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「赤いアモーレ」 [映画]

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〔2004年/イタリア〕


ある少女がバイク事故を起こし、
病院に担ぎ込まれる。
少女の父はその病院に勤務する外科医・セルジオ・カステリット。
カステリットは、
重体の娘にショックを受けながら、
昔の事を思い出していた・・・。


15年前、カステリットは、
ある村で、車の故障で立ち往生し、
その近所に住む貧しい女・ペネロペ・クルスに助けられる。
激情に駆られた彼はクルスと関係し、
その後も、逢瀬を重ねるようになる。


カステリットには、
ジャーナリストの美しい妻・クラウディア・ジェリーニがいたが、
どうしてもクルスと離れられない。
そんなある日、クルスが妊娠。
ジェリーニとの離婚を決意したカステリットは、
家に帰り、いつそれを切り出そうか、
ジェリーニの様子を伺っていた。


すると、
なんという事か、
ジェリーニから妊娠を告げられる。
嬉しそうなジェリーニに、
クルスの事を言い出せなくなってしまったカステリットは・・・。





不倫だ、不倫なんだけど、切ない。
実生活で不倫と聞けば、
「良くない」と思うだろうが、
これは映画だ。
映画の中の不倫は、
物語を盛り上げるための、
大切な要素の一つだ。


何が切ないって、
愛人・ペネロペ・クルスと
妻・クラウディア・ジェリーニに、
あまりにも差がありすぎて、
悲し過ぎて。


いくら人間に上下は無いとは言っても、
美しく、仕事のできるジェリーニに対して、
掘建て小屋のような家に住み、
貧しい生活をしているクルスとでは、
その差は歴然としている。


セルジオ・カステリットだって、
クルスを愛しているとは言っても、
ジェリーニより先にクルスと出会っていたら、
結婚する気になるだろうか。
医者の妻として問題外だと、
見向きもしなかったのではないのか。


クルス自身も、
そんな自分を分かっているかのように、
いつも地味で、質素で、
「一ヶ月に一度でも、一年に一度でもいい、会いにきて。
私を捨てないで」って・・・。
はぁ。。。溜息。
その女心、悲しいわ。


こう書いてはなんだけれど、
この映画のクルスは、
とっても不細工だ。
数々の俳優と浮名を流してきた、
美人女優・ペネロペ・クルスとは思えないような、
美しくない役だ。


でもそこがリアルで、
素晴らしい。
やっぱり彼女って、
思っていた以上に凄い女優なんだろうと思う。


評価 ★★★☆☆

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