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「陸軍中野学校 密命」 [映画]

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〔1967年/日本〕


昭和15年。
中国でスパイ活動をしていた椎名次郎(市川雷蔵)は、
いわれのない罪で、日本に強制送還される。


自分は陸軍の人間だと言っても相手にされず、
信頼している上司・草薙中佐(加東大介)に釈放を訴えても、
「お前は自分たちを裏切った」と、
身に覚えのない事を言われるばかり。


椎名は投獄された牢の中で、
元外務大臣の高倉(山形勲)と知り合う。
毎日、同じ空間で時を過ごしてゆくうちに、
2人は次第に信頼関係を築いてゆく。


ある日、突然、椎名は釈放される。
草薙に会った椎名は、
一連の動きは全て、
高倉に椎名を近付ける為の作戦であった事を知らされる。


親英家の高倉を通じて、
情報がイギリス側に漏れているというのが、その理由であった。
“キャッツアイ”と呼ばれるスパイが、
重要人物だというのだが
その正体が全く掴めず、日本は焦っていた。


早速、椎名は高倉に近付くのだが・・・。





シリーズ4作目。


1作目については、このブログで書いたが、
2作目、3作目は書きそびれてしまった。
1作目の衝撃があまりに強くて、
それ以降の作品が、
どうしても平凡な物に思えてしまう。


この作品の面白さは、
スパイを養成するまでの過程であって、
実践ではない気がする。
あまり長くシリーズ化すると、
魅力がどんどん失われてしまいそう。


とはいえ、
別に悪くはない。
「ミッション・インポッシブル」や「007」を見慣れた目には、
めっちゃアナログなスパイで、
時代を感じるのが可笑しい。


高倉に近付いた椎名に、
高倉の娘が惚れてしまうのだが、
彼女を利用して、情報を聞き出そうとする椎名。


しかし、彼女が手に入れた情報を椎名に伝えるのが、
なんと立ち話(笑)。
しかも高倉の家のすぐそばで。
あれじゃ近所の人の目も気になるし、
高倉自身にも、いつ気付かれるか分かりゃしない(笑)。


その後、椎名は、
怪しい男の車を見つけるのだけれど、
隠れる場所が後部座席の足元。
すぐバレるよ(笑)。
相手だって、身辺には細心の注意を払ってるはずだし。


ライター型や煙草型のスパイグッズ。
単純だけど、
原点に返ったみたいで、
逆に新鮮。


評価 ★★★☆☆

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「マチェーテ」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


メキシコの辣腕連邦捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)は、
麻薬王トレース(スティーブン・セガール)に
最愛の妻と娘を惨殺されてしまう。


3年後。
彼は、メキシコの国境に近いテキサスの町で、
日雇いの仕事をしながら、
復讐の時を狙っていた。


ある日、謎の男に、その腕っぷしの強さを見込まれた彼は、
悪徳議員マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)暗殺を依頼される。
しかし、それはマクラフリンを当選させる為の作戦であり、
マチェーテは追われる身となってしまう。


トラックでタコスを売りながら、
移民を支援する女戦士ルース(ミシェル・ロドリゲス)や、
情報をくれる神父の手を借りながら、
立ち上がるマチェーテ。


不正を許さない正義派の
移民関税執行局職員サルタナ(ジェシカ・アルバ)も絡み、
事態は大きくなってゆく。
マチェーテの運命は・・・。





大好き!ロバート・ロドリゲス監督。
この映画もめっちゃ楽しめた。


残念なのは、公開当時、
時間が合わず、劇場で観られなかった事。
これだけの映画、劇場で観たらもっと楽しめただろうに。


アメリカ映画だったのが、ちょっと意外。
てっきりメキシコ映画だと思い込んでいたから。
好きなんだよね、南米。
法律もモラルも通用しないあの感じが(笑)。
それでいて、アフリカの紛争のようにはシリアスじゃなくて、
なんか笑っちゃう雰囲気。
一度でいいから、ディープな南米を旅してみたい。
イメージと現実とでは、違うんだろうけど。


