SSブログ

「可愛いめんどりが歌った」 [映画]

kawaiimendorigautatta.jpg
〔1961年/日本〕


大阪から家出してきた眉子(大空眞弓)は、
母の友人・正子(左幸子)の家に転がり込んだ。
正子の夫・雪彦(菅原謙二)は、テレビドラマの脚本家で、
その日は打ち合わせのため、
プロデューサーの関根(田宮二郎)と
ディレクターの野口(川崎敬三)が来ていた。


数日後、
雪彦が書いたドラマ「可愛いめんどりが歌った」の
ヒロインが急病になり、
関根と野口は困り果てるが、
2人とも、あの日会った眉子の事を思い出していた。
眉子なら、ヒロインのイメージにピッタリではないかと。


女優デビューした眉子の人気は急上昇。
しかしある時、ひどく酔った眉子は、
雪彦と一線を越えてしまい、
雪彦は、彼女のために部屋を借り、
愛人関係となる。


そんな事とは知らない関根は、
眉子にプロポーズ、
一夜を共にする。
しかし、ある人物が、
眉子と雪彦の関係を関根に告げたため、
彼は大変なショックを受け・・・。





本当は、一人の女の成長物語を
描きたかったのかもしれないけれど、
私は、芸能界の内幕ものとして、
ミーハー心を刺激され、
面白く観た。


可愛いタイトルのドラマに、
清純そうな新人女優。
多分、世間は、
それを丸ごと信じてしまうんだろうけど、
裏側を見たら、
いやはや、全然違うじゃん!って(笑)。


大空眞弓演じる眉子の、
自由奔放な事ったら、ない。
彼女は、出会ったあらゆる男を振り回す。
粗筋に書いた以外にも、
雪彦の息子や、
共演俳優など、
彼女と出会う男は、
みんな虜になってしまう。


ただ、彼女は淫乱ではないので、
男なら誰でもいい、というわけでなく、
その時その時で、
自分にとって都合のいい相手を選んでいるように
見受けられる。


それから、
一人で生きていこうという気がまるでない(笑)。
ある男との恋が破れると、
別の男の所に行く。
当分の間、
誰のものにもならず、
自由に生きてみようという気が
なぜ起こらないのかと思ったけど、
まぁ、そういう女なのだろう(笑)。


憶測でものを言ってはダメなんだろうけど、
昔も今も、
芸能界はこんなものな気がするなぁ。
そして、そんなドロドロの人間関係を
勝ち抜けるだけの、
メンタルの強さと、
ある種の無神経さ、図々しさがなければ、
やっていけないような。


ラストが印象的。
本当に一人になった眉子がどうなるのか、
続きが観てみたいくらい。


評価 ★★★☆☆

nice!(63)  コメント(8) 
共通テーマ:映画