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「ブリッジ・オブ・スパイ」 [映画]

bridgeofspy.jpg
〔2015年/アメリカ〕


1950年代。
冷戦下のアメリカとソ連。
東側のスパイと思しき初老の男・アベル(マーク・ライアンス)を
拘留したアメリカは、
裁判の際の弁護士に、
ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)を選ぶ。


裁判はほぼ形だけのものだったが、
ドノヴァンはアベルの死刑を回避すべく尽力する。
目的は達成するが、
国民からは白い目で見られ、
家には銃弾が撃ち込まれる。


5年後。
アメリカ軍の偵察機が、
ソ連に撃墜され、
パイロットのパワーズが捕虜となる。
また、東ドイツで勉強していたアメリカ人の学生・プライヤーも
当局に拘留される。


パワーズを救い出すため、
アベルとの交換を申し出たアメリカ政府は、
その交渉人として、
ドノヴァンを東ドイツに送る。


ドノヴァンは、パワーズだけでなく、
プライヤーも一緒でなければ、
アベルは返さないという強硬姿勢で、交渉に臨むが・・・。





実話だそうだ。


アメリカで拘留された、
東側のスパイと、
東側に捕まった2人の若者を交換するという、
バランスを欠いた交渉をする、
平凡な弁護士の尽力。


確かに東側にしたら、
1人対2人かよ、と言いたくなるのも分からないではなく、
でも、どうしてもアメリカ側の立場から、
物を見てしまう私には、
もう何でもいいから返しなさーいと言いたくなる。


国家って怖いな。
とにかく有無を言わせない。
例え殺されたって、
国をあげて、それが行われたなら、
完全に隠ぺいする事も可能だし、
誰も罪にならない。


映画は、
まさに、ベルリンの壁を作っている最中のドイツというのが
映るのだけれど、
あまりに簡単にあの壁が作られていく様子にビックリ。


全く普通の歩道に、
ある日突然、ブロックが積み重ねられて、
西と東に分けられる。
当然現場は大混乱だけど、
塀ができる前に、
西側に滑り込んだ人は、
西側の人間になれるという事?
これはトンチンカンな疑問なんだろうか。
それさえ分からない。


東側に捕らえられたパワーズの拷問場面が辛くて。


パワーズは眠っている所を無理矢理起こされ、
強いライトを当てられて、
色々質問される。
で、少しすると独房に戻され、
やっと眠りにつくと、
また起こされて、ライトを当てられ、質問される・・・の繰り返し。


寝入りばなを起こされるって辛いのよ(笑)。
とにかくすぐ眠くなる私は、
あの拷問を見るだけでビビる。
あんな事をされたら、
どんな秘密でも、すぐ喋っちゃうと思う(笑)。


スパイとして捕まったアベルと、
ドノヴァンとの、
心の交流みたいなものが、とってもいい。
職業を離れれば、
2人とも、普通の人間。
それは人質交換交渉以外の見どころ。


評価 ★★★☆☆

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