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「音楽」 [映画]

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〔1972年/日本〕


精神分析医・細川俊之の診察室に、
女性患者・黒沢のり子がやって来る。
彼女は、細川に「音楽が聞こえない」と訴える。


細川は、黒沢を横たわらせ、
何でもいいから、自分の事を語れと指示。
そこから、彼女の問題点を探ろうとする。


黒沢は恋人・森次晃嗣と、
既にベッドを共にしているが、
どうしても快感を得られない事、
森次は彼女にとって、初めての相手ではなく、
田舎の旧家で、
親が決めた婚約者・三谷昇に凌辱された過去がある事などを語る。


また、実の兄・高橋長英に
性的ないたずらをされた事や、
その兄が、叔母と関係している所を見てしまい、
激しいショックを受けた事もあるという。


そんなある日、
三谷が癌で余命いくばくもないと知った黒沢は、
病院に泊まり込み、献身的な看病をする。
何故か黒沢は、
死にかかっている男や、
自殺願望のある男とだと、
快感が得られるらしい・・・。





トンデモ映画だわ、これは(笑)。


三島由紀夫が原作だとの事だけれど、
「んな馬鹿な」の連続(笑)。
おそらく、原作はもっと真面目なんだろうけど、
演出のせいで、
なんだか荒唐無稽な話になってしまったのではないかと思う。


とにかく、登場人物全員の
セリフ回しが大仰で、
どうでもいい場面でも、
すんごく大ごとに感じる。


これは、増村保造監督の、
後期の映画に共通しているような気がする。
私は増村監督が大好きなので、
分かっているけれど、
いきなりこれを観たかたがいたとしたら、
ビックリするんじゃないかしら(笑)。


特に、精神分析医の細川俊之さん。
とにかく怖い。
あんな医者じゃ、
患者は悩みなんか話せないっつーの(笑)。


それに負けず、黒沢のり子さんも凄いけど。
細川さんと黒沢さんの会話を聞いていると、
仇同士みたいだ(笑)。


黒沢さんと、実兄・高橋長英さんとの
関係も凄い。
途中で、目を背けたくなるようなシーンがある。


全体的に、不気味な印象の映画。
でも見入ってしまう。
増村監督って、凄い。


評価 ★★★☆☆

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