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◆愛子いとしや◆ [本]


愛子いとしや

愛子いとしや

  • 作者: 川口 松太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1982/06
  • メディア: ハードカバー


第一回直木賞受賞者であり、
私の大好きな川口浩様のお父様でもある
川口松太郎さんが上梓された本。


タイトル通り、奥様で女優の三益愛子さんの死後に出された本で、
それはもう、全編、三益さんへの愛で溢れている内容。


この本を読んだ理由は、
お父様から見た、浩様と野添ひとみさんの様子や、
川口家全体がどんな雰囲気だったのかを
知りたいというミーハーなものだったけれど、
結局、ご夫婦の愛情に当てられて終わった(笑)。


子供の話題に関して言えば、
長男の浩様より、
弟妹の恒さん、厚さん、晶さんに関する記述が多い。
それは、浩様の影が薄かったわけではなく、
他の3人が、麻薬で逮捕されるなど、
話題が多すぎて、
必然的にそうならざるを得なかったからに他ならない(笑)。


一度も警察沙汰を起こさず、
離婚を経験しなかったのも浩様だけで、
下の3人は、何かあると浩様に相談に行っていたらしいことが
読み取れる。


川口家だからと、ひいきするわけではないけれど、
松太郎さんの良い所は、
警察沙汰になった子供たちを、
決して庇うような記述がない所。
「育て方が甘かった」と、
きちんと認めておられる。
これが、
「親が留守がちだったから、可哀相だった」などと書かれていたら、
興醒めする所だっただろうと思う。


それにしても、
三益さんより11歳も年上で、
当然自分の方が先に逝くと思っていたところに、
妻に先立たれたショックは、
如何ばかりかと想像する。


そして、浩様が亡くなられたのが、
松太郎さんが亡くなった、
たったの2年後。
51歳という若さだったけれど、
一つだけ幸いだったのは、
松太郎さんより前に亡くならなかった事かと思う。


最愛の妻と、
さらには長男まで先に亡くされていたら、
松太郎さんは、
立ち直れないくらいのショックを受けていただろう。
親と子が、2年差で亡くなるのは、
通常ではあまりない事だ。
とにかく松太郎さんを先に見送れた事だけは、
赤の他人の私が言うのも変だけれど、
ちょっとホッとしている。

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