SSブログ

「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」 [映画]

bridesmaids.jpg
〔2011年/アメリカ〕


クリステン・ウィグ。
30代後半の独身女性。
ケーキ店の経営に失敗し、恋人にも捨てられ、
今は母親のコネで宝石店の売り子をする日々。
ベッドを共にする男友達からは、
「体だけの関係」とハッキリ宣言されている。


ある日、彼女は親友・マーヤ・ルドルフから、
婚約を聞かされ、
ブライズメイズ(花嫁介添人)のリーダー役を頼まれる。


親友の為にと、快く引き受けたウィグだったが、
しかし、ウィグ以外のブライズメイズたちは、
何やらセレブっぽく、
みんな幸せそうだ。
中でも、美人のローズ・バーンとはソリが合わず、
波乱の予感。


予感は的中し、
ウィグの提案する結婚式プランは、
ことごとく却下されてしまう。
さらに、裕福なブライズメイズたちと、
貧富の差を見せつけられ、
それが原因で様々な騒動が起こる。


さらにウィグは、客あしらいの下手さから、
宝石店をクビになり、
いいムードのなりかけた警察官との関係も悪化、
これ以上はないくらい、どん底の状態になってしまう。
そのストレスが、
ブライダルシャワー(花嫁へ贈り物をするイベント)の日に爆発、
イベントをぶち壊してしまう・・・。





映画館に行って、
この作品が一番時間的に近かったので選んだのだけれど、
本当に観て良かった(しみじみ)。
笑っていたのに、
気が付いたら涙がにじんでいた。


クリステン・ウィグの、なんとも八方塞な不安定感。
同じ境遇になった事はないにしても、
女なら誰でも理解できる気持ちじゃないのかな。


自分だけ特定のパートナーがいない不安に加えて、
彼女にとって大きいのは経済的不安。
ブライズメイズの為のお揃いのドレスを選ぶシーンで、
彼女以外の女たちは、
値段など全く気にしていない様子。
一人値札で選んだウィグは、
なんとかそれに決めたいと必死。


独身最後にと、みんなで行ったラスベガス旅行はもっと最悪。
6人の中で、ウィグ一人だけがエコノミークラスで、
さらに飛行機に弱いウィグは、
5人のいるファーストクラスに出たり入ったりするのだけれど、
乗務員から出入り禁止を言い渡されてしまう。
不安を消す為に飲んだ酒が効きすぎて、
ついには機内で、とんでもない醜態を晒すハメに。


これって、どうなのよ(笑)。
女同士の旅で、1人だけエコノミークラスって、
何事にもつるまなくてはいられない日本女性だったら、
考えられないんじゃないかしら。


こんな風に書くと、とってもシリアスな感じがするけれど、
そんなウィグの辛さを、
ドタバタした感じで描いてあって、
全編、笑いでいっぱい。


それに、ウィグは、自分のダメさを、
自分が一番よく知っているから、
「ヤング≒アダルト」のような寒い勘違い女とも違って、
イライラさせられる事はない。


女たちが全員、特別美人じゃないって所(ごめんなさい(笑))が、
この映画のリアルな感じを、より強くしている気がする。
とりあえず綺麗という設定のローズ・バーンも、
まぁ、そこそこかなって程度。
だからこそ、感情移入もしやすい。


どん底のウィグをメリッサ・マッカーシーが、
叱咤する場面が心にしみる。
ウィキペディアを見ると、
マッカーシーはこの映画で、沢山の賞にノミネートされている。
分かるわ。
(試着室でも場面も含めて(笑))。


評価 ★★★★★

nice!(19)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画