
凄い人だとは知っていたけれど、
これを観て、
その凄さを再確認。


新藤さんは、この映画で、
監督だけでなく、
原作も、脚本も手掛けられているそうだ。


30年ぶりにアメリカから、
一人の女性が帰ってきたのをきっかけに、
一族が、集まるわけだけれど、


そういう状況の時、
一般的に考えられる、
和気藹々な雰囲気とは、
程遠い登場人物たち。


まず、集まった家の様子からして、おかしい。
主の政夫と、その妻は、
「飲食店」だと言い張っているけれど、
そこはどう見ても、売春宿だ。
アメリカ帰りの姉・秀代に、そんな事は話せないらしい。


なにせ、秀代は、
家族のために犠牲になった人だ。
彼女は、結納金のためだけに、
アメリカに嫁いだ。
さらに、思い出深い家屋敷を売ってほしくなくて、
長年、送金してきたというのに、
帰ってきたら、家はなくなっていた。
一体、あの金は何に使われていたのか。


家族は、同じ場所にいても、
完全に壊れている。
お互いを思いやる気持ちは、
微塵もない。


それから、途中で出てきた
政夫の元嫁を演じる、
杉村春子さんも強烈。
この人を含めた、
全員はもう、
金の事しか頭にないようだ。


タイトルは、
「悲しみ」は「女だけ」となっているけれど、
女だけじゃないよね。
男だって悲しい。


男も女も、
みんな滑稽だ。
滑稽で、恥を晒しながら、
それでも生きている。


評価 ★★★★☆

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「ロシア・アニメーション特集」 [映画]

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「ワニのゲーナ」1969年・21分

南国産のオレンジの木箱に入っていた、
不思議な動物・チェブラーシカは、
電話ボックスで暮らす事にする。

そんなある日、チェブラーシカは、
「友達募集 ワニのゲーナ」という貼り紙を見て、
動物園にゲーナを訪ねる。



「ミトン」1967年・10分

少女は、犬を飼いたくて、
お母さんにお願いするけれど、
OKしてもらえない。

仕方なく、ミトン(手袋)を犬に見立て、
毛糸の紐をリードのようにして遊ぶ。
すると、ミトンが犬に変身して・・・。



「ちょっと取って来て!」2016年・2分

アニメの犬たちが、
ボールと戯れる物語。



「ティップトップ」2016年・2分

バスを待つ人々が、
いつの間にかリズムを取り始め、
楽しい展開に・・・。



「ヤギたち」2016年・2分

ヤギたちが旅をしながら、
なんとか食べ物にありつこうとするお話。



「二台の路面電車」2016年・10分

路面電車のクリックとトラムは、
毎朝、車庫から出発し、
沢山のお客さんを乗せて、
一日中働くが・・・。



「モローシカ」2015年・8分

人々から恐れられている狼と
友達になった少女。
ハンターたちが狼を狙うなか、
少女は・・・。





試写会で観た。


「ロシアンシーズンズジャパン2017」という催しの、
クロージング映画上映会という事だ。


今年は日本各地で、
ロシアの文化イベントが
開催されていたそうだけれど、
そんな事を全く知らぬまま、
いきなりクロージング作品を観る、というのも、
なんだか変な感じだけれど。


クロージング作は、
バレエ映画、「ボリショイ」と、
ロシア・アニメ特集だそうで、
私が観たのは、アニメの方。


ロシアの短編アニメの、
旧作2本と、
新作5本が上映される。


旧作の1本は、日本でもお馴染みの「チェブラーシカ」。
といっても、もともと「チェブラーシカ」は、
ワニのゲーナが主人公だったのが、
チェブラーシカの人気が高まり、
主人公になってしまったのだそうだ。


今回上映されたのは、
チェブラーシカが登場する
初めての映画作品という事だ。


他のどの作品も、
日本やディズニーのアニメを見慣れている目には、
とても珍しく感じる。


それから、やはり寒い国なんだなぁと痛感する。
例えば、
バスを待つ人々の、たったそれだけの場面からも、
体の芯から冷え切ってしまいそうな感じが
伝わってくるもの。


着ぐるみのチェブラーシカが登場して、
2ショット写真を撮れるというコーナーもあった。
さすがに、私は、それはしなかったけど(笑)。
中々楽しいイベントだった。


評価 ★★★☆☆

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「可愛いめんどりが歌った」 [映画]

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〔1961年/日本〕


大阪から家出してきた眉子(大空眞弓)は、
母の友人・正子(左幸子)の家に転がり込んだ。
正子の夫・雪彦(菅原謙二)は、テレビドラマの脚本家で、
その日は打ち合わせのため、
プロデューサーの関根(田宮二郎)と
ディレクターの野口(川崎敬三)が来ていた。


数日後、
雪彦が書いたドラマ「可愛いめんどりが歌った」の
ヒロインが急病になり、
関根と野口は困り果てるが、
2人とも、あの日会った眉子の事を思い出していた。
眉子なら、ヒロインのイメージにピッタリではないかと。


