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「はじまりのボーイミーツガール」 [映画]

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〔2016年/フランス〕


勉強が苦手な
12歳の少年・ヴィクトールは、
同じクラスの優等生・マリーに
密かに恋している。


高嶺の花のマリーに、
アプローチなどできるはずもなく、
遠くから見つめるだけのヴィクトールだったが、
なんと、マリーの方から、
「勉強をみてあげる」と
自宅に招待される。


マリーのおかげで、
成績が上がり、
親しさも増して、有頂天になるヴィクトール。
そんなある日、彼はマリーから、
「私は徐々に視力を失ってゆく病気に罹っている。
 でも、チェロ奏者になる夢は絶対諦めたくない」と
打ち明けられる。


「マリーは、僕の“目”を必要としていただけなのか」
そう思ったヴィクトールはショックを受けるが、
コンセルヴァトワールの受験まで
あと2ヶ月足らずだというマリーのために、
秘密の作戦を決行し・・・。





試写会で観た。


ポスターに書かれている、
「嘘」という言葉が、
ちょっと違うかなぁと思う。


マリーは、
別に嘘などついていないような。
このポスターのキャッチフレーズだと、
マリーが、なんだかとても酷い女の子のような
印象を与えてしまう気がする。


恋愛をしていて、
時に、嘘をついてしまう事も無いとは言わないけど、
それは、もう少し大人になってからの事であって、
この映画の2人は、
とても純粋。


失明の恐怖にさらされながらも、
チェロ奏者の夢を諦めない女の子と、
彼女の夢をなんとか叶えてあげたいと
奮闘する男の子。


二人に不真面目な部分など一つもなく、
自分のしたい事に、真っ直ぐだ。
12歳の頃って、
自分はどんなだっただろうと、
スクリーンを見つめながら、考えたりして。


それから、ヴィクトールとマリーの
親の描き方もいい。


ヴィクトールは父子家庭。
母は亡くなっているのだけれど、
父は「彼女は出て行った」と言い張っている。
そんな父に、
「親父、いい加減にしろよ、母ちゃんはもういないんだ」と
言わんばかりの
ヴィクトールの様子は、
時に、
子供の方が親より大人な事があると
教えてくれるし、
父も普段は、フランス人らしく、
ヴィクトールに恋愛を指南してくれるような、
素敵な人だ。


マリーの両親は、
大金持ちらしいけれど、
マリーの目の事で、意見が分かれている。


けれど、それは、
マリーの将来を思うがための対立であって、
どちらが正しいとは、言い切れない。
子供が主演の映画では、
親の描き方もとても大切。
それによって、その子の置かれた境遇の
説明にもなるわけだから。


評価 ★★★☆☆

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