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「母の旅路」 [映画]

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〔1958年/日本〕


笹井晋吾(佐野周二)と京子(三益愛子)は、
サーカス団を営む夫婦。
晋吾が若い頃、満州を放浪している際、
困っていたのを助けてくれたのが、
このサーカス団なのだ。


一人娘の泰子(仁木多鶴子)は中学生。
ブランコ乗りに、天性の才能を発揮するが、
高校に進学したいと考えている。


実は晋吾は、大企業の御曹司。
ある時、久し振りに墓参りに行くと、
偶然、昔の恋人・伊吹和子(藤間紫)と再会する。
和子は、晋吾の代理で社長をしているが、
「女に限界がある、
どうか社長に就任してくれないか」、と言う。


泰子のためにも、落ち着いた生活がしたいと
考えていた晋吾は、
それを了承し、
サーカスは団員に任せ、
家族3人で都内の豪邸で暮らし始める。


しかし、サーカスで生まれ、サーカスで育った京子は、
山の手の奥様然と振る舞う事ができず、
晋吾の会社や、
泰子の学校で、
2人に恥をかかせてしまう・・・。





川口浩様のお母さまである、
三益愛子さんには、
「母もの」という、シリーズ化された作品が
33本もあるという。


これも、その「母もの」の1本で、
今回、劇場公開された。
浩様のお母さまといえば、
私にとっては姑も同然(違う?(笑))。
できれば、出演作全制覇したいくらいの女優さん。


しかも、
この映画の原作者は、
三益さんの旦那様で、
浩様のお父様の川口松太郎さんだ。
浩様のお父様といえば、
私にとっては舅も同然(まだ言ってる(笑))。
この機会に観にいくのは当然であろう。


で、映画。


さすが、三益愛子さん、
上手いなぁ。
サーカスしか知らない女が、
いきなり山の手の奥様になったはいいけれど、
どうしても、それなりの振る舞いができないという役を、
説得力のある演技で見せる。


三益さん演じる京子は、
自分の何が悪いのかも、
よくは分かっていない。
夫のため、娘のために、
懸命に尽くしているつもりなのに、
でも、どこへ行っても浮いてしまう。


そもそも、着物の着付け方からして、
襟元が緩く、
いかにも着慣れていない風な
演出がなされている。
観ているこちらが、
「あ・・・困ったな・・・」と思ってしまうような。


娘の幸せを願い、
離れて暮らそうを決意する母というと、
アメリカ映画「ステラ」を思い出す方も多いだろう。
「ステラ」も、とても良かったけど、
あの映画より、30年以上も前に、
既に日本でこのような映画が作られていたんだなぁと思う。
日本映画はやっぱり凄い。


田宮二郎さんが、サーカスの団員役で、出ている。
セリフはたった一つ、
「どうもすみません」。


何が「すみません」かって、
妊娠してしまった、女性団員の、
お腹の子の父親が、田宮さんらしい。
で、謝ってると(笑)。


後のスターも、
こんな端役の時代があった。
いい男すぎて、
サーカス団の中で、
思いっ切り、目立ってたけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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