この映画も、とにかく殺す殺す(笑)。
容赦ない。
別に人が死ぬ所を見たいわけじゃないけど、
ここまでこられると、文句も出ない。


病院内で追い込まれたマチェーテが、
ある“長い物”を使って、
下の階に下りる場面なんか、
うわっ!と言いながらも、巻き戻して観ちゃったよ(笑)。


マチェーテを演じるダニー・トレホが最高。
こんな強面のおっさん、
いくら人材豊富なハリウッドといえども、
あんまりいない。
今調べたら、彼って今67歳なのね。
その年で、この映画(笑)。
演じている事が楽しそうだ。


出演陣も豪華で大変な見応え。
とにかく理屈抜きで、
みんなに観てほしいな。
(逆に、嫌悪感を覚える人も続出しそうだけど(笑))。
続編は作らないのかなぁ。


評価 ★★★★★

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「GOEMON」 [映画]

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〔2009年/日本〕


織田信長が暗殺され、
豊臣秀吉(奥田瑛二)が天下を取った時代。
戦は一時収束し、
人々は平和を謳歌しているように見えたが、
貧しい事には変わりない。


そんな中、義賊・石川五右衛門(江口洋介)は、
金持ちから金品を奪っては、
民衆に分け与え、
大変な人気があった。


その日も彼は、紀伊国屋文左衛門(六平直政)の屋敷に忍び込み、
金品を盗み出す。
盗んだ品の中に、小さな箱があったが、
それもあっさり見知らぬ少年に渡してしまう。


ところが、その箱には、
豊臣秀吉が天下を取ったからくりが示されており、
秀吉は血眼になって、それを探す。


五右衛門は追われる身となるが、
彼を狙う忍者・霧隠才蔵(大沢たかお)は、
幼少時代、一緒に修行をした仲であり、
殺し合うには躊躇いがあった・・・。





友人からDVDを借りてはいたが、
中々食指が動かず、
そのままになっていた本作。


世間の評価は低いし、
なにより、「監督・紀里谷和明っていうのがなぁ」と、
二の足を踏んでいたのが理由。
「CASSHERN」も観てないし。


でも、想像していたより悪くなかった。
やっぱり食わず嫌いは良くないね。
何より、五右衛門のキャラが元気いっぱいなのが、
私は好き。


時代考証もめちゃくちゃだし、
実在の人物と架空の人物が入り乱れちゃってるし、
(石川五右衛門の家来が猿飛佐助というのが可愛い(笑))
深く考えたら、駄目なんだろうけど、
それさえ納得できれば、楽しめると思う。


それから、多国籍な感じとでも言おうか、
全てが「どこの国?」と言いたくなるのが、
可笑しい。
着ている物も、お城も、
通常の時代劇では考えられないような代物。


CGの出来や、多用についても、
様々な意見があるようだ。
でも、私はCGが上手くて出来ているか否かって、
観ていてもよく分からない。
よほど変でもない限り、
「うわー、凄い」と思ってしまうので、
特に気にならない。


そうなると、「CASSHERN」も気になってくるな。
機会があったら観てみようかな。


評価 ★★★☆☆

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「初雪の恋 ヴァージン・スノー」 [映画]

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〔2007年/日本・韓国〕


韓国から、1年間の約束で転校してきた高校生・イ・ジュンギ。
彼は偶然出会った、神社の巫女・宮崎あおいに恋をする。


彼女が同じ高校の同じクラスだと知ったジュンギは、
クラスメイトの塩谷瞬にアドバイスを受けながら、
アタックを繰り返す。


ある日、ジュンギは、宮崎が大切にしていた絵具箱を
川に落としてしまい、
バイトして弁償する。
それらの出来事から、宮崎も次第にジュンギに惹かれ始める。


デートを繰り返す2人。
傍目には幸せそうに見えた2人だが、
実は宮崎は、家庭に問題を抱えており、
ジュンギが韓国に帰省している間に、
姿を消す。


数年後、偶然会った2人は・・・。





おぉ~!塩谷瞬さんだよ!
いやいや、いくら私がミーハーでも、
時の人とはいえ、
そんな理由でわざわざ彼の出ている作品を選んだりはしない。
あくまでも偶然よ、偶然(笑)。


