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「冷たい熱帯魚」 [映画]

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〔2010年/日本〕


小さな熱帯魚ショップを経営する社本信行(吹越満)。
妻の死後、年若い妻・妙子(神楽坂恵)と結婚するが、
思春期の娘・美津子(梶原ひかり)は妙子を嫌い、
家の中はいつも、どんよりしている。


美津子が万引きしたとの連絡が入り、
慌てて迎えに行く社本と妙子。
スーパーの店長は怒り狂っていたが、
居合わせた店長の友人・村田幸雄(でんでん)のとりなしで、
その場は納まる。


村田は、社本の店とは比べ物にならないくらい、
大きな熱帯魚ショップを経営しており、
同業者の気安さから、
両者は急速に親しくなる。
村田は美津子を住み込みで働かせ、
更生させてやるという所まで話が進む。


しかし、最初は調子がいいだけの中年男だと思われた村田が、
次第に本性を現し始める。
彼の周囲からは、実に30人以上の人間が、
忽然と姿を消していたのだ・・・。





何も考えずに、
トマトソースのパスタを食べながらこれを見始めた、
私は馬鹿だ(笑)。


追い詰められる。
心が。
逃げたいけど、もう逃げられない。
気が付いた時には、
もう引き返せない所まで来てしまった、
社本の心理状態を想像するだけで、
苦しくなるというのに、さらに・・・。


でんでんの演技は凄いなぁ。
最初は、ちょっと強引だけど、親切なおじさん。
何か変だなと思いながらも、
「まぁ、こういう人っているし」くらいの軽い気持ちで、
彼に付いていってしまう、社本一家。


さらに、社本は彼に恩と引け目がある。
万引き娘を助けてくれた手前、
彼の誘いを無下に断る事はできない、できっこない。


物凄い場面の連続だけれど、
どこか、おかしみを感じてしまうのは、
やっぱり、でんでんの演技のせいだろうか。


“埼玉愛犬家連続殺人事件”をモチーフにしているという事だが、
これほど凄い事件だったとは。
なぜ記憶に薄いのだろうと思って調べたら、
犯人が逮捕された1995年は、
阪神大震災とオウムの事件があり、
世間は、それどころではなかったとの事。
納得。


ラストは賛否あるようだが、
私は悪くないと思ったな。
何かで相殺するのは無理なくらい、
強い憎しみを持たざるを得ない人だっていると思うしね。


評価 ★★★★☆

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