女優デビューした眉子の人気は急上昇。
しかしある時、ひどく酔った眉子は、
雪彦と一線を越えてしまい、
雪彦は、彼女のために部屋を借り、
愛人関係となる。


そんな事とは知らない関根は、
眉子にプロポーズ、
一夜を共にする。
しかし、ある人物が、
眉子と雪彦の関係を関根に告げたため、
彼は大変なショックを受け・・・。





本当は、一人の女の成長物語を
描きたかったのかもしれないけれど、
私は、芸能界の内幕ものとして、
ミーハー心を刺激され、
面白く観た。


可愛いタイトルのドラマに、
清純そうな新人女優。
多分、世間は、
それを丸ごと信じてしまうんだろうけど、
裏側を見たら、
いやはや、全然違うじゃん!って(笑)。


大空眞弓演じる眉子の、
自由奔放な事ったら、ない。
彼女は、出会ったあらゆる男を振り回す。
粗筋に書いた以外にも、
雪彦の息子や、
共演俳優など、
彼女と出会う男は、
みんな虜になってしまう。


ただ、彼女は淫乱ではないので、
男なら誰でもいい、というわけでなく、
その時その時で、
自分にとって都合のいい相手を選んでいるように
見受けられる。


それから、
一人で生きていこうという気がまるでない(笑)。
ある男との恋が破れると、
別の男の所に行く。
当分の間、
誰のものにもならず、
自由に生きてみようという気が
なぜ起こらないのかと思ったけど、
まぁ、そういう女なのだろう(笑)。


憶測でものを言ってはダメなんだろうけど、
昔も今も、
芸能界はこんなものな気がするなぁ。
そして、そんなドロドロの人間関係を
勝ち抜けるだけの、
メンタルの強さと、
ある種の無神経さ、図々しさがなければ、
やっていけないような。


ラストが印象的。
本当に一人になった眉子がどうなるのか、
続きが観てみたいくらい。


評価 ★★★☆☆

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「終わった人」 [映画]

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〔2018年/日本〕


大手銀行の子会社で
定年を迎えた田代壮介(舘ひろし)は、
その翌日から、
時間を持て余す事になる。


その暇っぷりに、
妻・千草(黒木瞳)や、娘・道子(臼田あさ美)、
妻の従弟・俊彦(田口トモロヲ)からは、
「恋でもしたら」とからかわれる始末。


大学院に入り直そうと決めた壮介は、
まず手始めに、
カルチャーセンターに入講すると、
受付の久里(広末涼子)といい雰囲気に。
「も、もしかして、彼女、俺に気がある?」


さらに、入会したスポーツジムで知り合った、
青年社長・鈴木(今井翼)から、
「うちの会社の顧問になってほしい」と乞われ、
引き受ける・・・。





試写会で観た。


今回の試写会は、
「スニークプレビュー」という、
初めての体験です。


「スニークプレビュー」とは
当日、会場に行くまで、
タイトルも、監督も、出演者も、
全く何も知らされない試写会の事を言うようです。


映画を観る時、
私は、なるべく予備知識を持たずに出掛けたい方なのですが、
いくら何でも、
タイトルも知らずに行く事はないので(笑)、
なんだかワクワクしました。


ポスターもまだ作られていないそうですので、
映画.comさんに載せられていた
お写真を使わせていただきました。


ブログにも書いてはいけないのかな?と思い、
でも、駄目だとしても、
それなら、OKが出るまで書かずにいる事は、
何ら構わないと思っていたのですが、
当日、係の方が、
「ネタバレしなければ、ぜひ書いてください」と仰られたので、
今、こうして書いています。


こんな与太ブログでも、
一人でも多くの皆様に、
映画の情報を知っていただけるのなら、
映画会社の方としても、万々歳という事なのかもしれません。
公開は来年の6月だそうです。


で、映画は、といえば、


定年を迎えた主人公が、
最初は暇を持て余すが、
次第に第二の人生への
活路を見い出す、というコメディ。


まぁ、現実に、定年を迎えた方が、
それほど暇になるか、といえば、
必ずしもそうではないだろう。
私の知っている、
同じ立場の皆様は、
それなりに人生を楽しんでおられるように
お見受けする。
趣味に没頭したり、旅行をしたり、大学に入り直したり。
(主人公も、大学院に入る事を目標に掲げるが)


もちろん、コメディ映画なので、
その辺をデフォルメしてこそ、
面白いんだろうけど。


それに、この主人公は恵まれすぎていて、
文句を言ったら、バチが当たる。


子会社とはいえ、
メガバンクに勤めていたのだから、
退職金もそれなりに出ただろうし、
東大卒という設定であるからして、
どんな大学院にだって、
入るのは、そう難しくはないと想像する。


私は、
サラリーマンは、定年があるから辛い、
と決め付けるのは嫌いだ。
自営は、定年がないから辛い、
と決め付けるのも嫌いだ。
どちらにも、良い面と悪い面がある。
そして、その両方の人々がいるから、
社会が回っているのだし、
どちらもありがたい。


もちろん、映画は、
それだけでは終わらない。
様々な問題が起こり、
話が進む。


途中から、主人公は、
「暇」なんて言っていられなくなる。
全然、
「終わった人」なんかじゃないから、安心(笑)。


評価 ★★★☆☆

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