テレビはあまり見ないけれど、
一連の騒動は、ネットで読んでかなり詳しくなってしまった(笑)。
彼の行動に、最初は憤慨したけれど、
今はちょっと可哀相な気もするな。
別に人を殺したわけじゃなし、
あそこまで糾弾される事かって。
同じような事をしている人は沢山いるでしょ。


ただ、つい、演技している彼の顔のアップをマジマジと見てしまう。
「ふーむ、これが彼か」って(笑)。
しかもセリフがいい。
彼はジュンギに向かって、
日本女性の落とし方をレクチャーする。
「日本女性は奥ゆかしく、恥ずかしがり屋。
スローペースで責めないとダメ」
なんだと(笑)。


塩谷さんばかりが気になって、
肝心の主役2人は、
どこかに行っちゃってる(笑)。


宮崎あおいもイ・ジュンギも、
可愛らしいけれど、
物語は、いかにも、
当時の韓流ブームに乗って作りましたぁって感じの内容。
擦れ違いの感じも韓流ドラマっぽい。
(って、観た事ないけど(笑))
(あくまでもイメージ)


2人がした、ある約束はとても可愛いと思ったけれど。
いくつになっても、
ああいう約束は胸ときめく。


評価 ★★★☆☆

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「ミシェル・ヴァイヨン」 [映画]

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〔2003年/フランス〕


ミシェル・ヴァイヨン(サガモール・ステヴナン)は、
天才カーレーサー。
「チーム・ヴァイヨン」を率い、
大変な人気者でもある。


ある明け方、ヴァイヨンの母は悪夢にうなされる。
ヴァイヨンの車がクラッシュし、
爆発炎上、ヴァイヨンが死ぬ夢を見たのだ。


「チーム・ヴァイヨン」は、“ル・マン24時間レース”への出場を
発表する。
すると、以前から、チーム・ヴァイヨンに恨みを募らせていた、
ルース(リサ・バルブシャ)率いる、「チーム・リーダー」も、
5年ぶりの出場を表明。


ルースは、汚い手段を使い、
「チーム・ヴァイヨン」に様々な妨害工作を施してくる。
ついには、レース中にヴァイヨンの父親を誘拐し、
「勝ったら殺す」とまで脅す。
事態はヴァイヨンの母が夢に見た内容と、
同じような状況になってくる・・・。





リュック・ベッソンの映画は割と観ているの思うのだが、
彼の人となりについてはよく知らない。
でも、「TAXI」や「トランスポーター」などからも、
おそらくは相当なスピード狂なのではと想像しているのだが、
この映画も、スピード感があり、なかなか面白かった。


とはいえ、
レースに勝ちたいというだけで、
「そこまでする?」という、相手の妨害工作が、
可笑しい(笑)。


原作は、全64巻もあるロングセラーのコミックで、
ヨーロッパでは知らない人はいないそうだ。
やはり、この映画の、荒唐無稽で現実離れした内容に、
賛否の声が上がったそうだが、
ファンなら怒る人もいるかもしれないな。
原作を知らない私は、それも込みで楽しめたけれど。


まず、「チーム・ヴァイヨン」の車をレース会場まで来させない為に、
車を乗せたトラックのタイヤを銃で撃って、
立ち往生させる。
しかし、ヘリコプターで駆け付けたヴァイヨンたちは、
一般道をレースのように走り抜け、
会場にギリギリのタイミングで現れる。
あんな車が私の隣を走り抜けていったら、驚くよ(笑)。


その後も色々あるが、
極めつけの父親誘拐。
そんな事して、あとからバレたら、
たとえ優勝できても、剥奪間違いなし、
地位も名声も、地に落ちるってもんだが、
ルースはそこまで考えなかったのか?(笑)


私も、週の半分は車の運転をしていると思うのだが、
見分けがつくのは、乗用車とバスとトラックの違いくらい(笑)。
乗用車はどれも同じにしか見えないし、
映画では、敵と味方は、
車の色で判断するしかない。
機械的な専門用語なんて、もちろん分からないし。
こういう映画を観ていると、
車に詳しい方はより楽しめるのだろうと、羨ましく感じる。


評価 ★★★☆☆

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